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過去最高の受注額を記録したロールス・ロイス「ビスポーク」の最高傑作10選

2023.02.21

真のハウス・オブ・ラグジュアリーとしてのロールス・ロイスの地位を象徴

ロールス・ロイスのビスポークは、118年の歴史で最も成功した年を迎えた。世界中のオーナーが、ほぼ無限ともいえるビスポーク・パーソナライゼーションを追求し、その結果、1年間の受注額は過去最高を記録したからだ。

ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブは、洗練されたビスポークの技巧を駆使して、オーナーの希望と嗜好に応え、素晴らしい芸術作品に変えていく。

さまざまなインスピレーションからなる、そんなビスポークの例として、オーロラの神秘性、オーキッド(洋蘭)のシンボリズム、真珠の虹色のエレガンス、最新のファッション・ムーブメントなどが挙げられる。

グッドウッドでハンドメイドされるすべてのロールス・ロイスは、オーナーの希望に忠実に製作されるビスポーク車。ロールス・ロイスの車をオーダーすることは、極めてパーソナルな、そして場合によっては非常にプライベートなプロセスであり、多くのオーナーは、その成果を公にすることなく、自分だけのものにしたいと考えるという。

以下に紹介する10例は、ホーム・オブ・ロールス・ロイスでデザインされ、手作業で製造された素晴らしい作品のごく一部となる。

しかし、これらは2022年に製作されたビスポークの最高傑作でもあり、真のハウス・オブ・ラグジュアリーとしてのロールス・ロイスの地位を反映している。

2022年に製作された記憶に残るビスポーク10選

■ファントム「ザ・シックス・エレメンツ」

ファントム「ザ・シックス・エレメンツ」、エア・ギャラリー by サシャ・ジャフリ、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

「ザ・シックス・エレメンツ」シリーズは、ファントム・ギャラリーが提供する比類ない機会を実証するもの。それぞれワンオフで製作された計6台のファントムには、世界的に有名な英国人アーティスト、サシャ・ジャフリ氏によるハンドペイントのユニークなアートワークが施されている。

ファントム「ザ・シックス・エレメンツ」、ヒューマニティ、コーチライン・モチーフ、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

「マジカル・リアリズム」のスタイルで知られるサシャ・ジャフリ氏が、自然界の最も強力な構成要素「地、火、風、水、空気」を抽出し、さらに6番目の要素として「人」を加え、エモーショナルで色彩豊かな作品を制作。

このユニークな芸術的プロジェクトは、120万ドルの寄付を集めた。各ファントムにはユニークなデジタル・コレクティブルが搭載されており、本シリーズは「チャリティに積極的に取り組み続けるロールス・ロイス(the Rolls-Royce that keeps on giving)」となっている。

■オーロラ・ボレアリス・レイス

オーロラ・ボレアリス・レイス、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

息を呑むような北極光の光景にインスパイアされたこの2台のビスポーク・レイスは、自然が織りなす見事な光のショーの本質を表現。この大自然がもたらす幽玄の世界を表現するために、ビスポーク・コレクティブが新たに生み出した2つのカラーが、オーロラ・ブルーとボレアリス・グリーン。どちらも、極地の夜空に揺らめく虹色の美しさを映し出している。

オーロラ・ボレアリス・レイス、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

それぞれのレイスの室内には、青と緑と白の光ファイバーで星座を描いたマルチカラーのスターライト・ヘッドライナーが組み込まれている。ビスポーク・コレクティブは、多くの時間を費やして、オーロラの幽玄な美しさを想起させる照明の完璧な配置を実現した。

■ファントム・ペイズリー・ギャラリー

ファントム・ペイズリー・ギャラリー、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

このワンオフのギャラリーには、何世紀にもわたってラグジュアリー品を装飾してきた複雑なペイズリー・モチーフを再解釈した、美しい刺繍アートワークが飾られている。

ファントム・ペイズリー・ギャラリー、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

ネイビー・ブルー、アークティック・ホワイト、フォージ・イエローの糸を使い、9万針ものステッチで、ランニング・ステッチとサテン・ステッチの縁取りを織り交ぜて質感を出したもので、完成までに40時間以上を要した。各ピースは、シームレスにつながった3つのエレメントで構成され、それらがミリ単位の精度で配置されている。

■カリナン・フローズン・レイクス

カリナン・フローズン・レイクス、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

このビスポーク・カリナンは、冬のワンダーランドのような幻想的な雰囲気の中で、乗員を包み込む。フェイシアとピクニック・テーブルは、氷が割れたときの模様をモチーフに、異なる色で何層にも塗り重ねた後、コーティングと研磨で立体感を出すなど、2週間以上かけて丁寧に手作業で仕上げられた。

ビスポーク仕様のスターライト・ヘッドライナーの製作にも、18時間がかけられており、同様の立体感のあるエフェクトが施されている。

カリナン・フローズン・レイクス、ピクニック・テーブル、割れた氷のモチーフ、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

エクステリアは、きらめくようなクリスタル仕上げを施したミッドナイト・サファイアと、ブルー・クリスタル仕上げのアークティックにより、氷面のシャープさ、輝き、奥行きを表現している。

