引越しで住所が変わる場合、住民票や本人確認書類など、さまざまな住所登録変更の手続きが必要となる。この中でも特に気を付けたいのが、近年普及しているマイナンバーカードの手続きだ。
そこで本記事では、住所変更に必要なマイナンバーカードの手続きの方法、引越しとマイナンバーカードに関する注意点を解説する。スムーズに手続きを進めるためにも、方法を正しく理解し、期限内にマイナンバーカードの手続きを完了させるようにしよう。
引越しで必要なマイナンバーカードの手続き
まずは、引越しで必要になるマイナンバーカードの変更手続きについて解説する。変更が必要な項目や、マイナンバーカードを申請しておらずマイナンバー通知カードを持っている場合はどうなるかも併せてチェックしておこう。
マイナンバーカードの住所変更が必要
引越しで住所が変更になる場合、マイナンバーカードの記載事項の一つである住所の変更手続きが必要だ。カードの記載内容が変更になる場合、市区町村窓口に14日以内に届け出を提出することが法律で決められている。
また、転入届を届出していたにもかかわらず、マイナンバーカードの住所変更手続きを90日以内に行わなかった場合、マイナンバーカードが失効する。カードが失効すると、マイナンバーカードを使用して行政の手続きを行うことができなくなってしまうため注意しよう。
マイナンバー通知カードの住所変更はできない
マイナンバー通知カードは令和2年5月に廃止されているため、住所を含む通知カードの記載事項の変更はできない。また、住民票に記載されている住所と異なる住所が通知カードに記載されている場合、通知カードは個人番号証明書類としての使用が認められない。個人番号証明書類として無効化した後の通知カードはそのまま所有しても問題ないが、必要ない場合は市区町村の窓口で返納しよう。
マイナンバーカードの申請をしていない状態で住所が変更となった場合は、個人番号を証明できる書類がなくなってしまうため、転入届後に引越し先の住所でマイナンバーカードの交付を受けた方がいいだろう。
手続きは市区町村の窓口で行う
マイナンバーカードの住所変更手続きは、引越し元である転出元市区町村、引越し先である転入予定市区町村の両方の役所窓口で行うことができる。手続きが必要となるのは、引越しをする本人、世帯主、または本人と同一世帯の人だ。
引越し元の市区町村の役所窓口では、引越し2週間前から引越し当日、引越し先の市区町村の役所窓口では引越し当日から引越し2週間後以内に手続きをしなければいけない。
また、2023年2月6日からは行政のオンライン窓口「マイナポータル」が利用できるようになり、転出元市区町村での窓口手続きの手間が一部省けるようになった。対象者は電子証明書が有効なマイナンバーカードを持っている人、日本国内での引越しをする人だ。
マイナンバーカードの住所変更方法
次に、マイナンバーカードの住所変更をするための具体的な手続き手順について、他の市区町村・同じ市区町村内に引っ越す場合の2パターンに分けて詳しく見ていこう。
他の市区町村に引越す場合
他の市区町村に引っ越す場合は、引越し元で転出、引越し先で転入の手続きをそれぞれ済ませなければならない。今回は、この転出・転入の手続きと一緒にマイナンバーカードの住所変更手続きを行う方法を紹介する。
【転出の手続き】
役所窓口で転出届を提出する際に、併せてマイナンバーカードの住所変更手続きを行う。必要なものは転出届、マイナンバーカード、マイナンバーカードの暗証番号、印鑑の4点。手続き後は転出証明書が交付されるため、紙媒体での転出証明書は発行されない。
また、対象者は行政のオンライン窓口「マイナポータル」を利用すれば、すべての市区町村でオンラインでの転出届の提出が可能だ。オンラインでの申請が正しく行えれば、転出元の市区町村の役所に行く必要はない。
【転入の手続き】
役所窓口で転入届を提出する際に、併せてマイナンバーカードの住所変更手続きを行う。必要なものは転入届、マイナンバーカード、マイナンバーカードの暗証番号、印鑑の4点。
なお、対象者は行政のオンライン窓口「マイナポータル」を利用し、全ての市区町村を対象に、オンラインでの来庁予定の連絡ができるようになっている。マイナポータルで必要な手続きや持ち物が確認でき、忘れ物を防ぐことができるため活用しよう。
同一市区町村内の引越しの場合
引越し先の住所が同じ市区町村内の場合、住民票の変更と一緒にマイナンバーカードの住所変更手続きを行う。必要なものは転居届、マイナンバーカード、マイナンバーカードの暗証番号、印鑑の4点。
転居届は、引越し先の新しい住所に住み始めた日から14日以内に市区町村の役所窓口で手続きを行う必要がある。引越し先の住所に住み始める前の届出はできないため気を付けよう。
引越しとマイナンバーカードに関する注意点
引越しの際に期限内にしなければならないマイナンバーカードの住所変更手続き。スムーズに手続きを行うために、カードを紛失した場合などの把握しておくべき3つの注意点を確認していこう。
マイナンバーカードを忘れた場合
マイナンバーカードを忘れた場合、マイナンバーの住所変更手続きはできない。なお、転居・転出・転入の届出や住民票の住所の変更は、市区町村の役所窓口によっては運転免許証などの本人確認書類があれば手続きが可能だ。
マイナンバーカードの交付申請中に引っ越す場合
マイナンバーカードの申請期間中に引っ越す場合は、引越し先の住所で改めて交付申請を行わなければならない。ただし、顔写真の再提出は不要。マイナンバーカードの申請から受け取りまでは約1ヶ月時間がかかるため、この期間と引越す期日を考慮して申請しよう。
引越し後にマイナンバーカードを交付申請する場合
引越し前の住所に届いたマイナンバー通知カードの添付書類「マイナンバーカード交付申請書」は使用できない。そのため、交付申請する場合は、引越し先の市区町村の役所窓口で新しいマイナンバーカード交付申請書を受け取り、手続きを行う必要がある。マイナンバーカード未発行の場合は、引越し前にマイナンバーカードの交付申請を行い、受け取っておく方が楽だろう。
※データは2023年2月下旬時点のもの。
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文/編集部