今回、@DIME視察団が訪れたのは「三菱電機ホーム機器」の生産工場。三菱電機ホーム機器は、三菱電機ブランドの白物家電メーカーとして、レンジグリル、ジャー炊飯器、食器洗い乾燥機など、さまざまな製品を展開している。
今回フォーカスした製品は、同社が開発に力を入れている「掃除機」。振り返ると、三菱掃除機の歴史は長い。まず、日本が国際連盟を脱退した1933年に「三菱掃除機第一号」が発売。
1959年に発売された「シリンダータイプ(車輪付)TC-201」
そして東京タワーが完成した1958年に「シリンダータイプ(車輪付)TC-201」が発売された。「三菱掃除機の歴史」を見ると、世の中の動きに合わせて進化を続けていることがわかる。
三菱掃除機の歴史年表
三菱電機の掃除機の生産ラインを視察!
それでは三菱掃除機の生産ラインに潜入してみよう。まずは「コード巻き取り機」の生産ラインから。
掃除機のコードを自動で巻き付けができる設備だ。電源コードを内製した部品に接続し、巻き取りを行う。1日の通常生産能力は、約2000台/日。
コードの形状や太さ違い3種類に対し、1台の設備で全てのコードを巻き取れる専用設備(一般に市販されていない設備で自社専用に作った設備)。コードを上下に動かしながら巻き付け、からみ防止やコードが偏って巻かれないようにしている。
写真は生産ラインに対応した掃除機パーツの一覧。
次に「ネジ締め機」を見てみよう。
「ネジ締め機」は、あらかじめネジ締め箇所と本数をプログラムし、ネジはドライバー部分に自動供給され、一定のトルク(強さ)でネジを締める。ネジ欠品やトルク不足(締めが弱く浮きなど)を検知。品質上も安定したネジ締めと欠品対策で有効だ。1日の通常生産能力は、約2000台/日となる。
作業者が電気ドライバーでネジ締めできるが、省人化としてコードリールのラインではネジ締め機を2台設置している。基本的な3軸(縦・横・高さ)ロボットであり平面ネジ締め作業で使用する。
そして最後に「耐圧・性能・外観検査」のライン。
安全性を高める試験で製品組立途中で万が一、発見できなかったことを想定して実施される。利用者が電源を入れ製品本体を触り感電することがないように、法律で決められた検査規格値(高電圧で短時間:1200V/1秒以上)を、ネジなどの金属部に流し検査・確認する。
「性能検査」では個々の機種に決められた性能(掃除機なら吸い込み仕事率やブラシの導通検査)や、消費電力が基準内に入っているか自動検査機で実施している。
「外観検査」は主に製品のキズや汚れや部品間違いがないか確認する最終検査工程だ。この検査後に製品銘板を貼って完成品となる。