スマートフォンといえば、〝スレート型〟と呼ばれる、前面にディスプレイを搭載した板状のデザインが一般的。iPhoneシリーズやPixelシリーズなど、ほとんどのスマートフォンがこのデザインを採用しています。
スマートフォンの歴史も10年を超え、洗練されてきたともいえますが、各製品のデザインが統一されてきており、目新しさがなくなってきたともいえます。そんなスマートフォンの現状に待ったをかけるのが、Galaxyやモトローラから発売されている「折りたたみスマートフォン」と呼ばれる製品群です。
折りたたみスマートフォンの代表的なシリーズといえば、サムスン電子の「Galaxy Z」シリーズが挙げられます。2022年には、第4世代となる「Galaxy Z Fold4」「Galaxy Z Flip4」が発売されており、ちまたでも徐々に目にする機会が増えていますが、執筆時点(2023年1月中旬)においても、〝デバイス好きのための製品〟という、ややマニアックなイメージを抱いている人もいるはずです。
折りたたみスマートフォンの普及には、低価格化や機種の拡充など、様々な課題がありますが、その中で「本当に使いやすいのか」と使用感が気になるという一面もあるでしょう。革新的なデバイスの宿命ともいえる課題ですが、スレート型スマートフォンにとって代わる使い心地に仕上がっているのかは、大きなポイントです。
そこで筆者は、「Galaxy Z Fold4」を購入し、メイン端末として1か月程使用し、使用感や操作性をがっつり試してみました。本記事では、実際に折りたたみスマートフォンはどの程度使えるのかにフォーカスを当てて、Galaxy Z Fold4のレビューをお届けしていきます。
折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold4」の携帯性、握り心地は?
Galaxy Z Fold4は、開いた状態(メインディスプレイ)が約7.6インチの大画面になる、横折り型の折りたたみスマートフォン。閉じた状態では外側にある約6.2インチのサブディスプレイが使用できます。
スレート型のiPhone 14 Pro(左)と折りたたみ型のGalaxy Z Fold4(右)
サブディスプレイにもスレート型に近いサイズのディスプレイが搭載されているため、握り心地、持ち心地が気になるポイント。個人的な感想としては、「持ちやすいけど重い」です。
「持ちやすい」の部分で特徴的なのが、折りたたんだ際の横幅。折りたたみスマートフォンは、折りたたんだ際にディスプレイが2枚重なるようなデザイン(サブディスプレイを合わせると3枚)になるため、厚みが出るのはある程度仕方のないことですが、幅をうまく調節することで、比較的握りやすい印象を受けています。
Galaxy Z Fold4の横幅は約67mm(折りたたみ時)となっており、一般的なスマートフォンと比較すると細身のデザイン。スリムボディが特徴の「Xperia 1 IV(約6.5インチディスプレイ搭載)」でも、横幅は約71mmであることからも、Galaxy Z Fold4がかなり縦に長いことがわかります。
折りたたんだ際の厚みは約14.2mm~15.8mmと、分厚いデザインであることは間違いありませんが、横幅がスリムなおかげで、数字以上に握り心地はフィットします。縦に長い分、ディスプレイの上部にタッチする際には片手での操作が難しくなりますが、比較的手の小さい筆者でも、しっかりと持つことができています。
一方、気になるのはやはり重さの部分。Galaxy Z Fold4の質量は約263gとなっています。折りたたみ式の大画面ディスプレイを搭載しているという性質上、質量が増えるのは当然のことで、サイズを考えると質量は抑えられているといえますが、それでもスマートフォンとしては重く、長時間片手で操作するといった使い方には向きません。