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チームのメンバー全員が幸せになる「3つの心がけ」

2023.06.30

ハーバードの研究員たちは、困難なミッションを達成するため、まだ、発見されていない「価値」に到達するために日々、研究を続けています。そこで働く研究員たちが重要視しているある習慣。それは、「1日5分好奇心を刺激し、思考の固定化を避ける」「どんな時でも、新たな発見を求める」「チームや同僚の助けを得て、日々前進しようとする」といったことです。

ハーバードでは、これらの習慣を、「なんとなく」重要視しているのをではありません。一言でいうなら、「脳が冴えた状態をキープする」ための習慣として大切にしているのです。脳が冴えた状態をキープできるとどんな時でも思考が止まらなくなります。ビジネスから日常のモヤモヤまであらゆることがスムーズに運ぶようになるのです。

本記事ではハーバード大学の医療機関に在籍し、多くのプロジェクトを通じて学んできた脳の使い方を紹介する川﨑康彦氏の著書「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」からビジネスパーソンが仕事に使える「脳が冴える33の習慣」を抜粋、再構成してお届けします!

あなたの力が必要だと伝える

チームの発展を望み、成功のために力を合わせるとはいえ、人は自分にとってメリットがなければ動いてくれないのもまた事実です。複数人がコラボレーションをしてプロジェクトを進める際、自分1人がメリットを享受しようとしても、誰も協力してはくれません。チームで動くことを決めたら、参加者全員がメリットを見出せるようにするのも重要です。「win−win」の関係性こそ、コラボレーションだからです。

当時、私はプロジェクトのメンバーと接するときには、次の3つのことを心がけていました。

[1]常日頃から自分の能力をプレゼンし、他人の能力を知るためにアンテナを張る

相手が多忙であればあるほど、より効率的に自分にとって必要な人間、つまりプロジェクトのメンバー候補にアプローチしたくなるものです。

そこで、自分には何ができるかを発信しておくことが重要になります。私たち研究者の場合は論文の記名があるため、自分にどのような能力があり、何に貢献できるかをコンスタントに発信する場があります。特にインターナショナルな学会は世界中の研究者が一堂に会するので、積極的に研究内容を発表できるように計画を立てます。

私の分野では、ニューロサイエンス学会というのがメジャーな学会でした。大学院生の頃は学会発表なんか夢の夢だと思っていましたが、ステップを少しずつ踏んでいき、国際学会での発表にたどり着けるようになりました。

学会で発表しているときは、ワクワクが最高潮に達します。いろいろな国からの研究者からの質問を受け、自分の周りが人で埋め尽くされることもあり、舞台に立った気分です。

職種によってはこうした場がないかもしれません。その場合には、相手の負担にならない範囲で、日頃から自分の能力をアピールしておきましょう。会社とは別に個人の名刺を作ってそこに自分の能力、資格をアピール材料として記載しておくというのも1つの手段として有効です。

同時に、他の人の能力にもアンテナを張っておくことが求められます。日常の会話などの中から、相手の能力を探っておきましょう。

ハーバードの研究員は、他の研究員と会えば、口グセのように「私があなたのためにできるサポートは何ですか?」という言葉をかけ合っていました。そうした会話がきっかけになって、新たなプロジェクトが始動することが多々あったからです。

[2]相手がワクワクするストーリーを語り、プロジェクトメンバーを募る

プロジェクトには、自分が主体になって人を集める場合と、他の人が主体のチームに参加する場合があります。特に自分が人に協力を仰ぎたい際には、相手のワクワクを引き出して参加の了承を取りつけることが、プロジェクト成功の鍵を握る重要な過程になります。

そこで私がしていたのは、研究についての説明はもちろんですが、相手のサポートが加わればさらなるワクワクが生まれると熱意を持って伝えること。すると、互いにワクワクを得るために「ぜひあなたの力が欲しい」という気持ちが伝わり、自分のワクワクが相手の脳にも伝播 するのです。

