液冷ゲーミングスマホも!
そして空冷があるということは、もちろん液冷もある。
液冷ゲーミングスマホの代表格といえば『Black Shark』シリーズである。これは一言で言えば、毛細血管のように筐体内部を巡る管に冷却液を行き渡らせて本体を冷やすという製品だ。このあたり、自動車のエンジンの冷却機構と方向性に大差はない。
ゲーミング用途を考慮されていない「普通のスマホ」には、もちろんこのような冷却機構はない。日常用途ではプロセッサーが熱暴走を起こすほどにはならず、冷却ファンも冷却液も必要ない。
故に、全くゲームをやらない人から見ればゲーミングスマホは「やり過ぎ」なのだが、逆に本気度の高いゲーマーから見れば「それでも足りない」ほど。
内蔵ファンや冷却液だけではまだ温度を抑え切れないということで、何と、外付けのファンも用意されている。
オンラインゲームを極めようと思うなら、このくらいの装備はなくてはならないということだ。
最新プロセッサーは発熱問題を改善
さて、冒頭に書いた『REDMAGIC 8 Pro』であるが、これはプロセッサーにSnapdragon 8 Gen 2を採用している。
Gen 2はGen 1で問題視されていた発熱問題を大幅に改善した製品である。「じゃじゃ馬」の気性が穏やかになった、と表現すれば正解か。もちろん、熱暴走の可能性も格段に低くなる。
そしてREDMAGICシリーズ伝統の冷却ファンも健在だ。こうした構造のスマホは、実はゲームだけでなく長時間のオンライン通話にも最適。Zoomを使った会議やTwitterのスペースの最中にスマホが信じられないほど熱くなった、という経験を持つ人は少なくないだろう。そのような時にスマホ自体に冷却機構があれば、突然のスペックダウンも回避できるというわけだ。
が、ここで注意点。REDMAGICシリーズは筐体そのものの風通しを良くしている設計のため、防水機能は一切与えられていない。間違ってもシャワーを浴びながら使用してはいけない。
しかし、そのあたりも「割り切り」で対処できるだろう。ディスクに備え付けの「通信機器」というような感覚で利用すれば、防水機能の有無など問題にはならない。このように、「普通の使い方」から数歩飛び出した様々な用途を見出だせるのもゲーミングスマホの魅力である。
【参考】
REDMAGIC公式サイト
Black Shark-Glimpse
モバイルゲーム市場は2027年までCAGR14%で大きな成長が見込まれる-PR TIMES
取材・文/澤田真一