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予定をすっぽかす癖を直すには?さりげなく責任を自覚させる魔法の一言

2023.04.07PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

さりげなく責任を自覚させる

予約したにもかかわらず当人が来ないという問題は、日本でも医療機関、飲食店、美容院などさまざまな業種で、大きな社会的損失をもたらしています。イギリスの国営保険センターでも、予約した患者のすっぽかしによる損失は、年間8億ポンド(約1328億円)もあるという試算があります。

そこで、ロンドンにあるインフルエンス・アット・ワーク社のスティーブ・マーティンと医師などの研究チームは、社会心理学の知見から、いくつかの保険センターと共同ですっぽかしを減らす実験を行いました。

最初に行ったのは、予約の日時を決める電話において、切る前に患者さん自らに、日時を復唱してもらうということでした。

実はたったこれだけのことで、すっぽかしは約3%減りました。3%といっても全体の損失(8億ポンド)から換算すると、約2400万ポンド(約40億円)と決して少なくありません。かかる費用はゼロであるにもかかわらず、です。

そこで次に窓口で予約をとる際、次回の予約日時を患者さん自身に書いてもらうようにしました(それまではスタッフが診察券に書いていました)。するとこちらの効果は劇的で、前6カ月と比較してなんと18%もすっぽかしが減ったのです。これは全体の損失から換算すると、約1億4400万ポンド(約239億円)! こちらもかかった費用はゼロです。

なぜこのような結果が生まれたのでしょうか? 

それには「コミットメント」が関係しています。「コミットメント」とは、「責任を持って関わる」という意味です。つまり先の結果が出た理由は、患者さん自らが能動的に約束に対してコミットした結果であると考えられます。人間には、自分から能動的にコミットしたこと(やります! 守ります! と言うこと)は、できるだけ守ろうとする「一貫性の原理 (The Consistency Principle)」があるのです。

あなたがメールで予約を受ける仕事をしているなら、返信で必ずこう伝えるのはいかがでしょうか。

「予約をキャンセルされる場合は、お手数ですが必ずご連絡ください」

そしてお客さんから「はい」とコミットメントの返信をもらって初めて予約が完了するようにするようにします。

ネット予約の場合は、たとえば予約情報を入力してもらったあとに、「予約をキャンセルされる場合は、お手数ですがご連絡いただけますか?」とコミットメントを促す文章が出るようにして、これにチェックを入れないと予約が完了しないようにすれば、約束を守ろうとする「コミットメント効果」が期待できることでしょう。

【まとめ】
自分で「やる!」と言ったことって、なかなかくつがえせないもの

 

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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