将来への不安を解消すべく、貯金をしているという人は多いはず。では実際のところ、金額にしていくら貯めている人が多いのだろうか?
フォーイットが運営するWeb3メディア「Mediverse」はこのほど、全国の20歳~69歳の男女500人を対象に「貯金に関するアンケート調査」を実施。その結果をグラフにまとめて発表した。
貯金額は「0~49万円」と「1,000万円以上」が同率1位
「現在の貯金額」について聞いたところ、ボリュームゾーンは「0~49万円」と「1,000万円以上」が同率28.40%となっており、この2項目だけで全体の約6割を占めていることになる。50~999万円の中間層は割合の差異があまり見られないことも鑑みると、貯金額は二極化傾向にあることが推察できる。
年代別に見ると、60代を除くすべての世代で「~49万円」がもっとも多い割合を占めており、いずれも全体平均の28.40%を超えていた。なお、60代においては「1,000万円以上」が断トツの37.57%であるものの、2番手に「~49万円」が21.97%となっていた。
また、30代は「1,000万円以上」がもっとも少なく7.14%に留まる一方で、20代・40代・50代では4人に1人が「1,000万円以上」という結果だった。
しかしながら、40代・50代ではその割合を上回る3人に1人が、20代においては2人に1人が「~49万円」と回答している点から、ここでも貯金額の二極化が見受けられる。
世帯年収700万円地点が貯金額の分岐点に
世帯年収別に見ると、「0~49万円」もしくは「1,000万円以上」が各年収層においてシェア1位となるかは、世帯年収700万円地点で明暗が分かれていることが読み取れる。
さらに、700万円~1,000万円の年収層と1,000万円以上の年収層では、「1,000万円以上」の貯金を保有する割合が2倍差となっており、世帯年収1,000万円地点でも新たな分岐点があることが推測される。
一方、300万円~500万円の年収層と500万円~700万円の年収層は貯金額の割合が全体的に近しい傾向にあること、いずれの年収層においても2割ほどは「1,000万円以上」の貯金を所有していることから、世帯年収と貯金額には相関があまり見られないと言える。
貯金目的、7割が「老後の蓄え」
貯金の使い道として圧倒的に多かったのは「老後に備えて」(70.00%)であった。さらに、「家族に何かがあったとき」30.40%、「旅行や趣味」28.60%と続いており、近未来の余暇を楽しむためというよりも、将来への不安に対する安心材料として貯蓄していることがうかがえる。
年代別に見ると、TOP3は世代差なく満場一致で、「老後に備えて」「家族に何かがあったとき」「旅行や趣味」がランクインし、首位はいずれの世代でも「老後に備えて」が抜きん出ていた。
20~50代は、2位「家族に何かがあったとき」、3位「旅行や趣味」となっているのに対し、60代は逆転して2位「旅行や趣味」、3位「家族に何かがあったとき」となっており、一般的に定年を迎えることの多い60代においては、家族の万が一に備えた分はすでにある程度蓄えており、余暇を楽しむ分の貯蓄へシフトしている可能性が考えられる。
世帯年収別に見ると、いずれの年収層でも「老後に備えて」がもっとも高いことには変わりないが、2位以降は世帯年収により特徴が見られた。
世帯年収300万円以上になると、2位「家族に何かがあったとき」3位「旅行や趣味」へ順位が入れ替わっており、世帯年収1,000万円以上で同率35.59%に落ち着いていることから、世帯年収が増えたことにより、複数項目にバランスよく貯蓄ができていることが推察される。
また、世帯年収500万円地点から「子どものため」の貯金が全体の2割を超えていることから、シェア率4位であるものの、子どものために意識的に貯蓄している姿勢が垣間見える。
今回のアンケート調査結果では、貯金額は二極化傾向にあり、年代別・世帯年収別に見ても、貯蓄格差が生じていることが判明した。
また、貯金の使い道としては、老後に備えた貯蓄がいずれの年代・世帯年収でも圧倒的に多く、貯金は将来への不安を軽減するための安心材料の1つであることが推察される。
さらに、年代別・世帯年収別に見ても、老後のため、家族のため、余暇のためが相違なくランクインしていることから、年齢や収入に関係なく、お金をかけたいものもしくはお金を惜しみたくないものは同じであることが考えられる。
出典元:Mediverse
構成/こじへい