また、相手が主体のプロジェクトの場合も、相手がワクワクするストーリーを語り、その中で自分なら何がしてあげられるかを具体的に明示します。

さらに私は毎年、名刺を変えて自分のアピールポイントや新しい肩書を書くなど、趣向を凝らして配っていました。

[3]プロジェクトを組む相手がワクワクしながら仕事を進められるようにする

プロジェクトを組むメンバーが決まったら、自分1人がメリットを得ようとするのではなく、参加メンバー全員がメリットを得られるように気を配ります。

逆に、自分の要求ばかりを相手に押しつけていては、相手がワクワクを感じながら研究できません。ひいては、プロジェクトの進行が遅れたり、成功が遠のいたりすることへとつながります。

プロジェクトの中心メンバーは、研究成果を上げるために「こういう実験結果が欲しい」と心では思っています。しかし、多くの研究者は分かりきった実験をするのを嫌がりますから、結果だけにフォーカスせず、プロジェクトにおける実験の重要性や、その素晴らしさをシェアする機会を持ち、メンバー全員が感謝しあうように心がけていました。そうすることで、研究者皆がワクワクを持続させながら実験に取り組むことができます。

成功を分かち合えれば次の成功にもつながる

以上から、いかに参加者全員がワクワクを共有できるかが、成否に関わるかということが分かっていただけたかと思います。

実際に社会に出ると、研究職に限らず、1人で取り組む仕事は意外に少ないでしょう。1人で完結する仕事は皆無で、何らかの「お陰様」が合わさり仕事ができています。社内のセクションや、セクションを超えたプロジェクトチームなどで仕事をする機会は多いはず。ですので、メンバー全員に気を配るのは、リーダーシップを取る際とても重要になります。

チーム全体が能力を出し合い、その成功を全員で分かち合えれば、自分にとっても得られるメリットは大きくなります。それだけでなく、ワクワクを共有できたからこそ、熱い絆が結ばれるのです。

私たち研究者にとって、最大の成果といえば、実験による発見や結果が『ネイチャー』や『サイエンス』といった一流の科学誌に掲載されることです。こうした一流の科学誌で認められ、論文の実績を残すことができれば、今後研究費用を集めやすくもなってくるのも見逃せません。

また、実績を上げたプロジェクトチームでご一緒したからということで、同テーマで教科書を作成してほしいというような新たなプロジェクトに結びつくこともありました。高い評価を受けたプロジェクトメンバーが再び結集することもあれば、同テーマから派生しそうな実験結果を求めるべく、そのうちの数人のメンバーに声をかけて新しいプロジェクトを組むこともあります。

このように、チームの関係性が良好であれば、さまざまな方向から連鎖が起こることは珍しくありませんでした。

関わった人すべてが成功を喜び合える環境が、すなわち自分にとっても最もメリットがある環境です。チームを通して得たワクワクの共有や共感、共鳴が本当の成果だと言えると、経験を通して感じました。これは、研究者に限らず、どの業種・職種にも共通して言えることだと思います。

☆ ☆ ☆

いかがでしょうか? ビジネスも自分の成長も、プライベートなこともすべての「源」は脳です。脳の活用の仕方をさらに知りたい方はぜひ、「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」で紹介されている脳が冴える33の習慣を実践して自分らしい人生を発見してみてください。

ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣
著者/川﨑康彦
発行/株式会社アスコム
https://www.ascom-inc.jp/books/detail/978-4-7762-1270-6.html

川﨑康彦
医学博士。脳科学者。元ハーバード大学医学大学院研究員(2003~2008年)。専門は神経生理学。佐賀大学医学部大学院神経生理学博士課程卒業。中国医科大学(旧満州医科大学)医学部卒業。中国では、東洋医学と西洋医学の両方を学ぶ。その後、これまでの研究成果を買われ、ハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院麻酔科の研究員として招かれる。在籍中に、論文がネイチャー関連誌にも掲載される。日本に帰国後は、医学博士、理学療法士、カウンセラーとして運動、睡眠、痛みなどに対し、多方面からの知識でアプローチしている。現在は、チャレンジ、感動、旅を通して「多様な脳の共存、共感、共鳴を通して個々の意識と集合意識の成長」をテーマに研究活動を展開し、それらを通して社会に貢献していくコミュニティIBTA(Impact your Brain and Tuning them All)実現のための活動のほか、脳の研究とハーバードでの経験から得た、固定概念を覆して生き方を変えるためのメソッドをオンラインサロンで伝えている。

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