引越し時に必ず行わなくてははならない、電気の手続き。停止と開通手続きを忘れると、退去後も前の住所の電気料金が請求されてしまったり、新居でスムーズに電気が使えなかったりする。
そこで本記事では、引越しの時に忘れずに行いたい退去時の電気停止手続きや新居での開通手続き詳しく解説する。併せて、電気の手続きをいつまで行えば良いか、引越し当日までに間に合わない場合の対処法も参考にしてほしい。
電気の使用停止手続きの流れ
まずは、退去時に行う電気の停止手続きについて解説する。スムーズに手続きをするため、流れをしっかり押さえておこう。
電力会社を確認し、使用停止の申請をする
電力会社への電気の使用停止を申請する方法は、インターネットと電話窓口の2通り。引越し当日まで時間がある場合はインターネットからの手続きが可能だが、使用停止日の2日前以降は電話での手続きのみの対応としている電力会社もあるため注意しよう。
手続きの際は以下の情報が必要となる。事前にこれらの情報を揃えておくとスムーズだ。
・現住所
・契約者の氏名
・お客様番号(電気料金の明細書や検針票に記載)
・電気停止希望日(退去する日)
また、引越し先でも同じ電力会社を使用する予定であれば、開通手続きも同時に行うのがおすすめ。その場合は、新居の住所や利用開始日なども記入できるようにしておこう。
引越し当日にブレーカーを落とす
ネットや電話窓口での使用停止申請が完了すれば、あとは引越し当日にブレーカーを落としておくだけ。
万が一、退去前の使用停止手続きを忘れていた場合でも、当日または引越し後に手続きを行うことは可能だ。ただし、停止手続きをするまで電気料金が掛かってしまうため、気付いた時点でなるべく早めに行おう。
新居の電気開通手続きの流れ
続いて、電気の開通手続きの流れも詳しく見ていこう。
電力会社を選び、開通手続きをする
2016年4月から開始した電力自由化に伴い、一般家庭でも電力会社の選択が可能となった。ライフスタイルに合わせた電力プランを選べば、通常よりも電気代を抑えることもできる。電力会社を変更すると特典が付いたり割引が利用できたりするキャンペーンが実施されていることもあるため、引越しを機に電力会社の変更を検討してみるのもいいだろう。
電気開通の際も使用停止時と同様にインターネット、または電話窓口から手続きを行う。開通手続きに必要な情報は以下の通り。
・新居の住所
・契約者の氏名
・利用予定の電力プラン
・電気使用開始日(入居日)
・料金の支払い方法
新居の電力メーターを操作する
新居では、ブレーカーを自身で操作することで電気の使用を開始できる。従来型のメーターの場合は「アンペアブレーカー」「漏電遮断器」「配線用遮断器」の順にスイッチをONにしていこう。
また、近年では通信機器が備わった「スマートメーター」と呼ばれる新しいタイプのメーターが備わっている住居も増えてきている。メーターの電力数値がデジタル表示になっている場合は、スマートメーターに該当し、開通手続き後に特にメーターの操作を行う必要はない。
支払いに関する手続きについては、新居に用意されている「電気使用申込書」を記入し、電力会社に送付するのが一般的。申込書が見つからない場合は電力会社に問い合わせしよう。
引越しの電気に関する気になる疑問
最後に、引越し時に行う電気関連の手続きについて気になる疑問に答えていく。引越しを控えている方はぜひチェックしてほしい。
電気の停止や開始には業者の立ち会いが必要?
基本的に、電気の停止と開通時に住居で行う作業はブレーカーの上げ下げのみのため、業者の立ち会いは必要ない。
電気の使用停止後は、係員が電気メーターを確認し、電気料金の請求がされる仕組みになっている。ただし、電気メーターの設置場所に係員が入れない場合は、例外的に立ち会いが必要となる場合もある。
電気・ガス・水道などの手続きを一括でできるサービスはある?
引越し時に欠かせないライフライン関連の手続きを、一括で行えるサービスが存在する。
電気・ガス・水道の他にも、郵便やインターネットなどさまざまな変更手続きを一括ですることも可能。引越しの負担を少しでも減らしたい方にはこのようなサービスの活用がおすすめだ。
引越しした月の使用料金はどのように計算される?
引越しをした月の使用料金については、退去日までの電気料金を日割りで計算した額が請求される。請求書は新居に送付されるのが一般的。引越し前後で電力会社を変更しておらず、電気代の支払い方法を口座振替に指定している場合は、これまで通り引き落としでの支払いとなる。
マンションの場合も電気会社は選択できる?
マンションに引っ越す場合、マンション側で電力会社が指定されており、自身で電気会社を選択できないことがある。電力会社を自分で選びたいと考えている方は、引越し先の管理会社に問い合わせてみよう。
手続きはいつまでにするべき?
電気の使用停止と開通手続きは、遅くとも引越しの1〜2週間前を目安に行っておくと良い。多くの電力会社では30日前から手続きが可能で、電気の停止日や開通日を指定できるため、早めに手続きを済ませておくと安心だ。特に繁忙期や年末年始は電力会社の対応が遅くなる可能性もあるため、早めの手続きを心掛けたい。
電気の停止や開始手続きを忘れた場合はどうなる?
先述の通り、停止手続きを忘れた場合は、使用停止日まで電気料金を請求されることとなる。
また、新居での開通手続きを忘れた場合、ブレーカーを上げれば当日の電気利用は可能となる。引越し後は、電力会社での契約手続きを速やかに進めよう。
また、デジタル式の「スマートメーター」の場合は、電気使用開始日から最低2日前までに手続きをしないと電気が使用できないことがあるため特に注意したい。
※データは2023年3月上旬時点のもの。
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文/編集部