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今日は猫の日!意外と知らない「子猫」の話

2023.02.22

猫の出産シーズンは春と秋。そう、これからが猫の出産シーズンなのです。

お腹の大きい野良猫や、生まれたばかりの子猫と出会った時のために、猫の出産と授乳や子猫の習性について、簡単に知っておきましょう

子猫トリビア①・・・子猫がお乳を飲む時、「いい乳首」と「悪い乳首」がある

典型的な出産では、猫はだいたい平均して30分くらいの間隔で4~5匹の子猫を産みます。したがって1回のお産で、おおよそ2時間から3時間くらいかかることになります。この30分という間隔は、次に子猫が生まれる前に、先に産んだ子猫の面倒を見るのに必要な時間です。

母猫が、生まれたての子猫に行う世話は、大きく3つあります。

1)子猫の体を包んでいる羊膜をはがしてあげる
2)子猫の鼻と口を掃除し、最初の呼吸をしやすくしてあげる
3)へその尾を赤ん坊の体から2センチくらいまでのところで噛みとって食べる

すべての子猫にこの世話をし終えると、胎盤を食べます。これは、長時間にわたる子猫の世話のための、大切な栄養源となります。

子猫たちは誕生のショックから立ち直るとすぐに、乳首を求めて鼻で母猫のお腹を探り始めます。生後2~3日すると、子猫はそれぞれ自分専用の乳首を決めて、それに愛着を示すようになります。目もあかないうちにどうやって決めるのか不思議ですが、じつは“マイ乳首”の決め手となるのが、乳首につけた自分の匂い。この時、飼い主が母猫のお腹を洗って乳首の匂いを取り除いてしまうと、子猫は自分の乳首を見つけられなくなって混乱が起こり、子猫同士のケンカになってしまいますのでご注意を。

一度ゲットした乳首はしばらくその子猫専用になります。これは、授乳のたびにきょうだいが争って体力を消耗するのを防ぐためのシステム。しかし、じつはこの時に、子猫同士には熾烈な争いがあります。それは、“いい乳首”をゲットするためのバトル。母猫の乳首はふつう、胸から腹まで4対(8個)並んでいますが、胸側より腹側の乳首のほうが、お乳がよく出るのです。

もともと大きく生まれた子猫はほかの子猫よりも力が強いので、本能的に腹側の“いい乳首”をゲットします。そしてそれによりますます大きくなり、兄弟の中で順位が上になります。逆に小さく生まれた猫は、あまりお乳の出がよくない乳首にしかありつけないため、ますます成長が遅くなり、きょうだいの中の順位も下になってしまうのです。よく「兄弟の中で一番小さな子」がいるのは、こんなシビアな理由だったんですね…。

トリビア②…母猫は一生分の“生きる知恵”を、たった3週間で子猫に授ける

母親からのお乳で育つ「授乳期間」、人間は平均して1年〜1年半ぐらいですが、仔猫が乳離れするのは生後5週間くらい。その頃からひとりだちの教育が始まり、8週齢期頃にはほぼ終了していると考えられています。このように子育て期間が短いのは、猫の妊娠期間が約2~3か月で、年に2~3回の出産が可能であり、母親は出産後ゆっくり子育てをする暇もなく次の妊娠・出産に突入してしまうことも影響していると考えられます。

単独で生きていけるように母猫が子猫に授ける“教育”は、大きく4つあります。

<1> 食べ物の狩り方

子猫の歯が生えそろうと、母猫は動く小動物を目の前で噛み殺して、「噛む」という殺し方を教えます。次にそれが食べ物であることを教えるため、その獲物を食べてみせます。最後にいっしょに狩りにでかけ、獲物への近づき方、仕留め方を実演してみせてから、実地訓練をさせます。

<2> 身の守り方

子猫がまだよちよち歩きの時、母猫は子猫の首筋をくわえて運び、危険の少ない場所に連れて行って安全な場所を教えます。また敵が現れると母猫は子猫を脅してその場所から逃がし、危険な存在であることを教え込みます。

小さな猫が、大きな犬に向かって威嚇するのを見たことがありませんか? 子育て中の母猫は非常に気が強く、子供を守るためなら自分よりかなり大きな動物も威嚇して追い払おうとします。子猫はその姿を記憶しているのかもしれませんね。

<3> 猫同士の社交術

基本的に単独行動をする動物であっても、無用な争いを避けるために、仲間とのつきあいは重要です。母猫は子猫がじゃれて噛みついてきたら、噛み返して力の加減を教え、強く噛むと相手が痛がることを身をもって学ばせます。また子猫が目をじっと見てきたら、怒って敵意を示します。猫同士で目をじっと見つめ合うのは、敵意のあらわれ。それを知らずにボス猫とうっかり目を合わせてしまうと攻撃の対象になり、危険だからです。

<4> 人との付き合い方

飼い猫の場合は、上記の3つに加え、飼い主との付き合い方を教えます。そのため飼い猫が生んだ子は最初から人間を恐れず、フレンドリーな性格になりやすいのです。逆にいえば、外で暮らしていた猫が人間を警戒するのは、人間を警戒する母猫を見て育ったためといえます。

