誰でも簡単に乗りこなせる!
車両の説明を受けたら体験スタートです。アクセルをグイッと回した瞬間、リアがズルズルと滑るような感覚がありました。
「ヤバい…走れないかも」
そう思ったのも無理はありません。普通のバイクであればタイヤのスリップは命取りです。
思わずアクセルを握る手を緩めると、ほとんどスピードが出ていなかったこともあってe-SNOW BIKEはすぐに動きを止めました。停車した筆者にインストラクターから声がかかります。
「ちゃんとグリップするので、思いっきりいっちゃっても大丈夫ですよ!」
その声を信じて再びアクセルを回し始めると、ズルズルとした感覚がリアに残りつつも車体が前進していきます。滑っているのに、車体が安定しているのです。
驚いたのは、走破性。ゲレンデには前に滑った人のクローラーの跡が付いているため、未舗装のオフロードコースのような状況です。その上全体的に緩やかな坂道で、場所によっては左右の傾きまでつけてあるのです。
普段からウィンタースポーツをしている人からすると当たり前の光景ですが、バイクの常識からは玄人向けのコース。1周目は楽しむ余裕がなくひたすらにヒヤヒヤしていました。ところが…!
2週目。どうやらe-SNOW BIKEという乗り物は、多少滑ったぐらいでは転倒しない…というか、むしろ滑らせながら走った方がうまくクリアできるということがわかってきました。
しかも車体が軽くクラッチ操作も不要なため、特別なテクニックはいりません。普段からバイクに乗っている人であれば、自転車に乗るような感覚で取り扱うことができるのです。
今回の体験時間は30分。気づいたら終わっていたと言っても過言でないほどに、一瞬で時間が過ぎてしまいました。最後の1周では、アクセル全開で思い切り走らせてもらうことに。
最初の登り坂では、雪上をグイグイとのぼっていきます。スノーボードやスキーでは絶対に味わえないのぼりでの力強さ。駆け上がるような感覚がたまりません。
少し体が置いて行かれそうになるも、お腹に力を入れる感じでバランスを取り戻します。ライトビーエックスのe-SNOW BIKEの場合、最高時速は40kmほど。登りだともう少し遅くなりますが、トルク感は125cc相当とは思えないほどです。
特に緊張するのがコース内でのUターン。
片足を出して車体を支えながら思い切り傾けると…アクセルターンっぽい雰囲気でUターン成功!雪を巻き上げながら曲がる瞬間、アドレナリンがドバドバ出ているのがわかりました。
ラストの下りは思い切り風を切って、ゴール!思わず「超気持ちいい!」と連呼です。
e-SNOW BIKEの乗り心地は、これまで乗ってきたどんな乗り物にも似ていません。新時代を感じる、まさに爽快感という言葉がよく似合うスマートな乗り心地でした。
今後のe-TRAIL PARKに期待です!
e-TRAIL PARKを運営する株式会社キズキレンタルサービスによると、
「今回はテストイベントでしたが、近い将来『e-TRAIL PARK』のウインター版『e-SNOW PARK』を各地に展開予定です。スノーボードやスキーと並ぶ冬のアクティビティになっていくことを期待しております」
とのこと。
筆者としても本音を言えば、もっと練習して思い切ったターンをできるようになってみたい!というところ。常設の施設ができれば必ずリベンジに行きたいと思っています!
e-SNOW BIKEは騒音が少なく、排気ガスが出ないため雪を汚すこともありません。今後、ウィンタースポーツの新しい選択肢となる可能性は十分あります。
2023年も電動バイクの勢いが止まりません。今後のe-TRAIL PARKに期待です!
取材協力:株式会社キズキレンタルサービス、御嶽スキー場
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.