小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

1日を快活にスタートする3つのカギは「前日に運動」「少し遅めに起床」「炭水化物が多めの朝食」

2023.01.21

1日を快活にスタートするための三つの鍵

朝、気持ち良く目覚めて1日を快活に過ごすためには三つの鍵があることが、新たな研究から明らかになった。

前日に運動をして、いつもより少し遅めに起き、炭水化物が多めの朝食を取ると良いようだ。これらの3因子は、朝の覚醒レベルにそれぞれ独立した関連があるという。米カリフォルニア大学バークレー校のRaphael Vallat氏らの研究によるもので、詳細は「Nature Communications」に2022年11月19日掲載された。

広告などでは、しばしば朝食のシーンとして、砂糖で甘くしたシリアルがテーブルに並んだ映像が登場する。

ただ、砂糖などの単純糖質ばかりの食事は、1日のスタートには最悪のようであり、Vallat氏は、「摂取後に血糖値を急激に上昇させる食品は避けた方が良い」と話す。

覚醒レベルが低い状態では労働生産性が低下し、労災や交通事故のリスクの一因ともなる。Vallat氏らは、起床後の覚醒レベルに影響を及ぼす生活習慣と遺伝的な影響の検討を行なった。

研究対象は、340人の一卵性双生児、134人の二卵性双生児、および359人の非双生児、計833人。平均年齢46.20±11.93歳、男性28.0%、BMI25.83±5.12、臥床時間7.66±0.80時間。

研究参加者には、2週間にわたって加速度計と連続血糖測定(CGM)センサーを装着して生活してもらい、その間、全ての食事の摂取量を専用アプリに保存するとともに、覚醒レベル(0~100のビジュアルアナログスケール)を記録してもらった。

なお、朝食は研究者が用意した高炭水化物食、高タンパク食、高脂肪食などを支給した。このような手法についてVallat氏は、「この領域の研究はこれまで研究施設内に宿泊してもらい行なうことが多く、実生活に即した結果を得ることが困難だった。それに対して今回の研究では、リアルワールドでのデータを得ることができた」と述べている。

解析により、覚醒レベルの違いを遺伝的に説明可能なのは約25%どまりであって、その他の多くは生活習慣によって説明されることが分かった。

検討した全ての因子の影響を互いに調整後、以下の三つの生活習慣に関わる因子が、覚醒レベルにそれぞれ独立して関連していることが明らかになった。

一つ目は前日の身体活動量であり、身体活動量の多い10時間の平均加速度が高いほど翌日の覚醒レベルが高いという関連が認められた(β=0.02、P=0.049)。

反対に、活動量の低い5時間の平均加速度が高いことは翌日の覚醒レベルの低さと関連があり(β=-0.21、P=0.004)、夜間の中途覚醒の少なさが翌日の良い目覚めに関連していると考えられた。

二つ目は通常よりも長く眠ることであり(β=0.90、P<0.001)、また、通常より遅い時刻に起床することも睡眠時間とは独立して、朝の覚醒レベルの高さと関連していた(β=0.75、P<0.001)。一方、睡眠効率(臥床時間に占める睡眠時間の割合)は有意な関連がなかった。

三つ目は朝食の組成であり、高炭水化物食(炭水化物75.7%)を摂取した時の覚醒レベルが有意に高く(β=1.42、P=0.002)、反対に高タンパク食(タンパク質32.5%)を摂取した時の覚醒レベルは有意に低かった(β=-1.36、P=0.012)。

なお、覚醒レベルの変化が最も大きかったのは、経口ブドウ糖負荷試験(75gのブドウ糖溶液を飲んだ後の血糖値の変化を見る検査)を行なった日であり(β=-6.97、p<0.001)、単純糖質の摂取は覚醒レベルを下げることが示唆された。

これらの結果についてVallat氏は、「運動は基本的に多ければ多いほど翌朝の目覚めに良いようだ。ただし、高タンパクの朝食が覚醒レベルの低さと関連しているという結果には、正直に言って驚いた」と述べている。

また、論文の上席著者である同大学のMatthew Walker氏は、「運動と覚醒レベルとの関連は常に一定ということではなく、多くの運動をすることで十分に睡眠ができた場合に、より大きな効果が生じる」と付け加えている。

なお、今回の研究報告の全てがこの領域の専門家に肯定的に捉えられているわけではない。例えば、睡眠習慣に関する啓発サイト(The Sleep Doctor.com)の立ち上げ時の指導にあたった臨床心理学者のMichael Breus氏は、「報告された結果の朝食に関する部分は、これまでの知見からややずれている。

私の経験や既報論文によれば、高炭水化物食は眠気を誘発することが多いはずだ」と話す。そのBreus氏は、快適な目覚めのためのシンプルな方法として、以下の5項目を提案している。

・毎日同じ時間に起きる。
・カフェインの摂取は午後2時まで。
・飲酒は就床の3時間前までにやめる。
・毎日運動を。ただし、就床時刻の4時間以上前までに終了する。
・起床後は深呼吸を15回、水を15オンス(400mL強)飲み、外に出て15分間日光を浴びる。

HealthDay News 2022年12月6日)

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41467-022-34503-2

構成/DIME編集部

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。