3. 現在でも過払い金を請求できるのはどんな場合か
過払い金が発生していて、かつ消滅時効が完成していなければ、現在でも過払い金請求を行うことはできます。
3-1. 利息制限法の上限金利の超過
まず過払い金の発生要件として、利息制限法の上限を超える金利によって借入れを受けたことが必要です。
<利息制限法の上限金利>
元本が10万円未満:年20%
元本が10万円以上100万円未満:年18%
元本が100万円以上:年15%
法改正の時期を踏まえると、2010年6月17日以前に受けた借入れについては、上記の上限金利を超過している可能性があります。
3-2. 消滅時効の未完成
過払い金請求権の消滅時効は、最後の取引日から進行すると解されています。
したがって、少なくとも現在(2023年)のところは、直近10年間のうちに1度でも返済していれば、過払い金請求権は時効消滅しないと考えられます。
また、裁判上の請求(訴訟の提起)などによって時効が中断(または更新)された場合にも、過払い金請求権の消滅時効は完成しません。
上記の各要件を満たす可能性がある場合には、過払い金請求の可否について、弁護士などへのご相談をお勧めいたします。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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