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仕事で複数のアピールポイントを提示する時に活用したい「3の魔力」

2023.06.29PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

ポイントを3つに絞る

たくさんのアピールポイントがあるとき、企画書にはいくつまで入れるのがいいのでしょうか? たとえば政治家の公約を見ていると、あれもこれもとたくさんの項目が並んでいます。はたして効果はあるのでしょうか? 

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のスザンヌ・シュウ准教授らは、生活者にもっともポジティブな印象を持ってもらうアピールポイントの数がいくつかを調べる実験を行いました。この実験の参加者は、「朝食用シリアル」「レストラン」「シャンプー」「アイスクリーム店」「政治家」という異なる商品(人)の広告文を読むよう求められました。それぞれの商品につき、アピールポイントが1つから最大6つまで6種類の広告があります。たとえばシャンプーであれば、6つすべてのアピールポイントが入ったものなら「髪をきれいにし、強く、健康に、柔らかく、輝きを増し、豊かにする」といったイメージです。1つだけの場合は、上記のうち1つだけがアピールされます。さて、結果はどうだったでしょう?

実験の結果、実は3つのアピールポイントが入った広告が、すべてにおいて(政治家も!)、抜きん出てポジティブな評価が下されました。より詳しくお伝えすると、アピールポイント3つまでは、その数に比例してポジティブな評価が上がり、4つ以上になると評価は逆に下がることがわかりました。

アピールポイントは1つでも多くあったほうが、買う側にとってはメリットがあるように感じます。 しかしながら、4つ以上のメリットが提示されると、疑いの心が芽生えるためか、その評価は下がります。つまり、この論文のタイトルにもあるように、「3つは人を惹きつけるが、4つは警戒される(Three Charms but Four Alarms)」というわけです。 

このように、「3」という数字は人間にとって効力を有します。たとえば牛丼チェーン𠮷野家のキャッチフレーズ「うまい、やすい、はやい」がその典型です。

ちなみに𠮷野家の3つの単語の順番は、実は時代によって変わってきているのをご存じでしょうか?

●~1990年代前半  「はやい、うまい、やすい」
●1990年代半ば~  「うまい、はやい、やすい」
●2000年代半ば~  「うまい、やすい、はやい」

これは、その時代時代で𠮷野家が大切にしているセールスポイントの順番です。訴求ポイントは3つに絞って強い順に並べるのも、伝え方のコツと言えるでしょう。

【まとめ】
「3の魔力効果」を使えば、それぞれの特長がきちんと伝わる

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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