小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

2023年に入ってからエマージング債券の投資機会が増えている理由

2023.02.08

エマージング債券とは、中国や東南アジア、インド、中南米など新興国の政府、公共機関、民間企業が発行する債券のこと。

このエマージング債券についてこのほど、英国の独立系資産運用グループ・シュローダーが「2023年の見通し」を発表した。概要は以下のとおり。

2022年はエマージング債券への警戒感が続いたが、魅力的な投資機会が増えてきたことは事実

エマージング市場は、世界経済成長の鈍化、地政学的な混乱、持続的なインフレ圧力、世界的な金融引き締めを特徴とする非常に厳しい環境に直面してきた。

このようなグローバル市場環境の厳しさから、2022年はエマージング資産に対して慎重なスタンスを取る必要があった。しかし、エマージング市場の下落の大きさやエマージング国の金融引き締めサイクルの終了が見えてきていることを考慮すると、現在、魅力的な投資機会が現れていると考えている。

あらゆるタイプのエマージング債券ファンドが、前例のない資金流出を経験した。これは、多くのエマージング国において金融引き締めが進むなかで債券価格が調整した時期と重なる。現在、エマージング債券市場は、これまでの世界的な混乱をおおむね織り込んだ水準にあると考える。

ここ数年の世界的な混乱は、マクロ経済的ファンダメンタルズが堅固なエマージング国であっても影響を回避することはできず、下落に見舞われる結果となった。

パンデミック時に大規模なマネーサプライが蓄積されたことを考えると、インフレは持続的になると見ているものの、2023年には世界のインフレ圧力が一時的に緩和されると予想している。理由としては、足元の世界的な需要減少、CPIにおけるベース効果(前年のインフレ率が上昇したことにより、前年比インフレ率算出時に、比較対象の基準値が高めとなることで変化率に対して下押しの影響が出ること)、エネルギー価格の調整、世界的なサプライチェーンの混乱の大幅な緩和が挙げられる。

米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが米国経済へと影響を及ぼし始め、商業銀行貸出の伸びがピークに達し、クレジット・インパルス(国内総生産(GDP)に対する新規貸し出しの伸び)もパンデミック後の急増の時期が過ぎ、トレンドが変化しているとみられる。

エマージング債券チームのインフレ・モデルによると、すでにインフレ率が顕著に低下している国が増加しており、特に実質金利が高く、中央銀行による利上げサイクルが終盤に差し掛かっているエマージング国では、市場がインフレ低下を好感視する動きが期待される。

図表1:主要国のインフレ・サイクル

新型コロナウイルス感染拡大や政治的緊張の再燃により、エマージング国のクレジット・リスクは若干悪化したものの、メキシコ、ブラジル、インドネシア、南アフリカといった主要エマージング国は、堅固な国際収支、管理可能な水準の資金需要、割安な実質実効為替レート、規律だった金融政策の枠組み等により、マクロ経済的ファンダメンタルズは堅調だ。

この資産クラスはまた、2023年は中国経済の本格的な活動再開に伴う中国の循環的な好転の見通しにも支えられると見込まれる。このような見通しの改善は、エマージング経済成長見通しが数年ぶりに先進国対比で優位となっていることからも見て取れる。

図表2:12か月後の成長見通し(エマージング対米国)

このようなエマージング経済成長見通しの相対的な改善は、まだエマージング資産の評価に反映されておらず、歴史的な低水準で取引されている。特にエマージング・ハイイールド債券にこの傾向が見られ、このサブセクターのバリュエーションは過去の危機時にのみ見られたような水準にまだ位置している。

図表3:エマージング・ハイイールド債のバリュエーション推移

信頼できる政策的枠組みを有し、マクロ・ファンダメンタルズが強固な国の現地通貨建ておよび米ドル建てエマージング債券は、高水準の利回りによって魅力的なリターンを提供すると予想する。これまでエマージング債券に対して警戒してきた投資家も目を向けるべきタイミングだと考える。

<解説>
アブダラ・ゲゾール氏(エマージング債券運用統括責任者)

【本資料に関するご留意事項】
本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネジメント(以下、「弊社」といいます。)が作成した資料であり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。

出典元:シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

構成/こじへい

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。