サブディスプレイの使い勝手は抜群! では大画面メインディスプレイは?
ここまでサブディスプレイ中心に握り心地について紹介してきました。というのも、Galaxy Z Fold4を実際に使っていて強く感じるのは、折りたたんだ状態で使用する頻度が想像以上に多いという点。先にも触れた通り、サブディスプレイは一般的なスレート型ディスプレイに近いデザインになっており、握り心地も良いので、SNSやWeb検索といった作業程度であれば、わざわざディスプレイを開く必要性を感じないというのが正直な感想です。
では、メインディスプレイの大画面はどのように使用しているかというと、筆者の場合はアプリの分割表示時が主となっています。Androidスマートフォンの中には、アプリを上下に分割して表示する機能が搭載されている機種もありますが、約7.6インチの大画面であれば、それぞれのアプリの表示領域をしっかりと確保できるのは便利。動画視聴をしながら、SNSやWeb検索をするといった使い方ができるのは、大きなアドバンテージに感じています。
もう1つ使用頻度の高い使い方が、フレックスモードと呼ばれる、折りたたむ角度を自由な位置に調節して使用する方法。特に動画視聴時には、スタンドを用いなくてもディスプレイを見やすい角度に固定できるので、場所を選ばないのがうれしいポイント。筆者の場合は、フルサイズで動画を視聴するよりも、角度をつけて動画を見る機会が多くなっています。
Android 13へのアップデートで使い勝手は向上したものの……
初期搭載OSはAndroid 12Lで、大画面ディスプレイを搭載したタブレット、フォルダブルスマートフォンに適したOSとなっており、通知パネルが2列に表示されるなど、UIの最適化が図られています。
また、最新バージョンとなるAndroid 13にアップデートが可能。Android 13では、アプリの起動中でも下部にタスクバーが表示できるなど、より折りたたみスマートフォンで使いやすいデザインになっています。2023年には、グーグルの純正タブレットが発売予定となっているように、ソフトウエア面は今後さらに洗練されていくと考えられるため、使い勝手は向上していくでしょう。
一方、気になるのはアプリの最適化の部分。Galaxyの純正アプリや、Gmail、Googleカレンダーといったグーグル系アプリの多くは大画面表示に対応していますが、それ以外のアプリは、必要以上に大きく表示されたり、画面の比率が使いにくいといったシーンもまだ多く見られます。
Googleカレンダーアプリは大画面に合わせたUIになっている
Twitterアプリはただ横幅が広くなるだけなので、あまり使い勝手は良くない印象
特にアプリゲームをプレイする場合は、画面の端が切れていたり、逆に端にブランクが表示されたりと、まだ折りたたみスマートフォン向けにデザインされていないものが多くあるので注意が必要。折りたたみスマートフォンは、タブレットとも違うアスペクト比になっていることがほとんどなので、こういったアプリの最適化には時間がかかる可能性も考えられます。
「質量」と「アプリの最適化」を許せれば大画面の恩恵はでかい
紹介してきた通り、折りたたみスマートフォンには、片手での操作は難しい重さや、独特なアスペクト比に対するアプリの最適化といった課題もまだまだ残っている状態というのが、Galaxy Z Fold4を実際に使用している正直な感想。
とはいえ、近年はスマートフォンの大画面化が進み、そもそも両手で使うことが多いという人や、アプリゲームなどはあまりプレイせず、動画視聴やSNS、Web検索がメインといった人にとっては、2つ以上のアプリを大きく表示できる大画面、フレックスモードで自由な角度に調節できる折りたたみ機構は有意義に感じるシーンも多いはずです。また、サブディスプレイの使い勝手も良くなっており、一般的なスマートフォンとそん色ない使い方ができるように進化してきているのも重要なポイントでしょう。
なにより、折りたたみスマートフォンという新しい形のスマートフォンを使うワクワク感を味わいたいという人には、十分おすすめできる完成度。部分的に気になるところはあるものの、普段使いにおいて極端に不便に感じるシーンはほぼありません。
執筆時点では、ドコモオンラインショップでの販売価格が24万9700円、auオンラインショップでの販売価格が24万9960円と、販売価格も手を出しにくい要素といえますが、それぞれ返却プログラムを適用した場合は、実質負担額が14万8060円(ドコモ)、14万9040円(au)となるので、端末が手元に残らなくてもOKという人は、こちらを利用するのがおすすめです。
取材・文/佐藤文彦