スマホはケーブルと電源さえあればどこでも充電でき、電池の消耗をさほど気にせずに使用することができる。しかし、EV車の充電設備はどこにでもあるわけではない。持ち家であれば設置することも可能だが、集合住宅であればなかなか難しいだろう。
日産自動車はこのほど、EV購入検討者(保有者)、及び集合住宅にお住いの30~50代男女400名を対象に「EV(電気自動車)の購入時に重要な住居の環境」についての調査を実施し、その結果を発表した。
EVの購入検討は「1~3年前」が最も多く、直近3年以内に検討した人は76.8%
EV購入を検討している人を対象に、EV購入の検討時期を聞いたところ、最も多いのは1年~3年前(43.1%)、次いで半年~1年前(25.1%)、1年以内(33.7%)という結果となった。ここ数年でEV購入意向が高まっているといえる。
また、EVの購入を検討する理由として、複数回答では「環境にやさしいから(63.0%)」、「ガソリンが高騰しているから(51.3%)」、などの社会的な背景が大きく影響していることがわかった。
一方、買えない理由No.1は「充電環境」、ついで「価格」
「EVを購入する上で迷うポイント」について、最も多いのは「自宅で充電できない(57.8%)」。購入価格よりも、住宅の充電環境がもっとも影響していることがわかった。以下、「費用が高額(57%)」、「周辺の充電環境が整っていない(45.3%)」と続いた。
また「集合住宅に充電設備がないとEV購入が難しい」と回答する人も88.6%という結果に。
実際に、3年以内にEV購入を検討している400名が対象でも、「住環境(充電設備がない)が理由でEVの購入をあきらめた経験はありますか?」という質問で51%があると回答しており、EV普及のためには、集合住宅との連携が必要なことが浮き彫りになった。
現在住んでいる集合住宅にEVの充電ができる駐車場がない人が79.5%
EVの購入検討者においても、現在お住まいの集合住宅にEV充電ができる駐車場がない人が79.5%。実際に集合住宅でEVを保有している50名の充電方法は「自宅外」が52%で、自宅の駐車場で充電している人はわずか16%という低い結果となった。
さらに、充電スポットが自宅から徒歩30分以上かかると回答したのは30%と手間がかかっている現状が明らかに。EVを購入する場合も、自宅以外の充電設備を利用予定の方が73.8%と高い数値になっている。充電場所を「自宅の駐車場」と想定している人が少ないことからも、充電環境の整備推進が課題であることがわかる。
<調査概要>
調査実施期間:2022年10月26日~2022年11月1日
調査方法 : インターネット
調査機関: 楽天インサイト
調査対象: (事前調査) 10,953名
(本調査) EV購入検討者(保有者)、及び集合住宅にお住いの30~50代男女400名
構成/こじへい