目次
『序に』は、日常生活で使われる身近な言葉ですが、漢字にすると正しく読むのが難しいかもしれません。読み方から使い方・類語、そして『序に』を用いた言葉まで幅広く紹介します。敬語表現として使えるのかについても確認し、知識を深めましょう。
「序に」の読み方・使い方とは
まずは『序に』の読み方と使い方を、分かりやすい例文とともに紹介します。英語表現や、敬語表現として使えるのかについても見ていきましょう。
読み方は「ついでに」
『じょに』と読み間違いしやすい『序に』は、『ついでに』と読みます。日常生活でよく耳にしたり、口にしたりする言葉なので、知っている人が大半でしょう。
しかしこの『序に』を、単に『一緒にまとめて何かをする』という意味で使っている人もいるかもしれませんが、実際には少しニュアンスが異なります。
『序に』は『メインとなる何かをするときに、その一連の流れの中で他のことも行う』というのが正しいニュアンスです。
使い方を例文で紹介
『序に』の使い方を、例文で確認しましょう。
- 人事部に書類を届ける序に、コピー用紙をもらってきてほしい。
- 先方に納期の確認をする序に、近いうちにミーティングできるか聞いておきます。
- スーパーに買い出しに行く序に、銀行で振り込みの手続きを済ませた。
例文の通り、何かをする機会を利用して、別のことを加えてするというときに使いましょう。
英語では、『While I’m at it/While you’re at it』や『〜and〜』『on the way』と表現します。
- Could you please bring my coffee while you’re at it?(序にコーヒーを持ってきてくれますか?)
- I went to the supermarket and the post office.(スーパーに行った序に、郵便局に行った。)
- I will stop by your house on my way home.(家に帰る序に、あなたの家に寄ります。)
状況に合わせて、単語を入れ替えて使ってみましょう。
「序に」は敬語表現として使える?
敬語表現として『序に』を使うときは、尊敬語か丁寧語で表現するのが適しています。
- 先日、御社の社長が弊社を訪問されました。序に工場見学もなさいました。
ビジネスシーンで敬語表現として使いたい場合は、別の表現を使った方がより適しているケースもあります。例えば、『序ながら』『ちなみに』『付け加えますと』などに言い換えられます。
- 序ながらで恐縮ですが、今、◯◯部長とお話しすることは可能でしょうか?
「序に」を別の表現に言い換えると?
似た意味の言葉を複数知っていると表現の幅が広がるので、『序に』の代わりに使える表現をいくつか紹介します。それぞれの意味や使い方を、アレンジして使いやすい例文とともに見ていきましょう。
ちなみに
『ちなみに』は、漢字で『因みに』と書きます。関連があるという意味の『因む』から派生したと考えられています。メインで述べた物事に加えて、伝えておいた方がよいであろうことを補足して、一緒に伝える際に使う言葉です。
- 今日の会議は延期になりました。ちなみに関係者には連絡済みです。
- 明日は休む予定です。ちなみに緊急の場合の連絡は可能です。
- 来週からセールを開始します。ちなみに全品50%オフです。
『なくてもよいけれど、伝えておいた方がよさそう』といったように、あくまでも参考程度というニュアンスがあるのがポイントです。
おまけに
平仮名で『おまけに』と書かれることが多い言葉ですが、漢字では『御負けに』と書きます。先に言った事柄に対して、何かを付け加えるときに使います。
- 今週は終わらせなければならない仕事が山積みだ。おまけに出張もある。
- 日本の食材は新鮮でおいしい。おまけに値段も安い。
- 今日は朝から雨が降っている。おまけに風が強くて寒い。
例文のように、『それに加えて』『さらに』というニュアンスで使うのが一般的です。
併せて
『併せて』は、二つ以上の物事を同時に行うことを指します。『平行して』『同時に』という意味です。
- 次回の会議では、価格についても併せて説明させていただきます。
- プロジェクトの進捗について報告いたします。添付した資料も併せてご確認願います。
- ご依頼いただきました資料ですが、類似品の資料についても併せて送付させていただきました。
『併せて』はビジネスメールで使いやすい表現なので、覚えておくと役立つでしょう。
「序」を用いたその他の言葉を紹介
『序』は他の漢字と組み合わせて用いられるほか、一文字のみでも使えます。どのような言葉があるのか、意味や使い方と併せて紹介します。
「序に代えて」
『序に代えて』は、『物語・論文などに使われる序文の代わり』という意味です。書物の趣旨・執筆の意図などを記した文章のことです。
日常生活でよく使われる言葉ではないため、読み方が分からない人も少なくないでしょう。『ついでにかえて』と読み間違いしやすいですが、正しくは『じょにかえて』です。
また、近い意味合いで使われる言葉として『序歌(じょか)』が挙げられます。『序文の代わりの歌』という意味なので、併せて覚えておくとよいでしょう。
「序」の意味・使い方も確認
さまざまな言葉に使われる『序』には、複数の意味があります。まずは、短めの文章でつづられる『前書き』という意味です。この意味で使われる言葉の代表例として『序文』という言葉が挙げられます。
また、『序幕』『序曲』『序盤』のように、『物事の始まり』という意味もあります。『並び方』『順番』という意味も持ち、『序列』『順序』などの言葉は日常生活でもよく使うでしょう。
他の漢字と合わせて意味を成すだけでなく、『長幼の序(ちょうようのじょ)』のように、一文字で使われることもあります。なお、長幼の序は『年長者と年少者間にある、守るべき秩序』という意味です。
構成/編集部