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過去の発言や著書から読み解く植田和男日銀新総裁の金融政策

2023.02.26

政府は2月14日、4月に任期満了を迎える黒田東彦日銀総裁の後任として、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事案を国会に提示した。

植田氏が日銀総裁の座に就いた際には、どのような金融政策のスタンスを取ることが予想されるのだろうか?

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「植田日銀総裁候補の金融政策スタンスについて考える」と題したレポートを発表した。レポートの詳細は以下の通り。

植田氏は1999年に時間軸政策を推し、2000年のゼロ金利解除はもう少し待ちたいとして反対

今回のレポートでは、日銀の次期総裁候補となった植田和男氏の金融政策スタンスについて、過去の発言や著書、寄稿などから探る。

植田氏は1998年4月から2005年4月までの7年間、日銀審議委員を務めた。日銀は1999年2月にゼロ金利政策の導入を決定し、同年4月には時間軸政策の採用を表明したが、当時の金融政策決定会合議事録をみると、植田氏が時間軸政策を積極的に推していたことがわかる(図表1)。

また、日銀は2000年8月にゼロ金利政策の解除を決定したが、植田氏はこの時、反対票を投じた。植田氏の見解は、やはり当時の金融政策決定会合議事録で確認することができ、「景気が底を打って反転に向かい、その持続性についてある程度の自信が持てれば、景気上昇に合わせて金融政策を微調整するという意味で利上げを始めることが正しい方法かと思う」と述べ、ゼロ金利政策の継続を主張した。

2005年の著書や最近の寄稿では緩和の副作用に目配りしつつも拙速な引き締めの回避を提言

植田氏は日銀審議委員退任後に執筆した著書「ゼロ金利との戦い」(日本経済新聞出版社、2005年12月)で、時間軸政策を解説し、「より長めの金利に低下圧力を及ぼす」効果を示している。

また、いわゆる出口戦略について、「経済がある程度プラスの金利に耐えられるような力をつけたと判断できて初めて出口を出る」ことになり、「量の削減に着手してから比較的速やかに、はっきりとプラスの金利に持っていくのが自然」と述べている。

2018年8月の日本経済新聞「経済教室」への寄稿では(図表2)、長期化する異次元緩和の副作用を指摘し、それに「目配りしつつ、粘り強く現行の緩和策を続け、物価の上昇を待つこと」を提言した。

さらに同じく2022年7月の寄稿では、現行の異次元緩和は「微調整に向かない枠組み」であり、一時的なインフレ率の上昇で「政策を正常化方向へ微修正すると」、「経済やインフレ率にマイナスの影響」を及ぼすと指摘した。

植田氏新総裁ならYCC形骸化とマイナス金利継続の可能性も

以上を踏まえると、植田氏の金融政策スタンスは、①時間軸政策(現在フォワードガイダンスという呼称が一般的)を重視、②拙速な利上げには慎重、③異次元緩和の副作用を認識しつつも粘り強い緩和が必要、と推測される。

なお、三井住友DSアセットマネジメントはイールドカーブ・コントロール(YCC)は4月にも許容変動幅が再拡大され(上下0.5%程度から1%程度への拡大で事実上形骸化)、マイナス金利政策はしばらく維持されるとみている。

仮に植田氏が次期総裁に就任した場合、この可能性は高まるのではないかと考えている。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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