作品集ではユーモアあふれる〝見立て〟の意図を田中氏自身が解説
日用品を全く別のものに見立てるアート「MINIATURE LIFE」を、自身が運営するホームページ、Instagram、Twitter、Facebookで10年以上毎日発信し続けているミニチュア写真家・見立て作家の田中達也氏。
2019年11月、数ある作品群の中から、日本の伝統的な行事、風景、食、文化をテーマにした作品を厳選した「MINIATURE TRIP IN JAPAN」を上梓したところ、作品集としては異例の累計約2万部(2023年2月現在)を達成した。
そのヒットを受け、2月14日に第2弾となる『MINIATURE TRIP AROUND THE WORLD』を出版。本作では日本を飛び出して世界の風景、食、文化をテーマとした作品を90セレクトしている(撮り下ろしの新作含む)。
そして世界を6大州で区分けし、アジア→ヨーロッパ→アフリカ→オセアニア→南米→北米、ぐるりと世界1周するように、各国の風景などを表現した作品を掲載している。
作品だけでなく、表現した実際の風景、見立てに使用した日用品なども掲載。ユーモアあふれる〝見立て〟の意図を、田中氏自身が解説しているところにも注目だ。
世界を旅するミニチュア写真集『MINIATURE TRIP AROUND THE WORLD』より
(C)Tatsuya Tanaka ▲本書掲載作品より。
(韓国)広安大橋×チゲ鍋
「コリャーうつくSE/Gwangal l i Beach」
(C)Tatsuya Tanaka ▲本書掲載作品より。
(オーストラリア)シドニー・オペラハウス×タマネギ
「美しい建築が目にしみる/Sydney Onion House」
(C)Tatsuya Tanaka ▲本書掲載作品より。
(エジプト)ピラミッド×ウエハース
「ピラミッド建築は甘くない / Egyptian Sugar High」
『MINIATURE TRIP AROUND THE WORLD』
『MINIATURE TRIP AROUND THE WORLD』
著/田中達也
定価2,200 円(税込)
判型:B20取・128ページ
ISBN 978-4-09-682421-4
発売日:2023年2月14日(火)
田中達也氏 コメント
インターネットで毎日作品を発表するようになって10年以上、さまざまな国の人が作品を見に来てくれるようになりました。私の作品のテーマが「見立て」なので、老若男女国籍問わず、誰にでもわかるモチーフを探すというのが大切。
そういうこともあり、海外へ出張した際に注目するのが、その国独特の文化より、どの国にでも共通する文化です。
例えば「トイレットペーパーやトイレの便器の形はどの国も同じような形だな」、「マンホールはどの国でも丸いな」、「マクドナルドのポテトはどの国でも同じ味だな」などなど。
「見立て」を通じて、国は違えど同じ暮らしをしている人間だと知ることで、思いやることができ、結果的に世界平和につながると考えるようになりました。「結局は小さな世界なんだ」とIt’s a Small Worldの英語の歌詞にありますが、まさにその通りです。
本書の小さな世界を旅することで、現実の世界も近い存在に感じてもらえると思います。読了後はぜひ本当の海外旅行へ。世界は小さいので、どこへでも行けるはずです。
田中達也氏 プロフィール
1981年熊本生まれ。2011年、ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」を開始。以後毎日作品をインターネット上で発表し続けている。
国内外で開催中の展覧会、「MINIATURE LIFE展 田中達也見立ての世界」の来場者数が累計200万人を突破(2022年9月現在)。2020年ドバイ国際博覧会 日本館展示クリエーターとして参画。Instagramのフォロワーは360万人を超える(2023年1月現在)。著書に『MINIATURE LIFE』、『Small Wonders』、『MINIATURE TRIP IN JAPAN』、絵本『くみたて』『おすしが ふくを かいにきた』など。
関連情報:https://www.shogakukan.co.jp/books/09682421
構成/Ara