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よく使っているはずなのに実は知らない「序に」の読み方

2024.06.15

『序に』は、日常生活で使われる身近な言葉ですが、漢字にすると正しく読むのが難しいかもしれません。読み方から使い方・類語、そして『序に』を用いた言葉まで幅広く紹介します。敬語表現として使えるのかについても確認し、知識を深めましょう。

「序に」の読み方・使い方とは

まずは『序に』の読み方と使い方を、分かりやすい例文とともに紹介します。英語表現や、敬語表現として使えるのかについても見ていきましょう。

読み方は「ついでに」

『じょに』と読み間違いしやすい『序に』は、『ついでに』と読みます。日常生活でよく耳にしたり、口にしたりする言葉なので、知っている人が大半でしょう。

しかしこの『序に』を、単に『一緒にまとめて何かをする』という意味で使っている人もいるかもしれませんが、実際には少しニュアンスが異なります。

『序に』は『メインとなる何かをするときに、その一連の流れの中で他のことも行う』というのが正しいニュアンスです。

使い方を例文で紹介

『序に』の使い方を、例文で確認しましょう。

  • 人事部に書類を届ける序に、コピー用紙をもらってきてほしい。
  • 先方に納期の確認をする序に、近いうちにミーティングできるか聞いておきます。
  • スーパーに買い出しに行く序に、銀行で振り込みの手続きを済ませた。

例文の通り、何かをする機会を利用して、別のことを加えてするというときに使いましょう。

英語では、『While I’m at it/While you’re at it』や『〜and〜』『on the way』と表現します。

  • Could you please bring my coffee while you’re at it?(序にコーヒーを持ってきてくれますか?)
  • I went to the supermarket and the post office.(スーパーに行った序に、郵便局に行った。)
  • I will stop by your house on my way home.(家に帰る序に、あなたの家に寄ります。)

状況に合わせて、単語を入れ替えて使ってみましょう。

「序に」は敬語表現として使える?

敬語表現として『序に』を使うときは、尊敬語か丁寧語で表現するのが適しています。

  • 先日、御社の社長が弊社を訪問されました。序に工場見学もなさいました。

ビジネスシーンで敬語表現として使いたい場合は、別の表現を使った方がより適しているケースもあります。例えば、『序ながら』『ちなみに』『付け加えますと』などに言い換えられます。

  • 序ながらで恐縮ですが、今、◯◯部長とお話しすることは可能でしょうか?

「序に」を別の表現に言い換えると?

指を立てて提案する

(出典) pixta.jp

似た意味の言葉を複数知っていると表現の幅が広がるので、『序に』の代わりに使える表現をいくつか紹介します。それぞれの意味や使い方を、アレンジして使いやすい例文とともに見ていきましょう。

代替え表現ができる3つのことば

ちなみに

『ちなみに』は、漢字で『因みに』と書きます。関連があるという意味の『因む』から派生したと考えられています。メインで述べた物事に加えて、伝えておいた方がよいであろうことを補足して、一緒に伝える際に使う言葉です。

  • 今日の会議は延期になりました。ちなみに関係者には連絡済みです。
  • 明日は休む予定です。ちなみに緊急の場合の連絡は可能です。
  • 来週からセールを開始します。ちなみに全品50%オフです。

『なくてもよいけれど、伝えておいた方がよさそう』といったように、あくまでも参考程度というニュアンスがあるのがポイントです。

おまけに

平仮名で『おまけに』と書かれることが多い言葉ですが、漢字では『御負けに』と書きます。先に言った事柄に対して、何かを付け加えるときに使います。

  • 今週は終わらせなければならない仕事が山積みだ。おまけに出張もある。
  • 日本の食材は新鮮でおいしい。おまけに値段も安い。
  • 今日は朝から雨が降っている。おまけに風が強くて寒い。

例文のように、『それに加えて』『さらに』というニュアンスで使うのが一般的です。

併せて

『併せて』は、二つ以上の物事を同時に行うことを指します。『平行して』『同時に』という意味です。

  • 次回の会議では、価格についても併せて説明させていただきます。
  • プロジェクトの進捗について報告いたします。添付した資料も併せてご確認願います。
  • ご依頼いただきました資料ですが、類似品の資料についても併せて送付させていただきました。

『併せて』はビジネスメールで使いやすい表現なので、覚えておくと役立つでしょう。

「序」を用いたその他の言葉を紹介

作文

(出典) photo-ac.com

『序』は他の漢字と組み合わせて用いられるほか、一文字のみでも使えます。どのような言葉があるのか、意味や使い方と併せて紹介します。

「序に代えて」

『序に代えて』は、『物語・論文などに使われる序文の代わり』という意味です。書物の趣旨・執筆の意図などを記した文章のことです。

日常生活でよく使われる言葉ではないため、読み方が分からない人も少なくないでしょう。『ついでにかえて』と読み間違いしやすいですが、正しくは『じょにかえて』です。

また、近い意味合いで使われる言葉として『序歌(じょか)』が挙げられます。『序文の代わりの歌』という意味なので、併せて覚えておくとよいでしょう。

「序」の意味・使い方も確認

さまざまな言葉に使われる『序』には、複数の意味があります。まずは、短めの文章でつづられる『前書き』という意味です。この意味で使われる言葉の代表例として『序文』という言葉が挙げられます。

また、『序幕』『序曲』『序盤』のように、『物事の始まり』という意味もあります。『並び方』『順番』という意味も持ち、『序列』『順序』などの言葉は日常生活でもよく使うでしょう。

他の漢字と合わせて意味を成すだけでなく、『長幼の序(ちょうようのじょ)』のように、一文字で使われることもあります。なお、長幼の序は『年長者と年少者間にある、守るべき秩序』という意味です。

構成/編集部

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