ハーバードの研究員たちは、困難なミッションを達成するため、まだ、発見されていない「価値」に到達するために日々、研究を続けています。そこで働く研究員たちが重要視しているある習慣。それは、「1日5分好奇心を刺激し、思考の固定化を避ける」「どんな時でも、新たな発見を求める」「チームや同僚の助けを得て、日々前進しようとする」といったことです。
ハーバードでは、これらの習慣を、「なんとなく」重要視しているのをではありません。一言でいうなら、「脳が冴えた状態をキープする」ための習慣として大切にしているのです。脳が冴えた状態をキープできるとどんな時でも思考が止まらなくなります。ビジネスから日常のモヤモヤまであらゆることがスムーズに運ぶようになるのです。
本記事ではハーバード大学の医療機関に在籍し、多くのプロジェクトを通じて学んできた脳の使い方を紹介する川﨑康彦氏の著書「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」からビジネスパーソンが仕事に使える「脳が冴える33の習慣」を抜粋、再構成してお届けします!
サポートで大きな結果を生む
ハーバードでは多くの場合、1つの研究に対してプロジェクトチームを構成して、各自がそれぞれの専門性を活かして実験を行っていました。それは、自分の持っていない能力を補ってもらい、自分もまた他の人が持たない能力でサポートできるからです。このように、お互いの能力を使い合うことで、より大きな結果を生み出せる可能性が広がります。
チームで活動する場合、自分の強みと、その逆に弱みは何か。それを知るのは、とても大事です。自分のことは、分かっているようでいて意外に知らないもの。そこで、強みや弱みを知るために、下の性格診断テストを行ってみましょう。
この診断テストは、古代中国から伝わる陰陽五行をもとに作りました。ここで、陰陽五行について簡単に説明しましょう。陰陽五行とは、紀元前1000年前後に成立した陰陽説と、紀元前400年前後に成立した五行説が結びついたものです。
陰陽説とは、万物(宇宙に存在するすべてのもの)は、陰と陽の2つのエネルギーで構成されているという思想です。また五行説とは、万物は木、火、土、金、水の5つのエネルギーを持っているという思想です。人も5つのエネルギーから成り立っており、そのうちいずれかのエネルギーが強いと考えられます。
つまりこのテストでは、あなたのどのエネルギーが強いかによって、5つのタイプのどれに当てはまるのかを知ることができるのです。
あなたが最高のチームを作りたいと思ったときは、このテストで得た情報を参考に、仲間を集めてみてください。
例えば、自分が木のタイプなら、その他のタイプの仲間を集めれば、強みの異なるメンバーが力を出し合うことができます。そうなれば、きっと今まで以上に大きな成果を生み出せるでしょう。
ですので、自分がどのタイプなのかを明らかにすることが大前提ですが、周りにいる人がどのタイプなのかをこのテストで知ってみるのもおすすめします。
また、相性がよいわけではない人と一緒になってしまった場合でも、自分とタイプが異なることが分かっていれば、争うことも減るでしょう。それどころか、お互いの長所を活用し合うことにもつながります。
人間関係を良好にするのにも、このテストは役立つわけです。
ちなみに相性がよくないのは、火の人の場合は水の人です。これは、水は火を消すという作用があることが関係しています。同じようなことは他の要素でもあり、木の人の場合は金、土は木、金は火、水は土にそれぞれ抑制されます。
性格診断テストの結果
質問事項のNo.1~6を【木】、No.7~12を【火】、No.13~18を【土】、No.19~24を【金】、No.25~30を【水】とし、各々での○の数をカウントしてください。その中で○が最も多いものが、あなたの性格になります。複数において○の数が同数になった場合は、複数の性格を持っていることになります。例えば【木】と【金】が同数の人は【木】と【金】が合わさっています。
[木]
誠実で面倒見のよい人です。情け深い面もあります。自分を客観的に見ることができ、何事にも冷静で判断力に優れています。その反面、損得計算をしがちなところがあり、余計なことをしたがらない傾向があります。大きな失敗が少ない一方、マニュアル的になりがちで独創性に欠ける面も。確実に物事を実行する能力に長けているため、チームの中では段取りなどの仕事に向いています。【水】の人をメンターにすると、成長が早いです。また、【火】の人とタッグを組むと相乗効果が表れます。
[火]
好奇心に溢れ、自由で欲望のままに、直感的に物事を判断して行動します。自分でやりたい、感じたいという欲求が強い人です。子どものように純粋であり、たくましい心も持っています。【木】の人をメンターに選ぶと、さらに調子を上げることができます。また、【土】の人とコラボしたりチームを組むと、相乗効果が出てきます。
[土]
【土】が表すのは情です。ですので、人の気持ちを汲み取って共感し、人を親身に受け入れ、育てることができます。愛情深いのはいいのですが、情に引きずられやすい傾向も。相手の情が円滑に満たされないと自分が食欲に走ってしまうこともありますので、少し注意が必要かもしれません。【火】の人をメンターにすると、あなた自身がさらに開花します。また【金】の人とコラボやチームを組むと、非常に活気が出てきます。
[金]
社交性に長けています。対外的に自分がどうあるべきかというのが気になるようです。自分を厳しく律し、統制する気質もあり、頑固な一面もあるため、父親のような存在でもあります。また、勝ち負けにもこだわるほうで、自分の意見がある場面では、容易に人に譲りません。【土】の気質の人をメンターに持つと、いざという時の判断が的確になってきます。一方で、【土】の人は【金】の人を重宝してくれます。
[水]
【水】の人は、周囲に同調する気質の持ち主です。人の顔色を窺いがちで、追従的な傾向があります。水が不定型でどのような形の器にも収まることから、世渡り上手な側面があり、相手の顔色を読み取る能力に優れているので、非常に気が利きます。争いごとにはあまり関わらないというのが、もう1つの特徴でもあります。【金】の人をメンターに持つと、劇的な変化を生み出します。また【木】の人との相性は高いです。
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いかがでしょうか? ビジネスも自分の成長も、プライベートなこともすべての「源」は脳です。脳の活用の仕方をさらに知りたい方はぜひ、「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」で紹介されている脳が冴える33の習慣を実践して自分らしい人生を発見してみてください。
「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」
著者/川﨑康彦
発行/株式会社アスコム
https://www.ascom-inc.jp/books/detail/978-4-7762-1270-6.html
川﨑康彦
医学博士。脳科学者。元ハーバード大学医学大学院研究員(2003~2008年)。専門は神経生理学。佐賀大学医学部大学院神経生理学博士課程卒業。中国医科大学(旧満州医科大学)医学部卒業。中国では、東洋医学と西洋医学の両方を学ぶ。その後、これまでの研究成果を買われ、ハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院麻酔科の研究員として招かれる。在籍中に、論文がネイチャー関連誌にも掲載される。日本に帰国後は、医学博士、理学療法士、カウンセラーとして運動、睡眠、痛みなどに対し、多方面からの知識でアプローチしている。現在は、チャレンジ、感動、旅を通して「多様な脳の共存、共感、共鳴を通して個々の意識と集合意識の成長」をテーマに研究活動を展開し、それらを通して社会に貢献していくコミュニティIBTA(Impact your Brain and Tuning them All)実現のための活動のほか、脳の研究とハーバードでの経験から得た、固定概念を覆して生き方を変えるためのメソッドをオンラインサロンで伝えている。