本物はどっちだ!?脳がおかしくなる『木彫り』の食べ物アートの世界
突然ですが、「シガール」をご存じでしょうか?
老舗洋菓子メーカー・ヨックモックを代表する商品で、個人的には「手土産にシガールを持っていけばまず間違いない」というくらい信頼している定番&鉄板のお菓子です。
誰もがきっと1度は目にしたことがあるであろうシガール。食べ出したら手が止まらないシガール。
そんなシガール好きをも唸らせた、シガールそっくりなアート作品がこちら!
本物はどっち?
ある日SNSに投稿されたのは、どちらかが本物でどちらかは木を彫って着色して作られたというシガールの写真。
見た人たちからは、「Bが本物な気がする」「Aだと思う」「いやいや、どっちも本物なのでは?」などなどたくさんのコメントが寄せられていました。
果たして本物のシガールはAとBどっちなのか、あなたは見破れますか?
(※袋はどちらも本物です)
正解は~…
Bでした!
ということでAの方は木で作られたアート作品なのですが、正解を聞いてもとても木には見えませんよね。
こちらの写真はなんと袋の方も木彫りで制作されたものなのだとか。
あまりの再現度に脳がおかしくなりそうな、「木彫りのシガール」でした。
趣味から広がった木彫りの世界
木彫りシガールの作者はキボリノコンノ(@kibori_no_konno)さん。そのユニークな発想と技術で、様々なメディアに取り上げられている今注目のクリエイターさんです。
キボリノコンノさんの作品のモチーフはお菓子や食べ物などが多く、よく見慣れているものがほとんど。それなのに一瞬「本物では?」と惑わされてしまうくらい、見事に特徴が捉えられているんです。
ちなみに冒頭の「木彫りのシガール」は公式さんの目に留まり、なんとヨックモックの社長さんとお会いする事態にまで発展したのだとか!
例えばこちらの「注がれたコーヒー」も、彫刻刀や電動ルーターでヒノキの角材を削って作られています。
カップは本物ですが、コーヒーの泡や水面のゆらぎなど、全て木彫りと着色の技術で表現されているというので驚きですよね。
他にも上質なサシの入った「すき焼き肉」や…
ストローやカップまで木で作られた「かき氷」。
かじられた断面や蒸気でしんなりした紙袋も木で再現されている「たい焼き」など。まるで飯テロのごとくタイムラインに流れてくる木彫りの食べ物アートたちは、見る人たちを楽しませてくれています。
そんなキボリノコンノさんですが、実は作家として本格的に活動開始されてからはまだ間もないということ。木彫りをはじめたきっかけを尋ねてみたところ、こんなお答えをいただきました。
「きっかけは約1年半前(2021年9月)で、趣味の卓球がコロナ禍で活動できなくなり、家の中でできる趣味を探していたことでした。コーヒーを飲む時に見たコーヒー豆が木の素材に似ていると感じ、木彫りで作ってみようと思い小学生の頃使っていた彫刻刀とDIYで使った木の端材を出してきて木彫りのコーヒー豆を彫ってみたのが最初です。」(キボリノコンノさん)
ふとした思いつきからはじめた木彫り制作にハマり、今に至るのだとか。
「作風のルーツは幼稚園の頃に遡ります。虫が好きでカマキリの脚の関節の形までしっかり観察して絵を描いたり、お菓子のパッケージを真似て紙で作ったりなど、当時から本物に似せて表現するのが好きでした。」(キボリノコンノさん)
幼い頃の思い出や好きだったことがルーツになり、現在のようなユニークな作風ができあがったのだと語ってくれました。
■キボリノコンノ(@kibori_no_konno)さん
木彫りであっと驚くものを作っています。静岡県在住。
■ツイッター https://twitter.com/kibori_no_konno
■インスタグラム https://instagram.com/kibori_no_konno/
■YouTube https://youtube.com/@kibori_no_konno/
■ウェブサイト https://kibori-no-konno.jimdofree.com
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.