寒い時期に欠かせないカイロ。「早く温めたい!」と思って、強くカイロを振る人も多いはず。でも、カイロを振ることで本当に早く温まるのでしょうか?
カイロが温まる仕組み
鉄を濡れたまま放置するとサビが出ます。これは鉄が酸化しているということで、鉄が空気中の酸素と反応して酸化鉄(水酸化第二鉄)になるという化学反応です。
Fe(鉄)+3/4O₂(酸素)+3/2H₂O(水)→Fe(OH)₃+96kcal/mol(水酸化第二鉄)
この化学反応が起きる時に出る熱を有効利用したものが使い捨てカイロです。
カイロの中身とその成分はどのような役割がある?
カイロの中に入っているのは主に以下の4種類です。
鉄粉
酸化反応になくてはならないもの。カイロの原料の半分以上は鉄粉(純鉄)です。
水
鉄粉がサビる速度を早めます。
バーミキュライト
日本名は「ヒル石」という雲母系の原鉱石から作られた人工用土です。カイロにはかなりの水が含まれているのに、中の砂がサラサラしているのは、バーミキュライトの表面の小さな穴に水分を取り込んで、保水剤の役目をしているからです。
活性炭
表面の微孔に空気を取り込み、酸素の供給を促します。
カイロ本体の素材にも仕組みが
カイロが温まるのには、中身の成分だけではなく、本体の素材にも仕組みがあります。
カイロ本体
貼らないタイプのカイロは空気を通さない不織布を使用。そのままだと空気が入らないので微孔が空いています。貼るタイプのカイロは、空気の透過量をコントロールする特殊な不織布が使用されています。
外袋
カイロは空気に触れると発熱を開始し、最後には使用できなくなります。使用する前はこのような状態にならないよう、空気の侵入を防ぐために遮断できる特殊なフィルムを採用。このフィルムはカイロ専用の設計になっています。