リモートワークの定着とメタバース、といったトレンドに乗って、オンラインの仮想的なオフィス(メタバースオフィス)が各社からリリースされている。2025年度には180億円の市場規模になるという予測もあり(矢野経済研究所)、今後もソリューションが提案されるだろう。
今回は冒険社プラコレの「ViKet Town」を紐解いていく。ユニークな設計のキーワードは「エンタメ」だ。
自律的なコミュニケーションがうまれる設計
メタバースオフィスは物理的には離れていても、隣の席にいるような感覚で仕事ができるのがメリット。そんななかでViKet Townは、上述のとおりトークンエコノミーと、それによるゲーム性が巧みに組み込まれている。自律的にコミュニケーションが行われるのが、強みだろう。
同社のViKet Townに投稿された日報を見せてもらったところ、かなり詳しくその日の出来事や内省が語られていて驚いた。そこに、同僚からのコメントも多数寄せられている。元々の組織風土はあるだろうが、活発なコミュニケーションにはViKet Townの影響も小さくないという。
仲間をさり気なくフォローしたり、間に入って潤滑油になるような人は、組織への貢献度は高くても、リアルでは評価されづらいもの。しかし、ここではコミュニティへの参加がvikeという定量的な指標で表される。見えなかったものが見えるようになり、多様な個性が評価されるようになれば、働く人のモチベーションも上がるはずだ。
現実の代替えとしての仮想空間だけでなく、テクノロジーのメリットを生かした総合的な設計が、ユーザーの体験を左右する。今後さまざまなメタバースオフィスの付加価値をチェックするよい視点となる。
取材・文/ソルバ!
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