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世界三大珍獣の「オカピ」に会える!横浜市立金沢動物園の魅力を100%満喫する方法

2023.02.17

はじめまして、動物園・水族館・植物園を専門に取材している動物園写真家・動物園ライターの阪田真一が、動物園・水族館に住まう生きものたちの見所や魅力を始め施設の取り組みやそれに関わる人達の活躍を紹介。

今回は横浜市の南に位置する「金沢自然公園」内の「植物区エリア」と「金沢動物園」を紹介しよう。

そもそも、金沢と聞いて石川県の金沢市を思い浮かべる人も少なくないだろうが、ここは関東エリア。

最寄り駅は京浜急行「金沢文庫駅」からバスで10分ほど。土日祝日には動物園入り口近くまで運んでくれる急行「金沢動物園行」が運行されている。

最寄り駅の「金沢文庫駅」という名前を初めて見たときには小説家がたくさん住んでいそうな町の名前だなと思った。

調べて見るとここは鎌倉時代中期に北条実時が武家の文庫、今で言うライブラリーが建てられた場所であり日本最古の文庫としても知られる場所なのだそうだ。その所蔵品はいま「神奈川県立金沢文庫」という名称の博物館に保管展示されている。

小高い場所にある「金沢動物園」ゲート前の道路からは金沢文庫の町が見渡せる。遠くに見える海のそばには、横浜の水族館「横浜・八景島シーパラダイス」が、晴れていればその向こう東京湾の果てに房総半島まで見渡せるのだとか。

日常と動物世界を繋ぐトンネル

金沢動物園は入り口がとても特徴的。

入場チケット売り場の横には「なかよしトンネル」という園内への入り口がある。おとぎの国に迎え入れてくれるかのような展示が入園者を迎えてくれる。子供からすればこのトンネルに足を踏み入れるだけでも心躍るだろう。大人であっても、このトンネルをくぐることで日常生活とは違う世界に訪れるという高揚感がうまれるだろう。

日常と繋ぐトンネルを抜け、多くの木々に囲まれた「金沢動物園」という動物の国に足を踏み入れることになる。まわりを山に囲まれていることと標高が高い同園は日常の騒がしさから逃れられる自然テーマパークのようである。

園内に入り左の方へすすむと開けた芝生の広場が広がる。ここでは遠足に訪れた子供達がお弁当を広げたり、繁忙期にはキッチンカーなどが並んだり、とてもにぎわうエリアとなっている。

取材したこの日は夜間開園日であった。動物達の展示場や来園者の足下を照らす明かりが幻想的に配置されていた。街の明かりが届かないこの場所で星空も楽しみながら動物達の声に耳を傾けるという過ごし方も悪くない。

アフリカ区

園内に入って右にすすむとそこは「アフリカ区」である。ここにはモモイロペリカン、クロサイ、キリンと並ぶ先に、2022年ワールドカップ開催国カタールの国獣「アラビアオリックス」と世界三大珍獣「オカピ」の展示エリアが並んでいる。

「アラビアオリックス」は、横から見るとスーっと伸びた二本の角が重なって1本見えることからカタールでは「アラビアのユニコーン」と称される。

その角の美しい1972年に野生の個体確認数が6頭にまで減少。同年その残された6頭の野生個体も途絶えてしまったということが「ナショナル・ジオグラフィック」の記事として取り上げられている。

その後2011年6月16日に発表した絶滅危惧種のレッドリストでは、生息地の一部では1000頭にまで個体数が回復したとされている。これは「保護団体」「各国政府」「動物園」が連携して種の保全に取り組んだ結果なのだろう。

そんな数奇な運命をたどった生き物とこの金沢動物園で会うことができることに感動すら覚える。

動物園で目の前で動いている動物の歴史を知ることも、楽しみ方の一つだろう。

「アラビアオリックス」を通り過ぎると、森の貴婦人という呼び名のある「オカピ」がゆったり過ごしている。

「オカピ」にも小さく地中からひょっこり顔を出したタケノコの先に似た角がある。また、その立ち姿や後ろ半身のシマ模様が美しい。 ちなみに角は雄にだけ生えるのだとか。

ただ、シュッとした立ち姿は美しいのだけど、初めて見ると驚く光景に出くわすことがある。

それは「オカピ」の舌の長さである。人間の手のように器用に顔だけでなく体中をその舌先で身だしなみを整えるのである。しかし「レロレロ~」と舌が伸びている様子は妖怪絵巻に出てくる妖怪の姿が頭をよぎる。

