40年前にはカセットテープがパソコンの記録媒体に使われていたことを考えると、ここ数十年の間の記録媒体の進歩は目覚ましいものがあったと言わざるを得ない。
昔の記録媒体に残されている内容を忘れた頃に確認してみるのも一興だが、はたして1万年前の記録ディスクにはいったい何が記されているのだろうか――。
1万年前の記録ディスク「ドロパディスク」とは
先日部屋の整理をしていたら、棚の奥からMO(光磁気ディスク)が出てきた。懐かしい、のひと言だ。メーカー名と共に「640MB」という記憶容量が記された半透明の四角いカートリッジの中には、DVDやCDよりもふた回りくらい小さいディスクが収まっている。
※イメージ画像
このMOに何が記録されているのか、それを確かめるにはどこかに仕舞ってあるMOドライブを引っ張り出してこなければならずかなり面倒なのだが、もちろんだいたいの想像はつく。
15年くらい前、いや20年近く前の仕事のデータや画像である。無くなってもまったく問題ないものであり、早晩処分することになるだろう。
とはいっても、20年くらい前の仕事のデータを見返してみたいと思わなくもない。忘れていることもかなり多いだろうし、ひょっとするとなかなか興味深い“再発見”があるのかもしれない。
中身が気になる昔の記録媒体だが、なんと大昔の記録ディスクではないかと噂されている“オーパーツ”がある。
オーパーツ(OOPARTS)とは「out of place artifacts」の略語で、つまり「場違いな工芸品」のことである。発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる謎の出土品や加工品などが該当する。
1938年に中国とチベットの国境にあるバヤンカラ山脈で発見されたとされる「ドロパディスク(Dropa Discs)」もまたそうした謎のオーパーツの1つである。(※「ドロパストーン」と呼ばれることもある)
ドロパディスクは1938年に中国・崑崙山脈の一部でもあるバヤンカラ山脈で考古学者のチー・プーテイ教授の調査チームによって古代文明の痕跡とともに発見された700枚もの円盤状の工芸品である。
ドロパディスクという名称はかつてこの地に住んでいたとされている少数民族のドロパ族にちなんで名づけられた経緯を持つ。発見された場所は山脈の地中に人工的に掘られたシェルターのような洞窟で、内側の壁には奇妙な絵画らしきものも多く描かれていた。
洞窟の中には墓らしき施設も発見され、いくつもある棺の中からは身長120センチほどの頭部が大きい人型の骸骨が安置されていた。
ドロパディスクはいずれも直径30センチほどで、中央には穴が開き、表面は穴を中心にした渦巻状の紋様が彫られており、古代エジプトのヒエログリフのような文字や絵なども刻まれている。
絵の中には頭部の大きい人型の存在が描かれているものもあった。このドロパディスクは1万年ほど前に作られたものだといわれている。
※イメージ画像