Metaは、「Instagram」において、セルフィー動画による年齢認証テストを日本でも開始すると発表した。これにより、利用者がInstagramに登録した生年月日を、18歳未満から18歳以上になるように変更しようとすると、「本人確認書類のアップロード」または「セルフィー動画の録画」いずれかの方法による年齢認証を求められるようになる。
これは10代の利用者と成人の利用者がそれぞれの年齢グループに適した体験をできるようにすることが目的で、米国で2022年6月に導入して以来、対象となる国を増やしてきた。今回の拡大でEUの一部の国々、メキシコ、カナダ、韓国、オーストラリアと日本も対象となる。
また、プライバシー保護のために、オンラインでの年齢認証に特化した企業であるYotiと提携。Yotiのテクノロジーにより顔の特徴に基づいて利用者の年齢を推定されるという仕組みだが、Yotiのテクノロジーで認識できるのは年齢のみとなり、利用者個人を認識することはできないという。
2019年より、Instagramではアカウントを作成する時に年齢が分かるよう誕生日を入力してもらうようにしており、それ以来、必須となっている。利用者の年齢が分かれば、それぞれの年齢グループにふさわしい体験を提供することが可能になり、これは特に10代の利用者にとって重要なことだと考えているからだ。
日本ではInstagramに登録するには13歳以上である必要があり、一部の国では、この年齢はさらに高く設定されている。利用者の年齢が13~17歳であることが分かっている場合、Instagramではそれらの利用者に年齢にふさわしい体験を提供するため、「デフォルトで非公開アカウントを設定する」、「知らない成人からの望まない連絡をブロックする」、「広告主が広告を配信する際のオプションを制限する」などの措置を取っている。
Instagramでは、年齢認証を行なうために、本人確認書類のアップロードを求めてきたが、新たにセルフィー動画の録画のテストを開始している。今回、新たな年齢認証方法のテストが日本でも導入された。
利用者がアプリの指示に従いセルフィー動画を撮影すると、画像がYotiと共有され、Yotiのテクノロジーにより、顔の特徴に基づいて利用者の年齢を推定され、それがInstagramにシェアされるという仕組みで、MetaとYotiでは年齢確認が完了次第、そのセルフィー動画を削除。動画が年齢認証以外の目的で利用されることは、一切ないという。
また、これまでと同様、運転免許証やIDカードなどの身分証明書を本人確認書類としてアップロードして年齢認証を行なうこともできる。本人確認書類は、Metaのサーバー上で安全に保存され、30日後に削除される。
オンラインでの年齢確認は複雑であり、業界全体にとっての課題だ。Metaは、オンラインでの効果的な年齢認証方法について業界の基準や規制がないなか、利用者のプライバシーを保護しながら年齢認証を行うための方法について、より公平かつ豊富なオプションを提供すべく、様々なテクノロジーに投資していくとしている。
関連情報
https://about.meta.com/ja/
構成/立原尚子