飲食店でよく見かける明朗会計という言葉を、ぼんやりとしか理解していない人も多いのではないでしょうか。正確な意味を知ることで、知識として今後の生活に生かせるでしょう。明朗会計の意味や使い方、類義語・対義語について解説します。
明朗会計とは
明朗会計とうたっている飲食店なら、金銭面で安心して利用できます。まずは明朗会計の意味を理解し、間違いやすい明瞭会計との違いも押さえておきましょう。
不正のない勘定のこと
明朗会計とは不正やごまかしがない勘定のことです。一般的に明朗会計をうたっている飲食店では、食事ごとの料金にあいまいな部分がなく、金額をはっきりと提示しています。
明朗会計を強調している業界は飲食店だけではありません。葬儀業界や引っ越し業界をはじめ、さまざまな業界で多くの事業者が明朗会計をPRしています。
現代はお店の評判がSNSであっという間に広がる時代です。悪評の拡散を防ぎ、クリーンなイメージを前面に打ち出すことで、集客につなげようとする企業が増えています。
「明瞭会計」は間違い
明朗会計と間違いやすい言葉に明瞭会計があります。明朗(めいろう)と明瞭(めいりょう)で読み方が似ているため、明瞭会計が正しいと思っている人もいるようです。
しかし、明瞭会計という言葉は存在しません。不正やごまかしがない会計という意味を四字熟語で表す場合、使える言葉は明朗会計のみです。
そもそも明朗と明瞭は言葉の意味も違います。明朗がうそやごまかしがないという意味なのに対し、明瞭は明らかではっきりしているという意味です。
明朗会計の英語表記
明朗会計を英語で表現すると「clear accounting」となります。clearは「はっきりとしている・透明な」、accountingは「会計・勘定」という意味の英語です。
clear accounting以外に、「cheerful accounting」「honest accounting」「transparent billing practices」という英語表現もあります。
cheerfulは「明朗な」、honestは「誠実な」という意味であり、accountingと組み合わせて明朗会計の意味になります。transparent billing practicesは、直訳すると「透明性のある請求方法」という意味です。
明朗会計は文章でどう用いる?
明朗会計はお店での勘定以外にも使うことがあります。具体的な使い方は例文でチェックしましょう。
明朗会計の使い方
明朗会計がよく使われるのは、食事やサービスの料金を提示するときです。消費者に安心して利用してもらうためのうたい文句として使われます。ただし、チャージ料などのサービス料が発生する場合に例外となることもあるので注意が必要です。
個人的な金銭のやりとりやビジネスでも、明朗会計を使うことがあります。お互いに金額をはっきりさせた上でお金をやりとりしようという意味で用いられるのです。
このように、お金のやりとりが発生するシーンなら、どのようなケースでも明朗会計を違和感なく使えます。
明朗会計の例文
明朗会計の使い方を覚えるなら、例文を確認するのがおすすめです。明朗会計を用いた例文を紹介します。
- 当店は明朗会計を心がけていますので、料金に関してご不明な点がある場合はお気軽にお問い合わせください
- 取引先を接待する際は明朗会計のお店を利用することが、自社のルールになっている
- 見積り金額は約100万円だったが、最終的に200万円近く請求された。今後葬儀社を利用するときには、明朗会計をうたう業者を選ぼうと決めた
- 親しい友人と食事をする場合も、それぞれの支払い分は適当に決めず明朗会計にすべきだ
明朗会計の類義語・対義語
言葉の類義語や対義語を理解しておくと、表現の幅を広げられます。明朗会計の類義語・対義語を覚えておきましょう。
言い換え表現は「明確な料金体系」
明朗会計は「明確な料金体系」や「不正のない会計」などと言い換えられます。明確な料金体系や不正のない会計と表現すれば、明朗会計の意味が分からない人にも端的に説明できます。
明朗は「明るくて朗らか」「内容をはっきり示し、うそやこまかしがない」という意味です。なお、明朗の類義語には、陽気・快活・元気・明るい・朗らか・屈託のないなどが挙げられます。
類義語として適切な言葉はなく、意味を正確に捉えた表現に置き換えるしかありません。不明瞭やはっきりしないなどの表現が適切でしょう。
対義語は「ぼったくり」
明朗会計の対義語として最も適切なのは「ぼったくり」です。ぼったくりとは、お店側が客に対して法外な料金を不当に請求することを指します。
ぼったくりの語源は「暴利」です。暴利が「ぼる」になり、「手繰る(手元に引き寄せる)」と組み合わさってぼったくりになったとされています。
ぼったくり飲食店でよく見られるのが、一般的に無料や安価で提供されるものに高額料金を設定するケースです。水・おしぼり・お通しに法外な料金を設定する飲食店が存在します。
ぼったくりに遭った場合、代金を支払う必要はありません。しかし、支払いを強要されてトラブルに発展する恐れがあるため、明朗会計かどうか事前に確認することが重要です。
構成/編集部