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興味がなかった相手の気を引くことができる「謎かけ効果」の使い方

2023.07.16PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

「謎かけ」から始めてみる

他人の文章を読むのは忍耐力がいります。自らすすんで読みたいと思っていないときはなおさらです。ではどうすれば、最後まで読んでもらえるでしょうか?

のちに『影響力の武器』などの著作で知られるようになる社会心理学者ロバート・チャルディーニは、初めて一般向けの本を書くとき、どうすれば文章で人の興味を惹きつけられるかを知りたいと思いました。そこで彼は、科学者が素人向けに書いた本を集中的に読み、あまり読まれていない文章には共通点があることを見つけました。それは「わかりにくく」「形式的で」「専門用語が多い」文章です。一方、成功している文章にも共通点がありました。それは「論理が明確」で、「いきいきとした事例」があり、「ユーモアがある」文章です。

ただここで彼は1つだけ、予想していなかった成功例を見つけました。

チャルディーニがヒントを得たのは、ある天文学者が書いた本でした。その冒頭には次のような文章が書かれていました。

「太陽系の中で、おそらくもっとも壮観な特徴をもつ土星の輪について我々は説明できるだろうか? このようなものは他には存在しない。土星の輪はいったい何でできているのだろう?」

そうです。この本はいきなり「謎」から入っていたのです。さらに著者は、次のように読者に問いかけ、謎を深めていきました。

この問題に対して国際的に定評のある3つの研究グループが答えを出しているが、それがすべて異なるのはなぜだろう? ケンブリッジ大学の研究グループは「土星の輪はガスだ」と言い、MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究グループは「塵ちりの粒子だ」と言い、カリフォルニア工科大学の研究グループは「氷の結晶だ」と言う。同じものを見ているはずなのになぜこうも違うのだろうか。結局、正解はどれなのだ? 

この天文学者は、その後、20ページにわたって「土星の輪が何からできているか」をミステリー仕立てで解明していきます。結果、その答え(氷に覆われた塵)まで読んで、チャルディーニは思いました。「私は塵になんか興味がないし、土星の輪が何からできていようが生活には関係ない。でもこの20ページの間、私はその謎を知りたいとむさぼるようにこの本を読んでしまった」と。

チャルディーニはここから学んだことを、著作だけでなく、大学での授業にも応用しました。冒頭で謎を提示して、それを解明していくというスタイルで授業をすると、学生の食いつきがぜんぜん違ったそうです。

【まとめ】
「謎かけ効果」を使えば、興味がなかった相手の気もひける

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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