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パスタ、蕎麦、野菜炒め…ラーメンじゃない「二郎系メニュー」が進化していた!

2023.03.09

たっぷりの麺の上に、高く盛られたもやしとキャベツ、大ぶりのチャーシューが並ぶ。トッピングの背脂やカラミ、ニンニクの匂いが嗅覚を刺激し、ボリュームがあるのに箸が止まらないーー。ラーメン通の間で不動の人気を誇る「ラーメン二郎」は半世紀前に登場以来、熱狂的なファン(通称・ジロリアン)を増やし続け、分店や本家に影響を受けてアレンジされた”インスパイア系”の店舗までもがアツい市場となっている。

そしていま、もはやラーメン以外でも、ガツンとくる食べごたえの“二郎系メニュー”が続々と登場している。今回は3店舗のメニューを実食してみた。(清談社=田中慧)

パスタ×二郎の新ジャンルを展開する「麺や 鳥我」

東京・錦糸町に店舗を構える「麺や 鳥我」。元イタリアンシェフの店長・江原良明さんが独立してオープンしたパスタ屋だが、じつは不動のNo1メニューは「パスタ×二郎」という斬新なものだという。

「長らく本格イタリアンで修行をしていましたが、5年前に独立して自分の店を持ちたいと思い、ずっと腕を磨いてきたパスタ屋を立ち上げました。ただ、じつは僕が週1でラーメン二郎に通うほどのジロリアンでして……。なんとかパスタであの味を再現できないかと、試行錯誤の結果生まれたのが『スープパスタジロー肉まし(にんにくあり)』です」

「スープパスタジロー肉まし(にんにくあり)」の醤油味(税込900円)。+300円で「肉増し」をした。食べるときは箸かフォークか、お好みのスタイルで食べてOK。

『スープパスタジロー肉まし(にんにくあり)』の味は、醤油、トマト、クリーム、トマトクリームの4種。今回はよりラーメン二郎に近い味付けだという醤油味をチョイスした。

200gのパスタのうえには、ゆでたもやしとキャベツ、低温調理でぷるぷるに仕上げられた豚肉と鶏肉のチャーシューがたっぷりと載せられている。そこに甘じょっぱく漬けられた味玉子と、刻みにんにくがふんだんに添えられていて、見た目の満足感も非常に高い。

食べる前には、にんにくや背脂入りのスープにパスタが本当に合うのか……という疑問もあったものの、実際に食べると、パスタとスープの味はまったく乖離しておらず、ツルッとしているのに味は”二郎”というやみつきになる味わいだった。

「パスタと二郎を自然な組み合わせとして受け入れてもらうために、ベストな背脂の量を追求したりと、かなり試行錯誤を重ねました。ほかのトマト、クリーム、トマトクリームの味もファンが根強く、タバスコなどの調味料で刺激を加えて食べるのもオススメです」

「麺や鳥我」の外観。

店内は7つのカウンター席で、昼のピーク時には満席状態が続くという。夜はお酒やアラカルトも注文可能で、ウーバーイーツなどテイクアウトの売上げも好調なのだとか。

「お客さんの8割は錦糸町のサラリーマンの男性で、生粋のジロリアンらしき人も来てくださりますね。ボリュームが大きいので残してしまう人も珍しくないですが、味にハマって通われる人も多いので嬉しいです」

同店は、数々の二郎系の店舗をめぐり歩くYouTuber「アカボシマシマシTV」に取り上げらたこともあるほど、知る人ぞ知る名店。さらに毎週土曜には子ども食堂を開催するなど、地元に根ざした取り組みも行っており、着実にファンを増やし続けているようだ。

・店舗情報
麺や 鳥我
東京都墨田区江東橋4丁目21−6 錦糸町ハイタウン
https://twitter.com/menyatoriga

から揚げ専門店「から好し」に、にんにくマシマシのつけ蕎麦が登場

人気ファミレスチェーン店でも、”二郎”の影響を感じさせるメニューが登場している。すかいらーくホールディングスでは、従来より「夢庵」にて、豚骨と魚介のWスープに麺は大盛、そこにもやしやキャベツなど野菜300gをのっけた「夢郎うどん」を発売しており、ファン多数の人気商品だったという。その成功譚を同グループでの「から好し」でも応用し、今年1月には「好し郎」と銘打った期間限定メニュー「野菜増し盛りつけ汁そば(から揚げ・味玉付き)」の展開をスタートしたという。

「好し郎 野菜増し盛りつけ汁そば(から揚げ・味玉付き)」(税込1000円)。蕎麦のうえには野菜がてんこ盛りで、から揚げ2つと味玉子もついてきて、ボリューム感も申し分ない。

「から好しで昨年7月から販売をはじめた”蕎麦”が好評だったこともあり、蕎麦を活かしつつ、から好しのメインターゲットであるから揚げ好きな30~50代男性に刺さるような、ワイルド感あふれる商品を作りたいという狙いがありました。麺の量はプラス100円で2倍に変更可能で、にんにくや胡椒をあしらいつつも、つけ汁のコクを重要視し、味が濃いめのジャンクな味に仕上げました」(すかいらーくホールディングスマーケティング本部担当者)

実際に店舗でメニューを目の当たりにすると、麺の上にはキャベツやもやしが10センチほど山盛りにされてあり、振りかけられた黒胡椒やにんにくフレークの匂いからも食欲が刺激された。サイドには、から好しの代名詞であるジューシーでパリッと触感のから揚げと、中まで味の染みた味玉子が添えられている。

つけ汁にもにんにくフレークが入っているうえ、味変用にラー油もついてきた。食べ進めた後半で、若干つけ汁の味が薄まってきたときにラー油を入れてみると相性はバツグンで、まったく飽きを感じずに完食できるのも強みといえそうだ。

「好し郎 野菜増し盛りつけ汁そば」を展開するから好し。ガストのから好し取扱店では販売していないので注意。

また、二郎というとやはりカロリーが気になるところだが、野菜が”増し”であり、メインが蕎麦だと、ヘルシーで罪悪感なく食べられる印象だった。同社マーケティング本部の担当者はこう話す。

「蕎麦好きなシニア層や女性にも食べやすい仕上がりとなっています。すでに好評をいただいており、当初の予定を延長して5月までの販売継続が決まっているので、ぜひ新ジャンルとして一度試していただけたらと思います」(同社担当者)

・店舗情報
すかいらーくグループ から好し
https://www.skylark.co.jp/karayoshi/

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