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相手にイメージを共有して説得力を生む上手な伝え方

2023.05.10PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

想像しやすい「たとえ話」で伝える

説明してもなかなかイメージしてもらえないことでも、アナロジー(類推)やメタファー(比喩)を使えば、直感的に理解してもらえることがあります。

たとえばディズニーランドは、パーク内を「青空を背景とした巨大なステージ」というアナロジーで成り立たせています。これによって、パーク内のあらゆるものが「ステージで上演されるショー」という考えを浸透させているとともに、スタッフたちにも、自分たちがステージの上で演じる「キャスト」であるという自覚を植えつけさせることに成功しています。

もし、パーク全体がステージであるという、直感的に理解しやすいアナロジーがなかったら、スタッフたちにこうした意識を持たせることは至難の業でしょう。

比喩(メタファー)も、アナロジーの一種です。これは本来関係のない事項と事項を結びつけることで、読み手に直感的に理解してもらうようにするものです。

スタンフォード大学心理学科のポール・ティボドーとレラ・ボロディツキーは、2つのグループにそれぞれ、1カ所だけ単語が違う記事をインターネット上で読ませました。それは次の2つです。

① 犯罪はアディソン市を襲う野獣だ。かつて平和だった市の犯罪率は、過去3年間で着実に増加している。
② 犯罪はアディソン市に感染する病原菌だ。かつて平和だった市の犯罪率は、過去3年間で着実に増加している。

犯罪に使われる比喩が「野獣」か「病原菌」かの違いだけです。この比喩表現は本質的には、実際の犯罪とはなんの関係もありません。

ところがこれを読んだグループに、この都市でどんな解決法をとったらいいかという質問をすると、2つのグループの間には大きな差が出ました。

①の記事を読んだグループは、「犯罪者を捕まえて刑務所に入れる」という答えが多くなりました。一方、②を読んだグループは「広がりを抑止し有害な状況を改善していく」という答えが多くなりました。つまり、最初の比喩(野獣・病原菌)が、その考えに大きな影響を与えたということです。

このように、うまくアナロジーや比喩を使うことができると、直感的にイメージを与える文章になるだけでなく、読み手の考え方さえ変えてしまうこともあります。この技をうまく取り入れられると、説得力を生む伝え方ができるようになるでしょう。

【まとめ】
「アナロジー効果」を使えば、相手にイメージが伝わりやすくなる

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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