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毎年3月22日は国連「世界水の日」!安全な飲み水を使えない人が20億人もいる世界の水問題の現状

2023.03.22

世界と日本では、それぞれで水に関する日が設けられています。水の日ができた背景について深く理解すれば、環境問題に関心を持つきっかけにもなるでしょう。世界と日本の水の日を紹介し、水・トイレ問題の現状についても解説します。

3月22日は国連「世界水の日」

国連は毎年3月22日を『世界水の日』としています。世界の水問題の現状を知り、日本の水の日についても理解を深めましょう。

世界水の日が誕生した経緯

1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議では、環境問題に取り組むための行動計画『アジェンダ21』が採択されました。このアジェンダ21で国連が制定を勧告したのが、世界水の日です。

勧告を受け、同年に開催された国連総会本会議で、1993年から毎年3月22日を国連『世界水の日』にすることが決定しました。

世界水の日は、水資源の開発・保全や、アジェンダ21の普及・啓発を行う日とされ、各国でさまざまなイベントが開かれています。

世界の水問題の現状

2020年時点で、安全に管理された飲み水を使えない人は世界に約20億人います。このうち約1億2,200万人は、湖・河川などの未処理の地表水を直接使用しています。約1億2,200万人の大半は、サハラ以南のアフリカに住んでいる人々です。

ただし、世界の水問題には一定の改善も見られます。2000年の時点で安全に管理された飲み水を利用していた人の割合は『62%』にとどまっていましたが、2020年には『74%』にまで改善しています。

『安全に管理された水』という定義が生まれたのは、SDGsが採択された2015年のことです。水はきれいなだけでは不十分であり、安全でなければ健康を守れないという考え方に基づいています。

参考:安全な水 | 水と衛生 | ユニセフの主な活動分野 | 日本ユニセフ協会

日本にもある水の日

日本では毎年8月1日を『水の日』とすることが、法律で定められています。1977年に閣議了解で決定した水の日が、2014年の水循環基本法の施行により正式な水の日となったのです。また、8月1日からの1週間は『水の週間』です。

水循環基本法第10条では、国・地方自治体が水の日にふさわしい事業を実施することを求めています。そのため、毎年8月1日からの1週間は、行政主導により各地でさまざまなイベントが実施されています。

なお、水の日・水の週間にあたる時期は、年間を通して最も水が使われる時期です。年によっては、水不足の状態になることもあります。

参考:水循環基本法 第10条 | e-Gov法令検索

世界水の日には何をする?

水道の水

(出典) photo-ac.com

毎年3月22日には、『Blue4Water』という参加型キャンペーンが実施されます。世界水の日をきっかけに、自宅での水の使い方を見直してみるのもおすすめです。

Blue4Waterに参加

『Blue4Water』は、国際NGO団体『WaterAid』が実施する水のイベントです。世の中を青く染めることで、多くの人に水問題への関心を持ってもらおうというキャンペーンになっています。

毎年3月22日には、世界中の多くの人が身近なものを青く染め上げています。青いファッションアイテムを着用したり、SNSの画面を青くしたりするのが一般的です。

参加するにあたり特別な条件はなく、身近なものを青にするだけです。Blue4Waterを知らない人にも教えてあげれば、水問題への関心を持つ人の輪が広がっていくでしょう。

水の使い方を見直そう

私たちが水問題に対して実践できる最も簡単なことは、自宅での節水です。誰でもすぐにできる節水方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 食器を洗う際は水を流しっぱなしにしない
  • お風呂の残り湯を洗濯・掃除に使用する
  • 節水機能が付いたシャワーを使う
  • 洗濯機を回す回数を減らす
  • トイレのレバーを使い分ける
  • 洗車はホースではなくバケツを使用する

また、地球温暖化も水不足を引き起こす大きな要因の一つです。二酸化炭素を出さない行動を意識することでも、水不足の解消に貢献できます。

世界ではトイレの問題も深刻

洋式便器

(出典) photo-ac.com

水と深い関係があるトイレの問題も、世界では深刻になっています。水の日と一緒に、トイレの日・トイレ問題についても知っておきましょう。

11月19日は国連「世界トイレの日」

11月19日は『世界トイレの日』です。2001年11月19日に『世界トイレ機関』が創設されたことがきっかけとなっています。

ユニセフ・WHOが、2012年に世界のトイレ問題を国連に報告し、毎年11月19日をトイレの日とすることを、国連が2013年に決定しました。

なお、日本のトイレの日は『11(イイ)10(トイレ)』の語呂合わせで、11月10日になっています。

世界のトイレ問題の現状

水問題と同様、世界のトイレ問題も深刻です。2017年の時点で、世界では約20億人が基本的なトイレを使えていません。

そのうち約6億7,300万人が屋外で排せつを行い、1日800人以上の子どもが下痢性疾患で亡くなっています。

思春期を迎えた女の子にとっても、トイレがないことは深刻な問題です。アフリカの女の子の10人に1人は、トイレがないことを理由に学校に行かないという調査結果もあります。

参考:ユニセフ「世界トイレの日」プロジェクト | UNICEF World Toilet Project

水・トイレにおけるSDGsのターゲット

SDGs6『安全な水とトイレを世界中に』は、安全な水や衛生的な環境、水資源の使い方に関するターゲットを定めた目標です。

ターゲット6.1では、2030年までに世界の水問題の解決を目指すことが定められています。安全かつ安価な水を、世界中に行き渡らせることが目標です。

またターゲット6.2では、2030年までにトイレ問題の解決を目標としています。下水施設・衛生施設の整備や、野外での排せつをなくすことがゴールです。

構成/編集部

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