トリビア③…子猫の遊びは、ほぼすべてが「殺しのトレーニング」

猫は生後3週間くらいから、いっしょに生まれた兄弟たちと取っ組み合いのケンカをはじめます。でもこうした遊びで怪我をすることはほとんどありません。小さいうちは、怪我をさせられるほどの力がないせいですし、少し大きくなると、「攻撃し過ぎると楽しいケンカごっこがすぐに終わってしまう」ことを学ぶためです。子猫同士が後ろ足で立って相手に抱きついたり、猫パンチをしたりして遊んでいるのは、このネコ科特有の狩りに必要な運動能力のトレーニング。つまり、「殺し」の練習をしているんです。かわいらしく見えても、ココロは肉食獣なんです。

生後4週目くらいに入ると、ケンカごっこはさらに巧妙になり、フルに前足を使うようになります。追いかけて飛びついては前足で抱きついたり、地面に静止しているものを前足で空中にすくいあげたり、動くものを前足で叩いたり…。動く軽いものはすべて獲物に見立てられ、子猫たちの想像力がフル回転するのです。

見慣れないものを見ると、前脚をチョイチョイ出して様子をうかがう・・・。ボクシングのジャブのようでなんともかわいらしい動作ですよね。また猫によっては、不審なものを見つけた時、力任せにひっぱたくこともあります。これは、野生時代に地面に落ちた鳥の死骸などに遭遇した時の名残り。まず軽く触れて、相手が危害を加えるかどうかを確認しているのです。

トリビア④…離乳前の捨て猫にミルクをあげるボランティアがある

殺処分される猫の大部分が、離乳前の子猫なのをご存じでしょうか?その理由は数が多いと、1日に難買い物授乳や排便の補助、体重管理、保温などの細やかなケアが必要なため、助けたくても保護ボランティアの方の手がまわらないという切実な事情があります。

こうした離乳前の子猫の一時的なお世話を手伝うことで、殺処分を減らす取り組みとして広がっているのが、離乳前の子猫のお世話をする「ミルクボランティア」。

ミルクボランティアがやるべきことは、2~3時間おきの頻繁な授乳、ガーゼなどでお尻を刺激する排泄の補助、社会化のためのふれあい、成長の状況記録など多岐にわたります。つきっきりのこまやかなお世話が必要なので、忙しい若い人よりも、リタイアして時間にゆとりがあり飼育経験豊富なシニアに向いているボランティアといえます。各地の保健所や、動物愛護センターなどで募集をしていることが多いのでので、興味がある方は調べてみてはいかがでしょう。

大阪市では離乳前の子猫の殺処分を減らすため、「子猫リレー事業」を行なっています。大阪市動物管理センターに収容された子猫を公益社団法人 大阪市獣医師会の協力で病院が引き取って育てた後、「高齢者飼育ボランティア(キトンシッター)」と暮らしながら新しい飼い主につなげる試みです。

ミルクボランティア以外にも、保護団体などのもとで譲渡先を募集している猫の一時預かりや、猫シェルター、猫譲渡会の運営の手伝いなどの方法もあります。また保護猫カフェでは猫のお世話や清掃などのサポートをするボランティアを募集していることもあります。

トリビア④…飼い猫は、大人猫も「子猫モード」になることがよくある

外で暮らす猫は、人間でいえば10歳前後くらいの時から自分で狩りをして食料を得たり、自分で敵から身を守ったりしなければなりません。でも飼い猫は一生の間、母親から餌を与えられ守ってもらえた子猫と同じ生活スタイルになります。そのため飼い猫は大人になってもメンタルは子猫のままで、以下のような子猫特有のしぐさをします。つまりこれらの行動は、飼い主を母猫だと思って完全に心を許している猫特有の行動なのです。

◎尻尾を立てて近づく

飼い猫が飼い主に甘えたい気分の時、尻尾を垂直にピン!と立てます。この行動は本来、歯は猫が子猫のお尻をなめて刺激をあたえ、排便や排尿をうながす時にやりやすいようにする時のポーズです。2 毛

◎布や衣服をモミモミする

子猫は母猫からお乳をもらう時、母親のおなかを交互にもむ習性があります。そうすることで母親のお乳の出がよくなることを、本能的に知っているのです。飼われている猫は大人になっても、飼い主に抱かれて嬉しい時や、やわらかい毛布にくるまれて安らぎを感じている時などに、このしぐさをします。母親からお乳をもらった時のようにお腹が満たされて幸せな気持ちになっているのでしょうね。

◎人の顔や体におでこをくっつける

飼い猫は時々、飼い主におでこをくっつけたまま眠ってしまうことがあります。子猫は母猫のお乳を飲んでいる時、おでこが母猫の体にくっついています。そして満腹になると、幸福な気持ちのまま眠ってしまいます。飼い猫は大人になっても赤ちゃん気分が残っているため、おでこに何かが密着していると、安らぎを感じるのです。

文/桑原恵美子

参考資料/「猫からのおねがい 猫も人も幸せになれる迎え方&暮らし」(東京猫医療センター院長 服部 幸・ Riepoyonn 著/ねこねっこ) 「猫好きが気になる50の疑問」(加藤由子著・サイエンス・アイ編集部編・ソフトバンク クリエイティブ刊)「ネコに遊んでもらう本」(博学こだわり倶楽部、河出書房新社)キャット・ウォッチング~ネコ好きのための動物行動学~」(デズモンド・モリス著・羽田節子訳/平凡社)「ねこほん 猫のほんねがわかる本」(今泉忠明著/ 西東社) 「猫脳がわかる!」(今泉忠明著、文藝春秋)

関連サイト
公益社団法人 大阪市獣医師会 子猫リレー事業

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