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説明できる?「グリーン電力」の特徴と導入メリット

2023.04.03

「グリーン電力」と聞いて、具体的にどのような電力のことか説明できるだろうか。なんとなく「環境に優しそうな電力」というイメージを思い浮かべることができても、詳しい内容まではわからないという方も少なくないはず。

そこで本記事では、グリーン電力の特徴や、購入企業にとってのメリット・デメリットを解説する。

グリーン電力とは

まずは、グリーン電力とは何かについて理解を深めていこう。併せて紹介するグリーン電力の導入方法もぜひチェックしておきたい。

再生可能エネルギーで発電された電力のこと

グリーン電力とは、一度利用しても再生が可能で枯渇しないエネルギー源である「再生可能エネルギー」によって発電された電力のことだ。代表的なエネルギー源としては、バイオマス、太陽光、太陽熱、水力、風力、地熱、波力が挙げられる。

グリーン電力には、石油・石炭などの化石燃料とは異なり、地球温暖化の原因の一つとされている二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを発生させないという特長がある。このことから、海外ではグリーン電力の活用が積極的に行われている状況だ。例えば、“環境先進国”とも言われるドイツでは、再生可能エネルギーによって発電された電力を固定価格で買い取ることが法律で定められている。

グリーン電力を使うには

環境に優しいグリーン電力を使用するには、以下の3つの方法がある。

まず、グリーン電力証書を購入する方法。法人・個人の違いや組織の規模を問わず購入・利用が可能だ。2つ目は電力会社を比較・検討し、再生可能エネルギーを使用している電力プランを選択する方法。3つ目は、再生可能エネルギーの発電設備を自分たちで持つ方法だ。しかし、発電設備の設置には費用や時間がかかるため、中小企業や個人の導入ハードルは高いと言える。

グリーン電力の種類

次に、環境への負荷が少ないグリーン電力の具体的な発電方法を見ていこう。代表的な発電方式には以下の5種類が存在する。

バイオマス発電

動物や植物などから生まれた生物資源であるバイオマスを燃焼、またはガス化させることで電気を作り出す方法。代表的な生物資源としては、間伐材や建築廃材、牧場の家畜の排泄物、飲食店の食べ残しや消費期限切れの食品などが挙げられる。

太陽光発電

屋外に設置した専用パネルを利用し、太陽光からエネルギーを作る発電方法。住宅用パネルだけでなく、広い農地に設置して発電する、大規模なメガソーラーの取り組みも行われている。

水力発電

水が流れる力を利用して電力を作る方法。ダムや河川など大規模なものから、農業用水を活用する中小規模のものまで開発が進んでいる。

風力発電

風の力で風車を回して発電する方法。大型の風力発電設備を複数配置した発電施設のウィンドファームや、海上に設備を設置する洋上風力発電が全国に広がっている。

地熱発電

火山活動などで地中深くに溜まった蒸気を取り出し、その蒸気で直接タービンを回し発電する方法。

ちなみに、火力発電でも石炭や石油などの化石燃料を燃やすことによって生じる熱を利用し、蒸気を発生させているため原理は似ている。しかし、火力発電の場合は同時に多くの二酸化炭素(CO2)を排出するため、地熱発電の方が地球環境に考慮した発電方法と言える。

グリーン電力証書とは

最後に、エコなエネルギー源で発電するグリーン電力の証書の仕組みと電力を購入した企業のメリット・デメリットを解説する。グリーン電力証書と似ている非化石証書についてもこの機会にチェックしておこう。

電力の環境付加価値を取引可能なものにする証書

グリーン電力証書とは、再生可能エネルギーによって生じた電力が持つ、省エネルギーや二酸化炭素排出抑制などの環境付加価値を、企業や個人が取引可能なものにする証書のことだ。

証書の発行やグリーン電力の要件を満たす発電設備の認定は、第三者機関によって行われており、公平性・信頼性がある審査が実施されている。また、証書購入に支払われた費用は、グリーン電力発電事業者に提供され、再生可能エネルギー発電設備の拡大や維持に活用される仕組み。

購入メリット

グリーン電力の証書を購入した企業側には、2つのメリットがある。

1.環境保全に貢献できる

証書に記載されている電力量分、自然エネルギー由来の電力を使用しているとみなされ、再生可能エネルギーの利用・普及、そして二酸化炭素削減に貢献ができる。

2.環境貢献を外部にPRできる

グリーン電力証書の購入に伴い、グリーン電力の利用を示すマークが購入企業に提供される。このマークを自社広告や製品・サービスで利用することで、環境に貢献していることのアピールが可能だ。

購入のデメリット

グリーン電力の証書を購入した企業側には、メリットもあるがデメリットも存在する。代表的なものは以下の2つだ。

1.損益が生じる可能性がある

グリーン電力証書の取引価格は発行事業者によって異なり、価格の変動もあるため、売買金額によっては損をする可能性がある。グリーン電力証書を事業者に購入・売却する際には、十分に見定めて判断しよう。

2.法的な効力はない

電力は国民の生活に密接に関わるライフラインだが、グリーン電力証書の取引は、国が直接行う取引ではない。国が承認をしたり、許可を出したりするわけではないため、法律的な効力はないことを認識しておこう。

非化石証書との違い

非化石証書とは、化石燃料ではなく、非化石燃料の電源や電力を使うことで、温室効果ガス削減への貢献を証明する証書のこと。非化石燃料には、再生可能エネルギーが含まれるが、そうでない原子力も含まれるため、再生可能エネルギーのみを使用するグリーン電力とは異なる。

また、非化石証書は非化石取引市場で入札し購入するが、グリーン電力証書は発行事業者から直接購入するため、グリーン電力証書と非化石証書では、証書の購入先が異なる。

※データは2023年3月上旬時点のもの。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

※製品およびサービスのご利用はあくまで自己責任にてお願いします。

文/編集部

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