小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「なまめし」ではありません!読めたらスゴい「生飯」の読み方と意味

2023.03.26

簡単な漢字でも、熟字に訓読みを当てて独特の読み方をする熟字訓や、見慣れない送り仮名がついているものは、読み方が分からないものです。普段目にすることが少ない『生飯』という熟語は、なんと読むのでしょうか。生飯の読み方と、意味について解説します。

「生飯」の読み方と意味は?

普段から何げなく使っている言葉でも、漢字にすると一気に難しくなる言葉があります。なじみのない『生飯』の読み方と意味を解説します。

読み方は「さば」

『生飯』は『なまめし』や『しょうはん』ではなく、『さば』と読みます。

生飯とは仏教や修験道の食事で見られる、作法の一つです。餓鬼や鬼神、無縁仏に供え、鳥獣などへ施すために、食事前にご飯を茶わんから一箸取り分けることです。自分だけ満たされるのではなく、他に対し施す心、思いやりを持つためという意味もあります。

生飯の『飯』の読み方は『はん・めし・いい』ですが、『生』には複数の読み方があります。音読みは『せい・しょう』、訓読みになると『い(きる)・う(む)・は(える)・き・なま』など、さまざまです。『生糸(きいと)・生憎(あいにく)・弥生(やよい)』などの他にも、多くの読み方が存在します。

『さば』の読み方と意味を、同時に理解しておきましょう。

「生飯」と「さばを読む」の関係

本と鉛筆とノート

(出典) photo-ac.com

『さばを読む』という慣用句は、現在でも使われる機会が多くあります。さばを読むと生飯の関係を紹介します。

さばを読むの意味

実際の数より多く、または少なくごまかすことを、『さばを読む』といいます。年齢や体重・成績など、物事を事実より良く見せたい状況で多く使われるので、目にしたり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。

さばを読むを使った例文を紹介します。

  • 実年齢から5歳ほどさばを読んでいたが、子どもの頃はやったおもちゃの話題でバレてしまった
  • お小遣いの金額を友達に聞かれたので、さばを読んで伝えた
  • 体重のさばを読んでいたことが、身体測定でバレて気まずい思いをした

さばを読むの『さば』には、『鯖』が当てられるケースが多いですが、『生飯』を由来とする説もあります。それぞれについては後述します。

「生飯」が由来とする説

『生飯』は食事前に茶わんから、ご飯を一箸取り分ける作法です。ご飯の準備をする際に、生飯で取り分ける分も考えて、少し多めに盛ります。

さばを読むという言葉は、通常よりも少し多めにご飯を盛る、生飯の行動が由来という説があります。転じて数や量の多い少ないにかかわらず、数をごまかすという意味で使われるようになった、という説です。

生飯には他に対し施す心、思いやりを持つという意味があります。自分のメリットのためだけに『生飯を読む』のではなく、他者のことを考える心があるというのがポイントです。

魚の「鯖」が由来とする説

魚の鯖は大量に取れる上に、『鯖の生き腐れ』という言葉もあるように、傷みやすい魚です。冷凍・冷蔵設備のない江戸時代は、急いで売らなければなりませんでした。丁寧に数えていると鯖が傷んでしまうので、損にならない程度に、いい加減に数えていました。

このことから、鯖を読むという言葉が生まれたという説があります。

また江戸時代は『魚市場』を『五十集(いさば)』、魚市場で魚を数える『五十集読み』を『いさばよみ』といっていました。魚市場では、魚を傷む前に売りさばかなければなりません。早口で魚市読をし、数を間違えることが多くありました。

この『いさばよみ』が転じて、鯖を読むになったという説もあります。

読めそうで読めない漢字3選

勉強机

(出典) photo-ac.com

普段よく目にする漢字でも、送り仮名や漢字の組み合わせにより、難読になるものがあります。生飯と同じように、簡単ながらも読めない漢字を紹介します。

生す

『生す』の読み方は、『しょうす・なます・きす』ではなく『なす』もしくは『むす』『おおす』です。

『なす』は子どもを産む、出産するという意味で、『子を生した女性』は子どもを産んだ女性を表します。『生さぬ仲』は生みの親と子ではない仲、要するに血がつながっていない親子の間柄を指すことを、覚えておきましょう。

『むす』と読むとニュアンスが変わり、養う、育てることになります。『君が代』の『苔の生すまで』のフレーズを思い出すと、覚えやすいでしょう。なお『おおす』と読むと草木などを育てる、生えるという意味もあります。

御強

『御強』の読み方は『おつよ・おきょう・ごきょう』ではなく、『おこわ』です。赤飯やもち米に豆や山菜などの具材を入れて、蒸したり炊いたりしたものを指します。

硬めのご飯を意味する『強飯(こわめし)』に、『御』を付けて丁寧にした言葉です。室町時代初期に使われていた、上品な言葉遣いの隠語の一つで、主に宮中に仕える女房が用いていました。

また人をだますとき、特に美人局(つつもたせ)に使う『おこわにかける』という言葉に漢字をあてると、『御強にかける』となります。

原す

『原す』の読み方は『はらす・げんす』ではなく、『ゆるす』です。『許す』と同様に罪をとがめないことを指します。

『原』は原因という言葉にも使われているように、『はじめ』『おおもと』という意味があります。そこから罪を起こした根本に立ち返る、元に戻ると転じました。

また文語文に『原宥(げんゆう)』という言葉があり、こちらも許すという意味を持っています。『宥(なだ)』はとりなすという意味の他に、寛大な取り扱いをする、許すことを表しています。

構成/編集部

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。