「アンコン語」とは、アンコンシャス・バイアス(=無意識の思い込み)が潜む言葉のこと。知らず知らずのうちに私たちを縛る「〇〇しなきゃ」という既成概念の背景には、様々なアンコンシャスバイアスがあるのではないか。
そんな考えのもと、LIFULLはこのほど、20~80代男女の年代や性別、LGBTQの方、外国籍の方、障がいを持つ方、シングルマザー/ファザーといった対象者1,000人に「LIFULL新生活アンコン語実態調査」を実施し、その結果を発表した。
「住まい」カテゴリでは、「社会人になっても実家暮らしなんて甘やかされてるよね」が1位
LIFULLでは、さまざまなソーシャルメディアの生活者のリアルな声からピックアップした、住まいや介護に関する約50のアンコン語より、「実際に言われて違和感を覚えたアンコン語」としてランキングを作成した。ランキングは、「住まい」「介護」の2カテゴリで作成した。
「住まい」カテゴリ全体では、「社会人になっても実家暮らしなんて甘やかされてるよね」が1位、「家事がしやすい間取りは奥さんが喜ぶね」が2位にランクインした。
年代別では、20~30代男性は「家事がしやすい間取りは奥さんが喜ぶね」が1位、60~80代女性は「キッチンは女性が使うものだよね」と「家事がしやすい間取りは奥さんが喜ぶね」が同率1位という結果に。
家事=女性という思い込みに対する違和感はシニア世代の女性の中だけでなく、20~30代男性も同様に感じていることから世代を超えて違和感をもたれる言葉であることが見て取れる。
さらに、20~30代男女で「社会人になっても実家暮らしなんて甘やかされてるよね」「同棲ってことは結婚するんでしょ」が3位以内にランクイン。
「社会人になったら一人暮らしをすべき」「同棲したら結婚すべき」と押し付けられていることに違和感を抱いていることが考えられる。
60~80代男性は「長男だから、いつか親と同居するでしょ」が1位に。古くからの慣習に違和感を覚えている様子が見受けられた。40~50代男性・女性共に3位の回答が分散し、多数の言葉が該当した。
シングルマザー・ファザーに聞いたアンコン語は「女性が家を買うなんてすごい!」が1位に。「女性=家を買うのが難しい」という思い込みが違和感を持たれることが浮き彫りになった。
LGBTQの方の調査からは、1位に「社会人になっても実家暮らしなんて甘やかされてるよね。」という結果となり、自由回答では「甘やかされてるのではなく、親の介護や、色々な事情もあるのに」という意見もあった。
2位に「世帯主といえば男性でしょう」「シングルマザー/ファザーって探せる家が限られそう」と、世帯主=男性という慣習やマイノリティの住まいに対して違和感を持たれる方が多いことがわかった。
「介護」カテゴリ全体においては、「子どもがいないと、老後は面倒を見てくれる人がいなくて大変」という将来の不安に関する介護のアンコン語が1位に。
「長男・長女なんだから介護をしなきゃ」「親の介護は、子どもがするものでしょ」と、家族の概念にまつわるアンコン語が続いた。「介護は家族がするものだ」と押し付けられていることに、違和感を覚えていることが考えられる。
「住まい」「介護」カテゴリー全体のランキング
対象者別、違和感を覚えた「住まい」に関するアンコン語
アンコンシャスバイアスに対して、82%が「全く知らない」と回答。「言葉を聞いたことがある」と「よく知っている」合計で、知っている方は2割以下となった。
年代別では大きな差異は見られない一方、障がい者の方と外国籍の方は約3割の方が知っていると回答し、比較的知っている割合が高い結果となった。
<LIFULL新生活アンコン語実態調査方法>
【調査名】LIFULL新生活アンコン語実態調査2023
【調査対象者】1,000人(20~80代 全国の男性、女性、LGBTQの方 / 外国籍の方 / 障がい者の方 / シングルマザー・ファザーの方)
【調査期間】2023年2月4日(土)~2月13日(月)
【調査方法】インターネット調査(シグナルリサーチ)
【調査主体】株式会社LIFULL
【監修】一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所
【抽出条件詳細】
「性別」⇒「自認している性」についての回答によって判別
「LGBTQ」⇒「出生時の性別」「自認している性別」「性的志向」についての回答によって判別
「外国籍」⇒「日本国籍を有していない」回答によって判別
「シングルマザー・ファザーの方」⇒「未婚(離婚/死別含む)・子あり」回答によって判別
「障がい者の方」⇒「身体的・知的・精神的障がい」をお持ちと回答の方
出典元:株式会社LIFULL
構成/こじへい