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自分仕様の基地にカスタムできるスズキの軽ハイトワゴン「スペーシア ベース XF・4WD」

2023.02.23

■石川真禧照のK-CAR徹底解剖

 スズキの軽ハイトワゴンは、2013年にスペーシアを発売したことからはじまる。「スペーシア」は子育てファミリーを中心に人気を集めた。現行モデルは2017年12月に登場した。ハイトワゴンの人気は高く、その後、「スペーシア」をベースにSUV化した「スペーシアギア」を追加した。「スペーシアギア」はマイルドハイブリッドエンジンを全車に搭載し、アウトドアの使用にも耐えるように、水漏れや泥汚れにも対処した内容が評価され、人気モデルになった。

パーソナルユース化が進む軽ハイトワゴン

 現在、スズキの軽自動車の中で「スペーシア」系のハイトワゴンは、全販売台数の25%を占める稼ぎ頭でもある。しかし「スペーシアギア」がデビューしてから約4年を経過し、ハイトワゴンの世界もユーザー層に変化の兆しが見えはじめた。それはハイトワゴンの使われ方だ。ハイトワゴンの乗車定員は4名。ファミリーで使ったり、友人たちを乗せたりするときに使い勝手がよいクルマだ。

 ところが「スペーシアギア」が登場した2018年は、軽ハイトワゴンの4名乗車の割合が60%だったのが、2021年には50%に減少していた。「スペーシア」は53%から40%に減少していることが判明したのだ。つまり軽ハイトワゴンのパーソナルユース化が進んでいたことになる。

 スズキはこの現象に着目したが、自社のハイトワゴンやキャブワゴンではカバーしきれていないことに気づき、早速、新しいジャンルの軽ハイトカーの開発に着手した。こうして生まれたのが「スペーシアベース」だ。4人が快適に乗れるのではなく、1~2名がクルマの中で過ごせるハイトワゴン。そのために、リアシートは割り切った。

 スズキは1970年代に、当時、上級志向に向かっていった軽自動車に対し、リアシートを簡素化し、4ナンバーの商用車として割り切った「アルト」を発売。車両本体価格も当時としても破格。47万円にした。「アルト」は新しいファミリーカーとして、たちまちベストセラーカーになった。こういう過去の実績がある。

 今回「スペーシアカスタム」のボディを基本にして「ベース」は企画された。ただしパワーユニットはマイルドハイブリッドではなくコンベンショナルな658ccターボ。出力は52ps、トルクは60Nmのガソリンエンジンを搭載した。グレードは上級のGFと標準仕様のXF。どちらにもFFと4WDを設定している。ちなみに、FFと4WDの違いはリアサス。FFはトーションビーム式。4WDはトレーリングリンク(I・T・L)式を採用している。FF車は前後にトーションバー式のスタビライザーも装着された。

 今回、試乗したのは「XF・4WD」。シリーズの最高価格車だが、車両本体価格は166万7000円。メーカーオプションとして全方位モニター用カメラパッケージが用意されているが、これは4万6200円だ。ちなみにGF・FF車は139万4600円からとなっている。

「スペーシア」や「スペーシアギア」との外観上の違いはリアクォーター部。ここはガラスではなく、パネルになっている。室内のこの部分にポケットやLEDランプが取り付けることができる。走り出す前にリアスペースをチェックする。商用車規格なので、リアシートは簡素な折り畳み方のベンチシート。座ることはできるが背もたれは低く、角度も垂直に近いので快適ではない。一体式でスライドダウンさせ、ラゲージのマルチボードの高さを調節して、テーブルや平置きスペースとして使える。このボードとフロントシートを使えばフラットなベッドスペースにもなる。フロントシートヒーターやフルオートエアコン、チルトハンドル、シートリフターなども装着されているので、快適なドライビングができる。

カスタマイズし、知らない土地に行ってみたくなる

実際に試乗してみたが、変速機はCVT。ドライブポジションはD、L。シフトレバーにSモード用のボタンが付いている。直列3気筒ターボはスタートからややうなり音がある。街中ではあまり気にならないが、80km/h以上の高速域では音も大きくなる。ただし、0→80km/h加速は11秒台前半なので、軽ハイトワゴンとしては遅くはない。

 ハンドリングは、直進時はやや重めの操舵力、高速走行でもフロントの安定感は保たれていた。ハンドルのロック・トゥー・ロックは4.0回転と大きいので、街中の交差点などではやや重く、戻りはゆっくり目。ワインディングではロールは抑えられ、操舵力はやや軽めになる。路面の凹凸でも乱れは少なかった。

 乗り心地はサラつきや細かいゴツゴツ感は低、中速域では感じたが、高速走行ではあまり気にならなかった。実走燃費は試乗期間中のトータルで18.4km/Lだった。カタログ値の19.9km/L(WLTCモード)には及ばなかったが、決して悪い数値ではない。「自分だけの稼働基地をつくろう」というキャッチフレーズのように、カスタマイズし、知らない土地に行ってみたくなる。そんなハイトワゴンだ。

■関連情報
https://www.suzuki.co.jp/car/spacia_base/

文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博

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