パソコンやスマホを使っていつでも気軽にネットにアクセスできる現代、ビジネスにおけるWebサイト活用の重要性が増している。
企業におけるコンテンツ制作やマーケティングなどで、Webサイトに関連する業務を任される人も多いだろう。そんな方にとって、「パンくずリスト」は基本として押さえておきたい単語の一つ。
本記事では、パンくずリストの意味やサイト上で果たす役割、設置する際の注意点などを解説する。
パンくずリストとは
「パンくず」という響きから、一見この単語がWeb関連の用語だというイメージは持ちにくいかもしれない。まずは、パンくずリストの意味と言葉の由来、Web上での役割などについて見ていこう。
パンくずリストはサイトのナビゲーションをするもの
パンくずリストは、Webサイト内でユーザーがどこにいるのかがわかるように示すもの。
例えば「TOP>ビジネス>ビジネスニュース>…」のように表示するのが一般的で、右側にいくほど具体的なセクションが示される。サイトの上部に設置されることが多い。自身がサイト内のどこにいるのかが一目でわかるため、サイトの全体像の把握に役立つ。また、それぞれの単語にリンクが設定されており、クリックすると該当ページに飛ぶ仕組みになっている。
ちなみに「パンくずリスト」という特徴的な名称の由来は、童話「ヘンゼルとグレーテル」に由来している。童話の主人公が森の中で迷わないよう、道にパンくずを置いて目印としたように、ユーザーがWebサイト内で迷わないための目印としての役割を担う。英語では「breadcrumbs list」「topic path」などと表される。豆知識の一つとして覚えておいて損はないだろう。
SEO対策に効果的なパンくずリスト
パンくずリストは、サイトを訪れるユーザーの利便性を高めるものであり、検索エンジンにおいて評価される機能の一つ。そのため、SEO対策にも効果的だとされている。
無数に存在するWebサイトの中でも自身のサイトを上位に表示させるためには、まずサイトに信頼性があり、わかりやすいものであることを示したい。
パンくずリストを適切に設置すれば、サイトがしっかり構造化されていることを示せるため、検索エンジンにも認識されやすくなる。
3種類のパンくずリスト
パンくずリストには3つの種類があり、サイトに合わせて使い分けることで効果的なSEO対策に繋がる。ここからは3種類それぞれの特徴を見ていこう。
位置型パンくずリスト
位置型パンくずリストは、3種類の中でも一般的なタイプで、多くのサイトで採用されている。現在のページがサイト内のどこに位置しているかを示し、複雑な構造のサイトでも迷うことがない。
該当ページへのたどり着き方が異なる場合でも、表示されるパンくずリストは常に変わらない点が特徴だ。
属性型パンくずリスト
属性型パンくずリストはユーザーによって示されるリストが異なる。サイト内の位置を示すのではなく、現在閲覧しているカテゴリーを示すもので、検索フィルターのような機能を持つ。ECサイトに用いられることが多い。
パス型パンくずリスト
パス型パンくずリストは、単に閲覧履歴を示すもの。ブラウザの「戻る」ボタンが同様の機能を果たすことから、近年はあまり使われないタイプとなった。
パンくずリスト作成時の注意点
SEOに効果的なパンくずリストだが、設置するのにはコツがいる。最後にパンくずリストを効果的に設置するために気を付けたい3つのポイントを見ていこう。
キーワードを含める
パンくずリストには、サイトのターゲットが興味を持つようなキーワードを含めたい。キーワードを入れることで、検索結果として検索エンジンに認識されやすくなる。
さらに、サイト内で目的の情報にたどり着きやすくなるため、ユーザー利便性も向上させることが可能だ。
ただし、キーワードを無理に含めようとすると不自然な印象になるため、注意が必要だ。
全ページの上部に設置する
パンくずリストを全ページに設置すると、ユーザーにとって見やすいサイトになる。しかし、一時的に表示するキャンペーンページなどを無理にリストに表示すると、サイトの構造がわかりにくくなってしまうこともある。パンくずリストを設置しない方が良いケースもあることはおさえておこう。
また、パンくずリストを設置する位置は、ユーザーにもわかりやすいサイトの上部が一般的。下部にも表示が可能だが、検索エンジンは、サイト上部のデータを利用しているため、SEO対策を行うのであれば上部への設置がおすすめだ。
ブログやサイトで使用されることの多いWordPressでは、htmlやcssの知識がなくてもプラグインの利用で簡単にパンくずリストを設置できる。
サイト構造はわかりやすくする
サイト自体の構造がわかりやすいと、パンくずリストも自然と整理される。カテゴリー分類についても、理解しやすい分類の仕方にすることで、ユーザーにとって使い勝手の良いサイトとなるはずだ。
※データは2023年1月下旬時点のもの。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。