寄せ植えとは違う?園芸のギャザリングとは
園芸業界で使われるギャザリングは、愛知県のフラワーアーティスト 青木英郎氏が考案した、新しい寄せ植えの手法のこと。正式には「プランツ・ギャザリング」と呼ばれる。これまでの一般的な寄せ植えとのやり方の違いや特徴について、詳しく見ていこう。
根の付いた植物を使った花束
プランツ・ギャザリングとは、根の付いた植物を使った花束のようなもの。根の付いた植物の苗の土を小さく分解し、好きな草花同士を組み合わせて束にしたものを植え込んでいくことで、植物同士が自然に混じり合い、まるで花束のような表現ができる。
また、飾っているうちに枯れてしまった花は、枯れた部分だけ取り除き新しい花を植え直すことで、作った時の美しさを取り戻せるのも嬉しいポイントだ。
寄せ植えとの違いとは?
プランツ・ギャザリングと従来の寄せ植えとの違いは、その作り方にある。一般的な寄せ植えでは、根の苗(土)を分解して崩すことはタブーとされており、土を崩さずにそのまま鉢に植え付けるのが基本の型。それに対して、ギャザリングは、根の苗を崩して、好きな花を束ねたブーケ状のものを植え込んでいくのが特徴だ。
多種類の花を自由に組み合わせて植える手法により、従来の寄せ植えでは表現できなかった、自然でありながら花束のように美しいアレンジを作り上げ、花瓶に生けるよりも長く楽しめるのがギャザリングの魅力。立体感のあるアレンジメントは、数か月の間、観賞できる。
また、一つの苗を小さく分解して束ねてから植えることで、小さな鉢でも多くの種類の花を植え付けることができるのも人気の理由の一つだ。最近では、多くの花屋でギャザリングの手法を使って作られたフラワーアレンジが販売されている。
プランツ・ギャザリングに必要なもの
プランツ・ギャザリングには、花畑のように自然な形に植え込んだ「ナチュラルスタイルギャザリング」や壁掛けタイプの「ウォールバスケットギャザリング」など、複数のスタイルが存在する。
基本のプランツ・ギャザリングでは、寄せ植えでも使用されるスコップ、ハサミ、鉢などの園芸用品に加えて、水苔、トレイ、バケツ、ピンセットなどの道具が使われることが多い。
また、プランツ・ギャザリングに適した植物については、花びらや葉の数が多い、ビオラやアリッサム、ヘデラなどの草花や、多肉植物などが挙げられる。
※データは2023年1月下旬時点のもの。
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文/編集部