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最近よく聞く「GNSS」って何?覚えておきたいGPSとの違いと測位衛星システムの活用事例

2023.03.06

普段、我々が何気なく使用しているスマートフォンやカーナビゲーションシステムにおける位置情報サービス。地図アプリやカーナビの画面上で行き先を登録するだけで、現在地からの最適な経路を表示してくれる機能は、もはや日常生活や仕事に欠かせない存在になりつつある。

位置情報を知るための仕組みとしてはGPSが一般的に知られているが、近年注目を集めているのがGNSS(測位衛星システム)だ。そこで本記事では、GNSSの仕組みや活用例などを紹介する。

GNSS(測位衛星システム)とは?

まずは、GNSSの定義や仕組みについて理解を深めていこう。

衛星を活用して正確な位置情報を得るシステムの総称

GNSSは「Global Navigation Satellite System」の略称で、日本語では「衛星測位システム」と呼ばれる。複数の衛星から時刻情報を含んだ信号を受信して、地上での現在位置を計測するシステムだ。

GNSSは、4機の測位衛星を使って位置情報を取得する仕組みとなっており、4機それぞれの衛星と自分自身との距離を求め、その4つの距離が交差する点を算出することで自分の現在地を知ることができる。

GPSとの違い

日本では、現在位置を把握する仕組みとしてGPSが最も広く知られている。GPS は「Global Positioning System」の略称であり「全地球測位システム」とも呼ばれる。元々はアメリカで軍事用に開発された技術だが、今ではさまざまな分野で活用されて一般的なものになっている。

人工衛星を用いて地上の現在位置を把握する仕組みは「NSS(衛星測位システム)」と呼ばれ、NSSの中でも地球全体を測位できる仕組みが「GNSS」、特定地域のみを測位できる仕組みは「RNSS」と分類されるが、「GNSS」の中で最も有名な仕組みが「GPS」だ。つまり、GPSGNSSの一種に位置付けられる。

GNSSの定義は団体や地域によって微妙に異なる

GNSSの定義は、団体や地域によって微妙に異なる。NASAやアメリカ合衆国の国務省では、GNSSを単一のシステムだとしているのに対し、中国と欧州では以下のシステムをGNSSと定義している。

  • GPS
  • GLONASS
  • Galileo
  • BDS

なお、日本の準天頂衛星システムについては、GNSS から除外されている。

GNSSを使った測量方法の種類や、測量に誤差が生じるケースとは?

GNSSは、測量方法によってさらに細かく分類することができる。ここからは代表的な測量方法の種類、また、GNSSを使った測量に誤差が生じるケースの例を見ていこう。

GNSSを使った測量方法はさまざま

GNSSを使用した測量には、主に以下のような種類がある。

  • 相対測位:2台以上の受信機を使用して同時観測する
  • DGPS測位・RTK-GPS測位:位置が把握できている基準局と観測点で同時にGPS観測を実施し、基準局で観測したデータを観測点にリアルタイムで送信する。この時の基準局の位置成果に基づいて観測点の位置を算出する
  • ネットワーク型RTK-GPS測位:観測に含まれる誤差を電子基準点のリアルタイム観測データを用いて補正し、RTK-GPSの弱点である長距離基線の測量が可能となる

GNSSの測量に誤差が生じるケース

GNSSも万全な仕組みではなく、測量に誤差が生じるケースもある。主な誤差の要因としては以下の例が挙げられる。

  • 衛星から放送される航法メッセージ中のパラメータ値の誤差
  • 衛星から受信機に送られる信号の伝搬時間に影響を与える電離層や対流圏に起因する不確定要素
  • 測定の正確さに影響を与える受信機ノイズ
  • アンテナ付近の様々な障害物により反射される信号による干渉

GNSSの活用例

GNSSは、さまざまなシーンで活用されており、我々の日常生活にも欠かせない仕組みとなっている。最後に、主な活用事例を見ていこう。

自動運転システム

日本でも、徐々に自動車の自動運転に関するシステムの整備が進んでおり、すでに茨城県境町では自動運転バスの運行も始まっている。この自動運転を実現するのに欠かせないのがGNSSの技術だ。GNSSを活用することで、常に車両の位置情報を高い精度で取得して、管理することが可能となる。

農機自動走行システム

日本では、高齢化の進行に伴う農業従事者の減少が課題となっている。その中で、大手農機メーカーでは、GNSSセンサーを搭載したトラクターなどを開発し、自動走行システムの実現を図っている。

路面情報検知システム

カメラや加速度センサー、ジャイロセンサーを用いて路面状況を把握する路面検知システム。このシステムにGNSSの技術を組み合わせることで、正確に路面の場所と状態を把握することが可能となる。従来であれば人の目で確認するしかなかった路面の状況をシステムで検知することで、業務の効率化とコストカットにも繋がる。

※データは2023年2月下旬時点のもの。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

※製品およびサービスのご利用はあくまで自己責任にてお願いします。

文/編集部

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