高温傾向で平年より早まる予想、全国のつぼみの生長状況は?
関東地方では3月1日に「春一番」が吹き、昨年より4日早く春の便りが届いた。では春の風物詩である桜の生育状況はどうなっているのだろうか。ウェザーニューズは、桜の季節に向けて「第四回桜開花予想」を発表した。
3月18日に東京・福岡から開花スタート!多くの地点で平年より早まる予想
各都市の桜開花予想
名所の桜開花予想
2023年の桜の開花は多くの地点で平年より早まる予想で、昨年と比較すると同程度かやや早く開花するところが多いとみている。昨年開花が早かった九州と北海道では遅くなるところもある見込みだ。
開花トップは3月18日の東京と福岡で、19日に横浜、高知が続く。3月下旬に西日本から東日本の各地で続々と開花し、3月末には北陸西部でも開花を迎える。
4月上旬には長野や新潟、東北南部でも咲き始める。北海道へは4月下旬に桜前線が上陸し、4月23日に函館で開花する予想だ。多くの地点で開花から5日〜10日前後で満開となり、満開も平年より早まる見込みとなっている。
最新の3月の気温傾向が前回予想時よりも高温傾向となったことや、「桜のつぼみ調査」の結果を反映して、西日本と東日本で開花予想日を1〜2日早めたところもある。また、東北南部では「桜のつぼみ調査」の結果から開花予想日を2〜3日早めた。
「桜のつぼみ調査」による桜の生長状況
「桜のつぼみ調査」の結果、全国的に「まだ小さく硬い」状態のつぼみが最も多かったものの、北海道以外では「先が黄色に」変化したつぼみが見られ、開花に向けてつぼみの生長が始まったことがわかった。
昨年と比較すると、同じかやや早いペースで生長が進んでいる傾向がみられる。北海道では全てのつぼみが「まだ小さく硬い」状態であった。過去の調査結果を参考にすると、変化がはっきりと現れ始めるのは、3月下旬となりそうだ。
つぼみの生長ランク
休眠打破の遅れはなく、3月以降の高温傾向でつぼみの生長が早まる
桜の花芽(生長すると花になる芽)は気温の高い夏から秋にかけて作られ、冬になると休眠して一旦生長が止まる。
その後、真冬の厳しい寒さに一定期間さらされると、花芽が休眠から目覚め(休眠打破)、開花に向けて再び生長を始める。桜の開花には、春の暖かさだけでなく、冬の寒さも必要なのだ。
・休眠打破の振り返り(12月から2月前半)
12月から度々寒気が南下して、12月や1月は平年より寒くなる日もあった。しっかりと気温が下がったため、桜の花芽の休眠打破は全国的に十分に行われているとみられる。
・生長期(休眠打破後~開花まで)
2月後半からは寒さが和らいで3月上旬並の気温となる日もあった。つぼみの生長が始まり、変化が現れ始めている。3月以降の気温は全国的に平年より高くなる予想となっており、このため、つぼみの生長が早く進み開花も早まりそうだ。
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構成/Ara