今、「歌う」以外の目的でカラオケに行く人が増えているという。
昭和・平成世代にとっては歌を歌うための場所だったカラオケは、飲み会やデートの行き先としても定番のスポットだった。しかしコロナ禍になり、生活様式が変化したことでカラオケの楽しみ方も新しくなったのだ。
大手カラオケ機器メーカーやカラオケチェーンでは、特徴である音響や防音設備、大画面モニターなどを利用した「歌う」以外の楽しみ方をこぞって打ち出しはじめている。
というわけで今回は「歌わない」カラオケの使い道と、時代に合った最新アミューズメント機能を5つ紹介する。
①大迫力のサウンドと大画面で推し活ができる「みるハコ」
「みるハコ」は、JOYSOUNDの最新モデル「JOYSOUND MAX GO」に搭載されたライブ体験機能だ。
カラオケルームならではの大迫力のサウンドと大画面、ライティング効果で、ライブ会場のような臨場感を味わえると人気を集めている。
ライブビューイングを見るには予約や有料チケットを購入が必要だが、人気アーティストのライブや、お笑い芸人のゲーム実況バトルなどのイベントを生中継で鑑賞することができる。他にも、無料で見られるライブやアニメ、MVなどの配信コンテンツも豊富に揃っている。
目当てのイベントがやっていないときは、推しのMVを流しながら1人騒いでライブ気分を味わうのもおすすめだ。
②撮影・配信・オンラインコラボができる「うたスキ動画」
その場で動画撮影や配信ができる「うたスキ動画」は、ネオ・ひとカラ(1人カラオケ)ともいえる注目のサービスだ。
JOYSOUNDの対応モデルでログインすることで、カラオケルーム内の専用カメラで自分が歌っている動画の撮影をしたり、そのままYouTubeへアップロードすることができるようになる。他にも全国のうたスキユーザーの動画を見たり、コラボ動画を作成することも可能だ。
顔出しが嫌な場合は「魔法カメラ」でマスクをつけたり、もちろん配信しないこともできる。歌だけでなく「踊ってみた」や「演奏してみた」系動画もアップされているので、SNS感覚で手軽に見る・参加するを楽しむことができるだろう。
③専用アプリでコードの練習もできる「楽器カラオケ」
カラオケボックスの設備を利用して、「楽器カラオケ」ができる店舗もある。
ギターなどの楽器をカラオケに接続し、歌う代わりに音源に合わせて演奏することができるサービスだ。
通常、楽器が演奏できる場所は限られるので、大きな音を出して練習したいのであればスタジオなどをレンタルするのが一般的ではないかと思う。しかし1人で練習するのに毎回スタジオをレンタルするのは出費がかさむ。カラオケボックスなら防音なので周りを気にする必要がなく、1人でも思いっきり演奏ができるのが良いところだろう。
JOYSOUNDでは、ギターテクニックの習得を後押しする専用のアプリをいくつか提供している。16,000曲以上のギターコード譜と6,000曲以上のスコアや、ギターの持ち方から学べるコラムが公開されているなど初心者には嬉しいサービスだ。
前述の「うたスキ動画」機能を使えば、楽器を演奏している動画を撮影&配信したり、全国のユーザーとバーチャルセッションをすることもできる。
④仕事帰りにも通いやすい「オンライン英会話レッスン」
カラオケボックスの新しい使い方として一線を画すのが「オンライン英会話レッスン」だ。
通常、オンライン英会話レッスンを受講する場所といえば自宅や個室のコワーキングスペースなどが一般的だろう。しかし自宅の場合、家族や子供が気になって実が入らないという人も多い。個室のコワーキングスペースでも良いが、レッスン中に声を出さなければならないので周りに聞こえやしないかと心配で集中できないという問題もある。
そこで便利なのが、防音&完全個室という空間が揃ったカラオケボックスというわけだ。ネット環境やモニター、マイクなども完備されているため、手ぶらで仕事帰りに立ち寄るのにも便利である。何ならドリンクバーや軽食もあるので、かなり快適にレッスンを受けられるのではないかと感じるほどだ。
展開している店舗はまだそれほど多くはないが、興味がある人は職場や自宅近くのカラオケ店で行っているかチェックしてみると良いだろう。
⑤カラオケ不可だけど安くて便利「テレワーク・リモートワーク」
コロナ禍でテレワークやリモートワークが増えたことで、カラオケ店に行って仕事をするという選択肢が生まれている。自宅だと仕事に集中できない人や、カフェに長時間居座るのは気が引けるという人が利用するのに丁度良いのだという。
利用者の増加を受け、各社カラオケチェーンではテレワーク専用プランを設けていることも多い。1時間当たり大体500円前後の価格で、カラオケの使用は不可とされているのが一般的だ。
施設にもよるが、コワーキングスペースを利用するよりも比較的安く抑えられるのではないかと思う。特にリモート会議を行う場合は個室や防音設備のあるコワーキングスペースを借りる必要があるので、割高になる傾向だ。とりあえずカラオケルーム内なら周りを気にせず作業やリモート会議を行うことができるだろう。
都内や繁華街であればコワーキングスペースを探すよりカラオケ店を探す方が手っ取り早いのも良いところだ。
ただし、完全な無音というわけではないので音が聞こえると集中できないという人には向いていないかもしれない。
多様化が進むカラオケ店のニーズ
上記に挙げた以外にも、例えば小さな子供を連れたママ会ではキッズアニメを流しつつおやつを食べながら気兼ねなくおしゃべりすることができる。
オタク仲間とアニメのブルーレイ鑑賞会をすれば映画館気分を味わうことができるし、ニンテンドースイッチを持ち込めば(※)迫力のサウンドでゲーム大会ができる。という風に、カラオケ店の利用目的は年々多様化が進んでいる。
もはやアミューズメントセンターや貸しスペース的な役割も担っているカラオケチェーンでは、今後もニーズに合わせた新サービスや新機能が続々登場しそうな気配だ。
※ゲーム機の持ち込み可否は店舗によって異なります
※サービス内容の詳細については各店舗の公式情報にてご確認ください
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.