空冷式ゲーミングスマホ『REDMAGIC 8 Pro』日本国内版が2月22日に発売された。
ゲーミングスマホそのものを知らない人から見れば、「空冷式ってどういう意味だ?」という疑問が出てくるだろう。
ここで言うゲーミングとは『荒野行動』や『PUBG Mobile』のような多人数同時参加型ゲーム、または『原神』のようなオープンワールドRPGを主に指す。
立体的なグラフィックを絶え間なく動的に描写するゲームは、プロセッサーに大きな負荷をかける。すると、プロセッサーはひとりでにスペックを落としてしまう。それを防ぐためには、何かしらの手段でプロセッサーを冷やしてやらないといけない。
数年前まではガジェットマニアかゲーマーしか持っていなかったゲーミングスマホ。それが一般ユーザーにも注目されるようになったきっかけは、やはりパンデミックだろう。
ゲームと「巣ごもり」
パンデミックはゲーム市場を拡大した。
Report OceanがPR TIMESで2021年8月25日に配信したプレスリリースによると、
「COVID-19の発生により、世界中でロックダウン規制や在宅勤務制度が実施されたことで、モバイルゲームの需要が10倍に急増しました。また、COVID-19の普及により、オンラインゲームが増加し、回答者はインターネット上で他の人間とゲームをする時間が増えました。Hollywood Reporter誌が掲載した記事によると、COVID-19のパンデミックが発表されて以来、米国のゲーマーの約29%がオンラインで友人と遊ぶ機会が増えたと推定されています」
とのこと。筆者自身、2020年から2年ほどは住まいである静岡市から殆ど動くことができなかった。いや、外へ出ること自体が憚られることだった。
そのような状況では、自宅でゲームくらいしかすることがなくなってしまう。が、同時にこれは特定の市場に対してハンマーの一撃を与える出来事だった。
スマホやワイヤレスイヤホン・ヘッドホンが「ゲーミング性能」に舵を切り始め、結果として「リフレッシュレートの高いスマホ」や「低遅延のワイヤレスイヤホン」が登場した。
冷却ファンを搭載したスマホ
REDMAGICシリーズの場合は、やや問題のあるプロセッサーでも空冷ファンで強制的に冷却してしまうという機構で知名度を上げた製品だ。
「やや問題のあるプロセッサー」とは、発熱しやすいプロセッサーを指す。
去年発売の『REDMAGIC 7』は、Snapdragon 8 Gen 1というプロセッサーを採用している。これは高スペックかつ気難しいじゃじゃ馬として知られた製品で、長時間のプレイでは容赦なく発熱してしまう。
するとプロセッサー自体が自動的にスペックを落としてしまうため、その後の快適なプレイが難しくなるのだ。
それを改善するのが冷却機構で、REDMAGICシリーズの場合は見た目にも大胆な空冷機構を採用している……ということだ。