節約を通じ、億を超える貯蓄を作った人や事業を成功させた人もいれば、節約をすればするほど、ますます生活が苦しくなる人もいます。
「節約をすれば誰でもお金が貯まる」と考える人も多いのですが、効果的な節約と、非効率な節約ではその後の生活にも大きな差が出るのです。
ここでは、「節約でお金持ちになる人と貧乏になる人の差」をまとめて紹介しますので、あてはまるところがないか確認してみてください。
節約でお金持ちになる人、貧乏になる人
節約をすることでお金持ちになる人には、以下のような特徴があります。
1) 収入を上げることを考える
節約をしてお金持ちになる人は、節約で浮いたお金を「投資」や「事業」や「スキルアップ」など、「収入を上げるため」に使います。
なぜ目の前の支出を節約するかというと、将来の収入を増やすための元手を作るためであって、単純に現在の収入の中で貯蓄を増やすということだけを目的に節約をしていない人が多いのです。
節約をすることでさらに収入を増やし、そこからさらに収入を増やすために行動するので、節約をすることが収入の増加に結びつき、結果としてお金持ちになっていきます。
一方、節約と収入の増加が結びついていない人は、節約をしても生活に苦しさを感じることが多くなります。特に最近の物価高などにより、現金の価値が下がってしまうとさらに厳しい節約が必要になり、一生厳しい節約をし続けるというサイクルになってしまうのです。
2) 経験を重んじる
節約をしてお金持ちになる人は、必要のない支出にお金を出すことには慎重ですが、将来のためになる支出にはお金を惜しみません。節約をして支出を減らすことで、生活の楽しみが半減したり、家に閉じこもりきりになってしまったりするような生活を好まない人が多く見られます。
収入が少なめで、お金持ちとまでは言えないという人の中でも、節約に成功している人は、光熱費など支払わなければならない支出は極力減らし、自分の楽しみのための支出は充分に確保するといった生活スタイルを貫く人が多い傾向があります。
いくら節約していると言っても、何もしない生活になってしまうような節約には手を出さないなどの線引きがしっかりしている人ほど、節約をするほど様々な経験を積むことができるようになるのです。
3) 貯蓄にしか興味がない
どれだけ少ない支出で生活し、どれだけ多くの貯蓄ができたかに着目してしまう人は、貯蓄が増えたか減ったかにしか興味を示しません。
一般的に、使われることのない貯蓄を「死に金」と言いますが、節約がうまくいかない人は、この「死に金」ばかりを増やそうとしてしまうのです。
一方、お金持ちと言われるまでに貯蓄を伸ばしている人は、いくらお金を貯めても、あの世にまで持っていけるわけではありませんし、「死に金」をいかにつくらず「生き金」を増やすかということに着目している人が多く見られます。
節約をしてお金持ちになる人は、「生き金」がさらに多くの貯蓄を生み出すため、年を重ねるごとに豊かになっていく人が多いのですが、一時の貯蓄額だけにこだわってしまう人は、徐々に貯蓄が目減りしてしまい、年を重ねるごとに資産が減っていく人が多く見られます。
4) 節約をしても豊かである
豊かといっても、湯水のごとくお金を使うことが豊かなのではありません。一時はそのような生活にあこがれる人もいますが、本当のお金持ちになると、「一周回ってそのような生活には興味がなくなった」という人も多くなります。
節約をしてお金持ちになる人は、節約をすることで、自分好みの生活スタイルを作り上げる人が多く、「節約をしたら、節約を始める前より生活が豊かになった」と話す人が多い傾向にあります。
物欲をコントロールすることも上手で、本当に欲しいものだけにお金を使うので、むしろ「以前よりもやりたいことをやっている」と話す人が多く見られます。
「豊か」になる節約をしよう
「節約上手な人」というと、ケチ臭い生活をしている人と勘違いしている人が意外と多いのですが、節約に成功している人の多くは、ケチ臭い生活とは縁遠い生活を送っています。
無駄遣いを減らし、より効果的にお金を使うことを考えることが「節約の意義」と考えている人が多いので、むしろ有益なことにお金を使うための準備としての節約に対してネガティブな感情を持っている人はほとんどいません。
一方、節約がうまくいかない人というのは、目先の支出を減らすことだけにこだわってしまうため、節約は「我慢ばかりでつらく苦しいもの」という感情になってしまう人が少なくありません。
どれだけ少ない支出で生活するかを考えるのではなく、節約をしたことで、どれだけ「豊かな人生」になったかを考えられるようになると、節約をすることでより楽しくなりますよ。
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文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖(講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他