マルチルームと電動ベッドのラグジュアリーモデル
東和モータース「スペランツァ 540M」
979万円〜/1187万6480円
6人乗車/2人(OP+2人)就寝
ポータブルトイレを置ける80×90cmのマルチルームを真ん中に備えたモデル。マルチルームがあるので圧迫感があるかと思いきや、デュカトの空間と、運転席と助手席を回転させて2列目シートと対面させるシステムのためゆったり過ごせる。
テーブルとキッチンの天板はスライドして広く使えるのが便利。マルチルームの前方はリビング&キッチンで、ベッド展開がないのも潔い。
後部にもゆったりとしたリビングがあり、夜はこちらをベッドにする。オプションとして電動で昇降するベッドを用意。家族利用も可能だ。
細部までこだわった心地よい空間
デルタリンク「サードスペース ブレス54DD」
1306万8000円〜
8人乗車/4人就寝
非日常が楽しい、心地いい第三の空間をコンセプトに製作。サイドオーニングやソーラーパネルのオプションも用意されており、車内はもちろんクルマの外でも楽しく過ごせる。
運転席、助手席は回転シートでリビングの一部になるため広々。
天板は美しいウッド、家庭用エアコンも木製パネルでカバーしておりエレガントながらほっと一息つけるインテリアとなっている。
蛇口はシルバーではなくブラックで、スパイスホルダーのアイアンとともに空間を引き締める効果あり。
後部は常設ベッドで吊り戸棚付き。
デュカトを使った国産キャンピングカーが大量デビューとなった2023年。いずれも1000万円前後とハイエースベースのラグジュアリーなバンコンよりも200万円以上高額となるが、ゆとりのサイズを最大限に利用しておりバンコンの窮屈さを解消している。
一方、そのサイズゆえに日本の狭い山道と駐車場探しに不安を感じるのも事実。漠然とデュカトのバンコン=ハイエースがライバルと考えがちだが、サイズや装備、価格を考慮するとライバルはキャブコンと言えそう。
キャンピングカーユーザーは軽バンからバンコン、キャブコンへとより大きな車両に乗り換える人が多い。ハイエースベースのバンコンからキャブコンへ、それともデュカトベースへ?
乗り心地の良さと充実の安全装備、スタイリッシュなデザインがアドバンテージとなるデュカトがどこまでシェアを伸ばすのか、今後も注目したい。
取材・文/大森弘恵