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チップとどう違う?ホテルやレストランで支払う「サービス料」の相場と計算方法

2023.02.08

ホテルやレストランでは、利用料金のほかにサービス料を請求されることがあります。何に対して払うお金なのか、不思議に思う人も多いでしょう。サービス料の意味や金額の相場について、また海外におけるチップの考え方も併せて紹介します。

サービス料の相場とは

サービス料は、どのようにして決まるのでしょうか。相場や消費税の扱い、心付けとの違いを解説します。

相場と計算方法

サービス料は、日本のホテルや旅館、飲食店などでの特有の料金制度です。日本には海外のように、サービスを受けた相手に『チップ』を支払う習慣がないため、サービス料はチップの代わりともいわれています。

サービス料の相場は、かかった料金の10.0%~15.0%が目安です。例えばサービス料10.0%のホテルに泊まり、宿泊代や食事代の合計が2万円だった場合は、サービス料として2,000円が請求されます。

ここでポイントとなるのが、消費税の扱いです。サービス料は課税対象となるため、代金にサービス料を足して消費税率をかけた額が最終的な支払い金額となります。

例:2万2,000円(代金2万円+サービス料10.0%)×消費税10.0%=合計2万4,200円

サービス料というと消費税のように捉えがちですが、あくまで商品(サービス)の一部として課税対象となるので注意しましょう。

参考:飲食店で徴しているサービス料等の事業区分|国税庁

そもそもサービス料って?

サービス料は、ホテルや飲食店が提供するサービス全体に対する代金です。例えばホテルでは、宿泊する部屋以外にもロビーやレストラン、バーなどのさまざまな設備を揃えて客をもてなしています。

客が快適に過ごせるよう、従業員の教育や館内のメンテナンスも欠かせません。こうした努力があってこそ、客は日常とは違う特別な時間を楽しめるのです。

サービスが徹底しているホテルなどに泊まると、サービス料が気にならなくなったり、払って当然だと思えたりするほどの満足感を得られることもあります。

心付けとの違い

日本には、結婚式場の担当者や旅館の女将などに『心付け』を渡す文化があります。心付けは、スタッフへの感謝の気持ちを示すために、客が自主的に払うものです。

心付けには支払い義務はなく、金額も自由です。サービス料がかかる旅館などでは、心付けを渡さない方がよいのではと考える人もいますが、気にする必要はありません。

サービス料の有無にかかわらず、お礼を形で示したいと思ったときは渡すようにするとよいでしょう。

サービス料って拒否はできないの?

財布からお金を出す

(出典) photo-ac.com

サービス内容に満足できないときでも、サービス料を払う必要はあるのでしょうか。サービス料の支払いを拒否できるのかについて見ていきましょう。

基本的に拒否できない

サービス料は、その施設の利用料金の一部です。金額も施設側が決めるため、客が支払いを拒んだり割引を要求したりすることは認められません。

利用料金とは別にサービス料がかかることは、公式ホームページや予約サイト、パンフレット等に記載があるはずです。そのため客が見落としていたという言い訳も、通用しないと考えてよいでしょう。

どこにもサービス料の記載がない、あるいは記載された料金と請求金額が大幅に違っているときなどには、支払いを拒否できる可能性もあるかもしれません。ただしこれは非常に稀なケースといえるでしょう。

海外はチップ制

お金を数える

(出典) photo-ac.com

海外ではサービスへの対価として、チップを支払うケースがよくあります。チップの意味や相場、渡し方などを見ていきましょう。

チップの意味

チップは何らかのサービスを受けたときに、対価としてスタッフに直接支払うものです。直接渡す点では心付けと似ていますが、目的が異なります。

中にはチップを受け取ることを前提に、給与が低く抑えられている国もあります。こうした国では、チップが労働者にとっての大切な収入源です。そのため客の気持ちや都合で決めずに、一定額を払う必要があるのです。

ただし伝票にサービス料が記載されている場合は、基本的にチップは不要か、相場よりも少額で構いません。また日本と同じくチップの習慣がない国や、そこまで気にしなくてよい国もあります。

チップのスマートな渡し方

チップは基本的に、紙幣で渡します。特にチップが習慣化しているアメリカでは、硬貨で渡すのは失礼な行為とみなされることもあるため注意が必要です。

アメリカのチップの相場は1~5ドルほどですので、旅行するときは1ドル紙幣を多めに用意しておくとよいでしょう。レストランなら、食事代金と一緒にクレジットカードで支払うことも可能です。

なおヨーロッパでは、5ユーロ未満のユーロ紙幣がないため硬貨でも問題ありません。チップ用の紙幣や硬貨は、いつでも取り出せるように、ポケットやバッグなどにしのばせておくとスマートです。財布は盗難の恐れがあるため、人前でうかつに出さないようにしましょう。

チップを渡さない国もある

一方で、チップを渡さなくてよい国や、渡してはいけない国もあります。フランス・イエメン・オマーンにてサービスを受けたときは、基本的にチップは不要と考えてよいでしょう。

とはいえ、日本での心付けのように感謝の気持ちを表したいときや、特別なサービスをしてもらったときなどは、事情を説明すれば受け取ってもらえるケースもあります。

またアルゼンチンでは、チップを渡す行為が違法とされています。間違って渡さないように注意しましょう。

構成/編集部

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