「CES 2023」で披露された注目のガジェットや昨年にリリースされた新製品の中から、今後の家電業界はもちろん、世の中に大きな影響を与えそうなものを、小誌の編集部員がランクづけしながら解説する。
1位|超軽量スマホ用HMD
サングラスのような気軽な装着感!
シャープ『VR用ヘッドマウントディスプレイのプロトタイプ』価格未定
超軽量(約175g)で高精細映像を表示できるスマホ接続型VRヘッドセットの試作機。長時間使用しても疲れにくく、コンパクトに折りたためるようになる模様。ディスプレイは4K(片眼2K×2)仕様で、120Hz駆動によるなめらかな表示を実現できる見込みだ。ポリマーレンズを採用したRGBカメラモジュールを搭載し、現実世界の様子を映像として表示する機能も搭載予定。ピント合わせが高速でVR酔いも軽減できるとか。
[@DIME編集長・イシザキの予報]VRの世界へ瞬間移動できる時代が到来
高性能なVRヘッドセットは「大きい」「重い」といった点が、普及の妨げのひとつになっている。シャープの試作機のように軽量化が進めば、VR・メタバースの利用がより一般化していくだろう。
2位|分離型2画面式ノートPC
〝ながら〟を極めたマルチタスク機
レノボ『Yoga Book 9i』価格未定(海外では2099ドル)
13.3型の有機ELディスプレイを2枚搭載したノートPC。上下に2画面、もしくは左右に2画面を並べた状態で使える。キーボードは着脱式でスタイラスペンによる書き込みにも対応。作業効率の向上に加えて、映画などを鑑賞しながらの作業も可能に。CPUは第13世代Core i7を搭載。重量は約1.38kg。
[編集・タジリの予報]PCはマルチディスプレイが当たり前に
生産性向上のため、ノートPCとともに外付けのモバイルモニターを持ち歩く人が増えている。それを1台で可能にするノートPCのマルチ画面化は今後広まっていくかもしれない。
3位|スマホ用ロック
〝スマホいじり〟を強制的にストップ
Ampere『The Traction Timer』価格未定(海外では69ドル)
スマホを本機内にセットすると設定した時間が経過するまでロックがかかる。仕事や勉強中についスマホを触ってしまうのを防ぐために開発されたデバイスだ。集中力に関する研究に基づいて設計されており、深い集中を達成するための様々なタイマーモードを搭載予定。
[編集・イノウエの予報]デジタルデトックスの習慣が定着
最近では便利なIT機器が集中力や生産性を阻害する存在と考えられ、デジタルデトックスが求められている。本機のようなデジタルデトックス用アイテムが今後も増えそう。
4位|呼吸調整クッション
抱いているだけで呼吸がととのう
ユカイ工学『fufuly(フフリー)』価格未定
まるで呼吸をするように、膨らんだり縮んだりするロボットクッション。抱きかかえることにより、無意識に深くゆったりとした呼吸に誘導され、ストレスの軽減や安静効果が得られる。東京大学による研究をベースに開発され、使用後のタスクパフォーマンスの向上も検証されている。
[副編集長・タカノの予報]今後はクッションもガジェット化
今までもマッサージ機能を持つクッションはあったが、呼吸に注目したクッションは斬新。クッションのような身近なアイテムがガジェット化する流れが本格化しそう。
5位|スマートバスマット
何気なく足を乗せれば計測完了
プラススタイル『スマートバスマット』1万6980円
体重計と一体化したバスマット。風呂(シャワー)上がりに乗るだけで、体重のデータがWi-Fi経由でスマホアプリに自動送信される仕組み。アプリでは体重の増減とBMIの変化が確認できる。家族で使う場合、各自のアプリでプライバシーを守りつつ健康管理できるので安心だ。
[編集・ハラグチの予報]〝ステルス化〟した家電が大量繁殖
機器を意識せずに健康を管理できるのが◎。こうしたデザイン的にも機能的にもスマートで、意識せずに使える〝ステルス化〟した家電やガジェットが今後も増えそうだ。
6位|検尿ガジェット
便座に装着するだけの新発想
Withings『U-Scan』価格未定
便器内に設置し、採取した尿を化学分析してスマホにデータを送信する検尿デバイス。水分や栄養の補給状態、代謝の状態などがモニタリングでき、妊娠の可能性も判定可能という。米国FDA(食品医薬品局)の承認が得られれば、2023年4〜6月にまずは欧州で販売される予定だ。
[編集・ワタナベの予報]ヘルステックの主戦場はトイレに
病院の検診などで行なわれていた尿検査が、家庭で手間なくできるのは画期的。医療機器としての認可など壁もあるが、高齢者や自宅療養者を中心に普及が期待できる。
7位|環境調整機能付き置き時計
入眠も目覚めもバッチリ!
カドー『BRAIN SLEEP CLOCK』4万4000円
光、香り、音で体内時計を整えるのが特徴。ヒーリングサウンドなどで自然な眠りを促す。ノンレム睡眠・レム睡眠に合わせてライトやアラームが動作。目覚めが心地いい。
[編集・ヒロの予報]睡眠負債を解消する家電が急増
睡眠の研究が進み、多様な製品が登場。自分に合った方法で睡眠を改善できるようになるだろう。
8位|IoTノンフライオーブン
油を使わずスマホで簡単調理
EPEIOS『FoElem Chef(シェフ)』3万9800円
油を使わずに揚げ物が作れるノンフライオーブン。両面ヒーターとスチームを採用し、アプリから1分単位、10℃単位の設定にも対応。
[デスク・チバの予報]調理家電の多機能化に拍車がかかる
スマホ連携の調理家電がさらに増えそう。世界的デザイナーが手がけたデザインもCOOL!
9位|全自動ライスクッカー
軽量から炊飯までフルオート
パナソニック『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』価格未定(先行体験時は4万6000円)
お米と水を自動で計量する炊飯器。簡単なボタン操作もしくはスマホアプリで無洗米の炊飯を開始できる。炊飯量は最大2合。お米は2kg、水の対応容量は600ml。
[編集・オビツの予報]自給率100%の米食回帰が進む
「毎朝忙しい」「一人暮らしなのでパン食」といった人たちが、米食を見直すきっかけになりそう。
10位|飲料水生成器
部屋の水分で飲み水をつくる
Kara Water『Kara Pure』49万5100円(参考直販価格)
電気で空気を冷却することで1日に最大10Lの飲料水を作り出せるウオーターサーバー。生成後の水は殺菌され、ミネラルを含んでいて健康にも役立つアルカリイオン水に。
[編集・テラダの予報]水不足問題を解決する手段に
部屋の除湿もできるスグレモノ。普及が進めば、同技術が世界の飲料水不足を解決するかも?
取材・文/小口 覺
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年1月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
DIME4月号の特集は「最強のスタートアップ100」「家電の未来予報」
日本におけるスタートアップが変革期を迎えつつある。メルカリ、ビズリーチ、ラクスル、BASEなど、急成長を遂げたこれらの企業に続くのはどこか。投資を目的に、協業を念頭に、転職先探しに、各分野で注目される企業など最前線を紹介する。