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頑固な相手を説得したい時に重要な意見の伝え方

2023.03.17PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

お互いの共通目標を見せる

明らかに間違った意見であっても、正しいと思い込んでいる人にその考えを変えさせるのは至難の業です。自分が信じる意見を支持する情報ばかりに注目し、反証する情報が心に入ってこないからです。この傾向は心理学用語で「確証バイアス」と呼ばれるものです。

また、強く信じる意見を持っている人に対して、客観的事実をもとに間違いを指摘すると、より頑なに自説を信じるようになるという「バックファイアー効果」も報告されています。政治や外交などの分野では、特にこの現象が顕著です。ではどうすれば、頑なに間違った意見を信じている相手に、その意見を変えさせることができるでしょうか?

イリノイ大学アーバナシャンペーン校のザカリー・ホーン博士とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームは、 凝りかたまった意見をどうすれば変えさせることができるかの実験を行いました。アメリカでは、乳幼児にMMRワクチン(麻疹・おたふくかぜ・風疹の三種混合)を打つと大きな副作用があるという俗説が信じられてきました。その結果、予防接種率の低下と麻疹の再発を招き、2014年には、644件と前年の3倍の麻疹が報告されました。この俗説は、科学的な根拠が認められていないのですが、副作用を信じる親は頑なにこれを信じ、子どもにMMRワクチンを打たせようとはしません。医者がいくら客観的なデータを示して安全だとすすめても、親たちはますます頑なになるだけでした。

そこで研究チームは、医師から両親に「MMRワクチンが大きな副作用を起こすことはない」と説得することをやめ、別の方法を試してみることにしました。それは 「子どもを命の危険にさらさない」という、医師と親の共通の目的を強調したものでした。そして「MMRワクチンは、麻疹など死に至るかもしれない病気を予防する」というプラスの事実だけを強調することにしたのです。

その結果、多くの親の態度が変わりました。MMRワクチンの接種に同意する親が明らかに増えたのです。

つまり、相手の思い込みを変えようと思うなら、その人がもともと持っているガンコな意見を変えさせようとするのではなく、共通して目標にできる別の考えを植えつけたほうが早いということです。この方法は、ビジネス、政治、外交などの分野においても応用がききます。

「間違っている」と指摘すればするほど、ガンコな人はますます頑なになります。

論理で説き伏せようとするのではなく、新たにお互いの共通目標を見つけてそれを一緒にやろうというスタンスで臨めば、相手の態度も軟化することでしょう。

【まとめ】
ガンコな相手とは、遠くを見て話せばぶつからない

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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