帰れなくなったエイリアンたちの悲劇のストーリー
こうして回収されたドロパディスクはしばらく北京大学で保管されていたのだが、1962年に研究者のスン・ウンノイ(Tsum Um Nui)氏がこのドロパディスクに刻まれている文字の解読に成功したと公表している。スン氏によれば解読した内容は以下の通りだ。
「1万年前にバヤンカラ山脈の洞窟のある地域に宇宙船が墜落した。乗っていたドロパ人たちは宇宙船を修理することができず地上に残ることを余儀なくされた」
エイリアンの宇宙船がこの山間に墜落し、帰れなくなったエイリアンたちの悲劇のストーリーが綴られているというのである。そして“ドロパ”はこのエイリアンの種族名であったことになる。
太古の“記録ディスク”には1万年前にさかのぼる昔話が綴られていたことになるが、はたして帰れなくなったエイリアンたちはその後、どうなってしまったのか。
ドロパディスクが発見されたバヤンカラ山脈のエリアにかつて居住していたとされているドロパ族は、実は平均身長が100センチ前後の小さな人々であったという。また背が低いばかりでなく頭部が大きく瞳が青色や黄色という特徴もあったともいわれている。
このような身体的特徴から、ドロパ族の人々は1万年前にやって来て帰れなくなった宇宙人(ドロパ人)と混血した可能性があると考えてみるのもロマンが膨らむ話になるかもしれない。あるいはドロパ族=ドロパ人という“生き残り説”も考えられないわけではない。
中国・雲南省にある馬鹿洞(Red Deer Cave)と老磨槽洞では、絶滅した先史人類のアカシカ人(馬鹿洞人)の化石が見つかっているが、このアカシカ人の化石を年代測定したところ、1万4500年前から1万1500年前のものであるという判定結果が出ている。
場所は違えど、このドロパ族とあまり変わらない時期に生きていたと考えられなくもなく、ひょっとすると何らかの関係があるのかもしれない。
※イメージ画像
この“混血説”と“生き残り説”のほかにも超古代の地球にやってきたエイリアンが人間と人類文明を創造したという「古代宇宙飛行士説」をサポートするものであるという指摘もあれば、この地にやってきた一行はエイリアンではなく“タイムトラベラー”ではなかったのかという説もあるようだ。
まるで異世界からの落し物でもあるようなこうしたオーパーツを我々はどう理解すればよいのだろうか。それが人類の歴史や定説を覆す大発見になるのかどうか、あらゆる可能性を考慮した慎重な検証が必要となってくるのだろう。
文/仲田しんじ