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日銀総裁に植田和男氏を起用したことから想定される政策運営と市場への影響

2023.02.17

日銀の次期総裁人事は長らく関心の的だったが、2月10日、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を固めたと、複数のメディアが報じた。さらに14日には、政府が植田氏を新たな日銀総裁に起用する人事案を国会に提示した。

では植田氏が日銀総裁となることで、政策運営と市場にはどのような影響が考えられるのだろうか?

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「日銀総裁に植田氏起用へ~注目される政策運営と市場への影響」と題したレポートを発表した。レポートの概要は以下のとおり。

植田氏起用はサプライズ、学者で黒田体制以前の元審議委員という人選は岸田首相の独自色

政府は次期日銀総裁に、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を固めたと、複数のメディアが2月10日に報じた。また、次期副総裁には氷見野良三前金融庁長官、内田真一日銀理事を起用する方針の模様だ。以下、今回の人事案の受け止めと、候補者3名の経歴(図表)から推測される政策運営スタンスを整理し、市場への影響について考える。

日銀総裁はこれまで、日銀出身者と財務省(旧大蔵省)出身者でほぼ占められてきたため、植田氏の起用はサプライズとなった。植田氏が就任すれば、戦後初の学者出身の日銀総裁となる。

また、植田氏は1998年4月から2005年4月までの7年間、速水優元総裁や福井俊彦元総裁のもとで審議委員を務めた。学者かつ黒田東彦総裁の在任期間以前の元審議委員という人選は、岸田文雄首相の独自色がうかがえる。

植田氏の理論を基に内田氏が政策立案、氷見野氏が金融システムへの影響を分析する体制か

副総裁候補の氷見野氏は大蔵省出身で、バーゼル銀行監督委員会や金融安定理事会で要職を務めるなど、国際金融規制に精通しており、海外との豊富な人脈をもつ一方、国内金融機関の監督経験も有する。内田氏は日銀生え抜きで、金融政策を企画・立案する企画畑を長く歩んできた。マイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC)を導入する際の実務を取り仕切り、異次元緩和の政策運営に精通している。

日銀の正副総裁は、長らく「日銀」、「財務省」、「学者」という3つの枠の出身者から選出されてきたが、今回もこの3枠は維持された。政府は、この先、金融緩和を継続するにせよ、一部の緩和策の歪みや不具合を正すにせよ、植田氏の学術理論に基づいて内田氏が具体的な政策を立案し、氷見野氏が金融機関や金融システムへの影響を分析するという体制の構築を、念頭に置いたのではないかと推測される。

陣容はバランスが良く、将来の政策調整時も論理的判断と明快な説明なら市場の混乱は回避へ

経験豊富なスペシャリスト3名を起用したことで、政策運営は緩和継続も、緩和修正も、さらには将来的な引き締めも、柔軟な対応が可能となり、タカ派やハト派に偏らない、バランスのとれた陣容という印象だ。また、黒田体制の政策参謀とされる内田氏を起用したことで、岸田首相は自民党最大派閥である安倍派の意向を踏まえるなど、政治的な配慮も怠らなかったと判断される。

候補者3名の所信聴取と質疑は、2月24日の衆参両院の議院運営委員会にて行われる見通しだが、おそらく無難な内容となり、金融政策が市場に与える影響は、結局、新体制発足後の政策運営次第とみている。

新体制は、基本的に緩和路線を継続し、まずは政策の歪みの修整を進める公算が大きいと思われる。その際、2月10日の植田氏の発言のように、判断が論理的で説明が分かりやすければ、市場の混乱は回避されると考える。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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