ハーバードの研究員たちは、困難なミッションを達成するため、まだ、発見されていない「価値」に到達するために日々、研究を続けています。そこで働く研究員たちが重要視しているある習慣。それは、「1日5分好奇心を刺激し、思考の固定化を避ける」「どんな時でも、新たな発見を求める」「チームや同僚の助けを得て、日々前進しようとする」といったことです。
ハーバードでは、これらの習慣を、「なんとなく」重要視しているのをではありません。一言でいうなら、「脳が冴えた状態をキープする」ための習慣として大切にしているのです。脳が冴えた状態をキープできるとどんな時でも思考が止まらなくなります。ビジネスから日常のモヤモヤまであらゆることがスムーズに運ぶようになるのです。
本記事ではハーバード大学の医療機関に在籍し、多くのプロジェクトを通じて学んできた脳の使い方を紹介する川﨑康彦氏の著書「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」からビジネスパーソンが仕事に使える「脳が冴える33の習慣」を抜粋、再構成してお届けします!
机を「L字型」か「U字型」にする
自由な発想でアウトプットをするためには、空間的な環境も大切な要素です。
私は、研究室やオフィスなどにデスクを持つときには、U字型かL字型の机の配置を意識しています。その理由は、体の向きを変えるだけでがらっと風景が変わり、異空間に身を置いているような感覚が味わえるからです。その結果、脳はワンパターンな視覚活動を行うよりも、はるかに活性化します。
私は今、L字型の配置のデスクを使っていますが、一辺は主にパソコンに向かいながら思考する空間、もう一辺は書き物をしながら思考する空間に当てています。特に書き物をするスペースには、文房具好きの私のコレクションでもあるペンが束で置いてあり、ふと疲れたときに視線を変えれば、ワクワクとした感情も芽生えます。向きを変えるだけで気分を変えることができ、脳にも刺激を与えられるようになると考えています。
オフィスや住宅の事情が許せば、U字型にするのもおすすめです。なぜなら、左右と前方の壁の雰囲気が変わるからです。目線を変えるたびに3つ(斜め方向も加えた場合は、3つ以上)の変化のある景色が目に入れば、それだけ脳は刺激を受けます。
物を定位置に整えると集中力が高まる
加えてもう1点、机の上のレイアウトを整え、決まった位置に物を配置する行動は、集中力を上げる効果があります。これは、仕事や勉強に臨む前に物の配置を整える儀式を行うことで、脳から「集中するように!」という指令が働くからです。この儀式は、京都大学出身の芸人、宇治 原史規氏も取り入れていると聞いたことがあります。
ハーバードの研究所では、デスクに家族の写真をずらりと置いている人がたくさんいました。当時、日本人の私からしてみれば、職場に自分の家族の写真を飾り立てるのは不思議な光景に映っていました。
しかし今から考えれば、彼らにとっては、実験に集中する前に家族の写真を見るのは、心を和ませるのに加えて、脳を刺激したり、集中したりするための儀式の1つだったのかもしれません。
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いかがでしょうか? ビジネスも自分の成長も、プライベートなこともすべての「源」は脳です。脳の活用の仕方をさらに知りたい方はぜひ、「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」で紹介されている脳が冴える33の習慣を実践して自分らしい人生を発見してみてください。
「ハーバードの研究員が教える脳が冴える33の習慣」
著者/川﨑康彦
発行/株式会社アスコム
https://www.ascom-inc.jp/books/detail/978-4-7762-1270-6.html
川﨑康彦
医学博士。脳科学者。元ハーバード大学医学大学院研究員(2003~2008年)。専門は神経生理学。佐賀大学医学部大学院神経生理学博士課程卒業。中国医科大学(旧満州医科大学)医学部卒業。中国では、東洋医学と西洋医学の両方を学ぶ。その後、これまでの研究成果を買われ、ハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院麻酔科の研究員として招かれる。在籍中に、論文がネイチャー関連誌にも掲載される。日本に帰国後は、医学博士、理学療法士、カウンセラーとして運動、睡眠、痛みなどに対し、多方面からの知識でアプローチしている。現在は、チャレンジ、感動、旅を通して「多様な脳の共存、共感、共鳴を通して個々の意識と集合意識の成長」をテーマに研究活動を展開し、それらを通して社会に貢献していくコミュニティIBTA(Impact your Brain and Tuning them All)実現のための活動のほか、脳の研究とハーバードでの経験から得た、固定概念を覆して生き方を変えるためのメソッドをオンラインサロンで伝えている。