是非「金沢動物園」で、「オカピ」の妖艶さに魅了されてほしい。

オセアニア区

「オカピ」展示場から右の方へ坂を上って行くとそこは「オセアニア区」オオカンガルーやパルマワラビーなどオーストラリア近郊の生き物たちが展示されている。

オーストラリアと言えば、やっぱりコアラだろう。ユーカリの木の幹にしがみついている姿や、寝ている姿が愛らしい。

たまに見せる休日のお父さんを連想させる、だら~とした座り姿などが親近感を感じるポイントだろう。

コアラの餌となるユーカリはどこの園も園内で栽培しているほか、契約農家さんから仕入れをしていることが大半である。600~800種類あるユーカリのなかでもコアラたちが食すことのできるユーカリは数十種類なのだそうだ。その少ない種類の中でも個体によって好みが分かれるというのだからコアラの偏食であってグルメなところには驚かされる。

口にするものはほぼユーカリだけなので生息域に適応した生き物を別の地域で飼育することは食事の面だけ見ても大変だ。

コアラ舎の横に隣接するオセアニア休憩所に隣接して「アオバネワライカワセミ」の展示がある。休憩所にはいると目の前に広がる大きなガラス窓から明るい光が注ぐ。その光の向こうには「アオバネワライカワセミ」の暮らしを見ることができる。

ゆっくり休憩がてら窓の外に目をやると、青く美しい羽の彼らが止まり木にたたずむ姿に見とれてしまう。

さらにワライカワセミの名のごとくタイミングが良ければ彼らの笑い声を聞くことができるかもしれない。初めてその鳴き声を耳にするとこんなにも笑い声なのかと、コチラまで笑ってしまう。

ユーラシア区

一旦「オセアニア区」から「アフリカ区」へ戻り、先ほど出会った「オカピ」の姿を左手に確認しながらまっすぐ進むと、「ユーラシア区」に続く坂道が森の方へ続いている。夏は標高も高く木々の覆われているおかげでとても心地よい風が吹く。

道中様々な動物の事を教えてくれる手作り看板があちらこちらに掲示されており、ちょっと退屈な坂道も飽きることなく進んでいける。「金沢動物園」は驚くほど道という道に動物達のことを伝える掲示が張り出されており、飼育員さんやスタッフの方達の来園者に対する動物達をもっと知ってほしいという「おもてなし」にあふれている。

道中の掲示を楽しんでいると動物達の展示エリアにたどり着く。タンチョウ、ホンシュウジカ、シロテテナガザル、スーチョワンバーラルなどが顔を出す。進む先には牙の大きな「インドゾウ」の「ボン(雄)」と「ヨーコ(雌)」の仲の良い2頭が来園者を迎えてくれる。ここは園内で一番高い場所に位置する。

この日は水浴びをしているところに出くわした。「ボン」は体中に水を浴びて豪快な水しぶきを辺りに飛び散らせていた。ヨーコというと直接ホースからの水を受けて飲んでいた。水を飲むときの動作で多くみられるのは鼻に一旦水をコップのように受けてから、口に鼻先を持って行き飲む姿である。なんだか水道の蛇口から直接飲んでいるようでなんとも飾らない感じが愛らしい。

仲睦まじい「インドゾウ」たちの横の展示場には、日本ではこの金沢動物園でしか会うことの出来ない「ベアードバク」が木の葉をムシャムシャ食べていた。個人的にはこの珍妙な顔がとても魅力的に感じるのだ。この鼻先、口元を観察しているとその動きが不思議で食事をしているときや、アクビをしている姿さえ魅力的に感じてしまう。

まん丸な耳をしているのは、もともと金沢動物園で暮らしていた「アグア(雄)」活発でこの取材の日も、寝ていたかと思うといつの間にか起き出して木の葉をムシャムシャ。口を開けて喜んでいるのか楽しそうな表情を時折見せた。

金沢動物園に、雄のベアードバク「ファビオ」が来園したときのことを同園が運営しているオフィシャルブログに投稿を見つけた。「2021年11月1日 ベアードバクがやってきた!」ここには、ベアードバクが来園する際に行われたことや携わった人たち、来園時の様子、来園後のベアードバクの様子などが記されている。

担当飼育員のベアードバクに対する想いも感じられるのだ。この想いに触れてから同園を訪れると、その動物に愛着がわくのではないだろうか。

ほのぼの広場

ベアードバクに別れを告げ、横にいるマーラに挨拶をし、坂道を下り始めると「ほのぼの広場」が目の前に開ける。ここには一般的に家畜と言われる動物達が暮らしている。

皆さんはこれまで紹介してきた動物達と、家畜の違いを知っているだろうか。

「家畜」とは、人の生活に役立つよう野生動物を馴らし育てて繁殖を繰り返し、品種改良を行った動物達のことを指す。いわば昔から人と共に暮らし私たちの生活の支えとなってきたパートナーのような生き物である。