■ファントム・サファイア・アストラム・ギャラリー

ファントム・サファイア・アストラム・ギャラリー、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

アストラムとはラテン語で星々を意味し、この精巧なワンオフのギャラリーはスターバーストをモチーフにしている。プラチナに嵌め込まれたダイヤモンドからシルバーの槍が放射状に伸び、最後はペア・シェイプにカットされたサファイアで締めくくられている。

ファントム・サファイア・アストラム・ギャラリー、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

背景のパネルにはギョーシェ彫りが施され、「Bleu de Nuit(ナイト・ブルー)」と名付けられた深いサファイア色のラッカーが、宝石の素晴らしい色彩をより一層引き立てる。

ギャラリー・クロックのスターリング・シルバー・ベゼルにもギョーシェ模様が施され、サファイア・ブルーのラッカーが文字盤に深みと虹色の輝きを与えている。

■ペブル・ビーチ・コレクション・ゴースト

ペブル・ビーチ・コレクション・ゴースト、サガノ・グリーン、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

米国カリフォルニア州ペブル・ビーチで開催される世界的に有名なイベントで、ビスポークのケイパビリティをアピールするためにサガノ・グリーンとセコイア・グリーン、2台のゴーストがデザインされた。

サガノ・グリーンはクリスタルで、セコイア・グリーンはゴールド・マイカ・フレークで仕上げられており、虹色のようにきらめく非常に美しい遊色効果が見られる。

ペブル・ビーチ・コレクション・ゴースト、セコイア・グリーン、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

この深みのある色彩は、6層に及ぶ仕上げにおいて、それぞれ手作業で丹念に磨き上げることで完成している。最後に2種類のクリアコーティングを施す前に、クリスタル仕上げを行うことで、微小な色の粒子が艶やかで多次元的なきらめきを生み出している。

■ファントム・オーキッド – タイムレス・エレガンス

ファントム・オーキッド、ギャラリー by ヘレン・エイミー・マーレイ、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

このワンオフのファントムは、美しさ、回復力、強さの象徴とされる洋蘭、シンガポール・オーキッドに着想を得たもの。

このビスポーク車の中心となっているのは、様々な受賞歴を誇るアーティスト、ヘレン・エイミー・マーレイによる手彫りのギャラリーで、すべてシルクで作られた立体的な花が組み込まれている。

ファントム・オーキッド、ピクニック・テーブル、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

オーキッドのモチーフは、リアのピクニック・テーブルの象嵌やトレッドプレートにも継続されている。エクステリアのシンガポール・オーキッド・パール・ホワイトの塗装は、バイオレットの色合いと微細なガラス粒子の組み合わせによって美しい真珠の光沢を表現し、オーキッドのコーチラインがそれをさらに引き立てている。

■フックス・ブライト・イエロー・ドーン

フックス・ブライト・イエロー・ドーン、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

このまばゆいばかりのビスポーク・ドーンは、熱心な自動車コレクターで、ロールス・ロイスの長年のパトロンであるマイケル・フックス氏による特別注文の長いリストに新たに加わった1台。

フックス・ブライト・イエロー・ドーン、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

彼のために特別に生み出されたカラー、フックス・ブライト・イエローが、エクステリアの仕上げ、レザー内装、トップ・ステッチ、ツートンカラーのステアリング・ホイール、ホイール・センターなど、車の隅々まできらびやかに飾っている。

■ファントム・プラティーノ

ファントム・プラティーノ、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

プラチナのシルバーホワイト仕上げにちなんで名付けられたこのビスポークの傑作は、イタリアの工場で作られた耐久性とラグジュアリー感を兼ね備えた織布と、竹繊維から作られた光沢のある仕上げが印象的な織布の2種類を組み合わせたインテリアを特徴としている。

ファントム・プラティーノ、ギャラリーとビスポーク・クロック、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

どちらの素材にも、スピリット・オブ・エクスタシーを抽象的に解釈したオリジナルの繰り返しパターンがあしらわれている。

また、このモチーフはギャラリーにも反映されている。スターライト・ヘッドライナーはワンオフのデザインで、パターンに沿って弧を描く「流れ星」が視線を後方へと誘導する。

■カリナン – インスパイアード・バイ・ファッション

「カリナン-インスパイアード・バイ・ファッション」Re-Belle、ライム・グリーン・エクステリア、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

この「カリナン-インスパイアード・バイ・ファッション」ビスポーク・コレクションは、ファッションのさまざまな側面を反映した4台×2セットの車で構成される。

「Re-Belle」モデルは、カラー・ブロックをモチーフにしており、ライム・グリーン、ガンメタル、ワイルドベリー、アークティック・ホワイトのエクステリア仕上げと、ライム・グリーンまたはピオニー・ピンクをアクセントにしたインテリアを採用。

「Fu-Shion」モデルは、エクステリアがミリタリー・グリーン、バーンアウト・グレー、フォージ・イエロー、テンペスト・グレーで、インテリアが対照的なマンダリンまたはフォージ・イエローで仕上げられている。

「カリナン – インスパイアード・バイ・ファッション」Fu-Shion、ビューイング・スイートとスターライト・テールゲート、ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ、2022年

この制作依頼を受け、ビスポークのデザイナーはまったく新しい「スターライト・テールゲート」を創り出した。

このユニークな装備により、テールゲートを開けると、パーフォレイテッド・レザー・トリムに192個の星が浮かび上がり、スターライト・ヘッドライナーがインテリアの外にまで広がる。

関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/

構成/土屋嘉久

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