多くの動物園で、ふれあいや餌やり体験のできるコーナーには「家畜」が多いのは人と共に生きてきた生き物だからこそ馴染みがあり、親しみの深い生き物だからではないだろうか。

動物園写真家である私であるが、実は被写体としてのヤギやヒツジが好きでよく撮影をする。

その魅力はなんと言っても表情豊かであることだ。また、なんとなくとぼけたような見た目に穏やかさを感じる。

金沢動物園には4頭のヤギが暮らしている。白黒模様の「ポッキ」赤茶毛の「モチ」カフェオレ色に白の「オハギ」真っ白な「メメ」それぞれ個性のある角や身体の模様、鼻の大きさや形、目つき・・・などさまざまである。その違いを間違い探しのように探して彼らの個性を観察して見るのも良いだろう。

金沢動物園の取材には、8月と11月に訪れた。その際ヒツジたちは5頭。

コチラもやはり個性ある面々である。今回この記事を仕上げている最中に訃報が届いた。

ポポという個体がなくなったとのこと。園の公式Twitterでその知らせを知った。

元担当飼育員が「金沢動物園」に移動してきてから亡くなる直前までのポポと過ごした時間について書かれた公式ブログの記事があった。飼育員さんはただただ動物達の身の回りの世話をしているだけというのではなく、その生き物その個体の一生に寄り添い、常にその個体を気にかけていることが分かる投稿であった。自然界で暮らす生き物たちの多くは誰かに気にかけてもらうという生き方はないのかもしれない。そのことだけでも動物園で暮らす生き物は、飼育員を始め多くの来園者に気にかけてもらえるということは、幸せなことなのではないだろうか。ぜひ投稿も併せて読んでみてほしい。

続・ヒツジのポポが亡くなりました

身近ないきもの館

金沢動物園では地域の自然に棲む生き物のことを学べる場を提供している。それが「身近ないきもの館」である。

ここには、アオダイショウやアカネズミを始め、カブトムシやミヤマクワガタなどが展示されている。

夏休み期間には、地元の小学生たちが自由研究の為に足を運んでくるのだとか。

しかし金沢動物園の教育に関する取り組みは他にもあり、園内の至る所に動物達だけではなく園内に自生している植物たちと虫との関わりなどを知ってほしいというイベントなども季節毎に開催している。

ここで紹介するのは「トウキョウダルマガエル」と「ミヤコタナゴ」である。

「トウキョウダルマガエル」は東京都の絶滅危惧種またはそれに準ずる種に指定されているそうだ。

主に田んぼで生息しており1年を通じて水辺で暮らす。全国でも数を減らしており保全対策の対象となっていると言うことだ。

「ミヤコタナゴ」は関東平野の一部に集中的に生息しており、日本の固有種である。湧き水を水源とした綺麗な水で生息している。近年の河川改修や生息域の荒廃、外来種による食害などによって数が激減しており国の天然記念物に指定されている。

教室で写真や文字だけでそれらの危機的状況を知らされるより、実際に生きている姿を目の前にしてその状況の深刻さを知ることこそ動物園に足を運んで学ぶ醍醐味であろう。

お土産とランチは「ののはなギフトショップ」と「ののはなカフェ」で

園内を歩き回って堪能し帰る前に立ち寄ってもらいたい場所がある。

ここは「金沢動物園」の園外になるのだが「金沢自然公園」内の施設として「ののはなギフトショップ」でのお土産販売や、「ののはなカフェ」での飲食が楽しめる。

特に目をひくのは「金沢コレクションシリーズ」のぬいぐるみであろう。これらは金沢動物園オリジナルなのでここ「ののはなギフトショップ」でしか買うことができない。一つは連れて帰りたい可愛らしさである。中でも「インドゾウのボン」のぬいぐるみは人気だ。

お土産売り場の奥に進むとレストランの「ののはなカフェ」が営業している。

やはり動物園の食事の定番である。「カレーライス」「麺類」は種類も豊富である。

ここでは地産地消に力を入れており地域の食材を使ったメニューが楽しめる「金沢動物園」を訪れた際は「ののはなカフェ」も覗いてみてほしい。

「金沢動物園」を堪能し「ののはなカフェ」でお茶をして、夕暮れ時に「ののはな館」をでると、目の前には日が暮れていく「金沢文庫」の街並とその先にある八景島の夜景が広がる。夜景を横目にはしゃぎ疲れた子供達と楽しかったこの日の余韻に浸りながら帰り道。そんな思い出を作りに行きませんか。

【取材協力】
・横浜市立金沢動物園(HP
〒236-0042 横浜市金沢区釜利谷東5-15-1
TEL:045-783-9100
Twitter/YouTube/Facebook

【写真/記事】
・動物園写真家 / 動物園ライター 阪田真一(HP)/Twitter/note

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